英語/英語学習アーカイブ

夢を追いかけて、パイロットへの道(後編)(2ページ目)

英語をどうやって活かしましょう? ここに英語を友とし、自分の夢を着実に手に入れようとしている青年がいます。パイロット訓練生の中西智裕さん。彼にも挫折はありました。どうやって乗り越えてきたのでしょう?

執筆者:川本 佐奈恵

一人旅で心を癒す

パイロットへの道
目標を見失った僕は一人旅に出たんだ。次の自分を探すために。
ガイド:今まで力を入れてやってきたことが実らないとわかった時、こんな辛いことってありませんよね。どうやって自分を取り戻していったのですか?

トモ君:それからは特にやることもなく、目標も失ってしまった僕は、ふらっと一人旅に出たのです。日本各地をまわりました。野宿をしたり、駅のベンチで寝たり、他人は僕のことを見て、きっと家出をした子だと思ったに違いありません。でなければあれほど沢山の人に差し入れをもらうことはなったでしょう。

人々の温かさに触れているうちに心が癒されていったものかもしれません。それまで、サッカーだけが僕の人生だったので、ボールから離れたことがなかったのです。旅行も遠征試合で出かけるだけでした。

一人旅をしてみて、なんだか新鮮で楽しいものを見つけたのです。英語に興味を持ったのもちょうどこの時期だったような気がします。「日本国内でこれだけ面白いのなら、海を渡ったらどれだけ楽しいんだろう?」 そう思いましたね。当時の専属ドクターがアメリカ人だったということもあったせいか、「英語」、「海外」という言葉に引かれていきました。


どん底から這い上がらせてくれたのは英語、そして次の夢発見

パイロットへの道
機内のコックピット。この計器の前に座り操縦かんを握る。
ガイド:いわば、怪我をきっかけに英語に興味を持つようになったと言ってもいいのですね? パイロットになろうと思ったきっかけを教えていただけますか?

トモ君:怪我をしてから1年くらいはずっとどん底にいましたが、気持ちを切り替えてからは、立ち直りも意外と早かったですね。20歳になり、日本で成人式を終えたその1週間後には、ニュージーランドに渡っていました。

パイロットへと進路変更をしたのは、ちょうど帰国する3ヶ月くらい前です。働いていたレストランで、常連客のおじさんと、ふとしたことがきっかけで友達になりました。まさか彼がパイロットだなんて知る由もなかったのですが、チップを沢山くれる人だったので、ずっと気にはなっていました。

いろいろなことを話しましたね。サッカーのこと、僕には、これからの夢がないこと、僕自身のこと……。そのうちに、彼がパイロットだということを教えてくれたんです。そして、パイロットが何たるかということを熱心に語りだしました。当時の僕にはよくわからない英語でずっと話してくれました。彼が何を話していたのかはもう半分も覚えていませんが、とにかく熱かったです。その話を聞いた時は、自分がパイロットになろうなんて考えもしなかったのですが、日本へ帰る飛行機の中で、ふっと決めたのです。「あっ!僕も空飛ぼう!」 と。まったく、単純ですよね。


挫折を乗り越え、次の目標を見つけたモト君、これからどんな将来を夢見ているのでしょう? 次のページへ
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