小学校受験/小学校受験学校情報

お受験する前に考えて欲しいです お受験の落とし穴(2ページ目)

お受験には、良い面と悪い面がりあます。悪い面についても知っておいて頂きたいのです。

高橋 公英

執筆者:高橋 公英

学習・受験ガイド

3.選抜方法の不透明性
お受験では中学受験のように客観的な学力試験の成績で合否が決まらず、それ以外の要素も大きいです。それは「行動観察」であり「運動テスト」であり制作や歌唱などの「自己表現」です。その他に宗教や家庭環境、縁故が絡んできます。

従って、より合格可能性を高めようとペーパー以外の素養にも磨きをかけるため複数の教室へ通うことになります。さらには縁故を作るために志望校の先生に紹介状を持って会いに行ったりという努力をすることになります。学校も選抜基準をオープンにしないことで、この現象を煽る責任の一端を担っていると思います。

4.親のエゴ
お受験の年頃では、子供が自分からどこどこの学校へ行きたいなどと言うわけはなく、お受験をするというのは子供のためを考えてであっても親のエゴであるわけです。問題はその自覚を持ちながら取り組むか、忘れてしまうかにあると思います。

その自覚があれば、子供に無理な勉強をさせたりはできません。しかしながら、お受験に限らず幼児教育には麻薬のような魅力があります。これに引き込まれてしまうと、正に暗黒面に落ちる羽目になります。

幼児はスポンジのようになんでも吸収します。ですからやってみると、小さい子がこんなこともできるようになるのかと驚かされます。初めは純粋に驚いてほめているのですが、次第にエスカレートしてきてあれもこれもやらせるようになります。そしていつの間にかできないと叱るようになってしまう、そんな恐ろしさがあります。

5.知育偏重
私立小学校側の望ましい生徒像を聞くと、どの学校も「子供らしい子供」と言います。これは世間一般の子供らしさのイメージ通りなのでしょうか。ある意味Yesで反面Noです。

Noというのは、ある程度の知能があって集団活動での協調性を備えているという基礎部分が必要だからです。わがまま一杯の子供らしさではありません。でもYesの面では、幼児教室通いで萎縮した子供は望まれていないのです。私の感覚ではここのところが忘れ去られているように感じます。

ペーパーの練習や幼児教室通いで遊びの時間が不足します。それによって本来養われるべき子供らしさが失われ、それを補うために別の教室に通うという矛盾がそこにあるのではないでしょうか。

子供らしさを養うのは案外簡単です。親が子供に接する態度に気をつければ良いのです。ついつい「こんなこともできない」「前にできたのに忘れてる」「なんで大きな声で発表できないの」などなど子供に対して否定的な感情を持ってしまいます。これを子供が感じると萎縮してしまいます。

例え、お教室で失敗してもペーパーができなくても「とっても難しいのに良く頑張ったね」「今度はできるようになるよ」と前向きに励ましてあげることです。(言うは易く、行うのが難しいのは実感としてよく分かりますけど)親が子供を否定せず、失敗しても受け入れてくれると分かっている限り、伸び伸びとして子供らしさを失うことはありません。後はお行儀などを気をつければ良いのです。
                                  
 暗黒面に陥らないための最も簡単な方法は、目的意識を持ってお受験に望むことです。「なんのために○○小学校へ入れたい」のか良く考えてください。長い人生学校だけで決まるわけではありません。大学を出た後どのような人生を送って欲しいのか、どんな大人になって欲しいのかを考え、それに相応しいと思われる志望校を選びましょう。そうすれば不要な勉強はしなくて済むようになるのではないでしょうか。お子様にとって受験勉強が暗い思い出にならないようにしてあげたいものです。
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