第69回四大学英語劇大会が 2005年11月12日(土)、13日(日)と開催されました。慶応プロダクション、早稲田プロダクション、ひとつだプロダクション(一橋大学、津田塾大学)、立教プロダクションの 5大学 4団体が英語劇を繰り広げ、賞をめぐって競っていました。

プロダクションとは各大学のE.S.S. (English Speaking Society) ドラマセクションから構成されている団体です。四大学英語劇大会の第1回目が催されたのは何と1924年だそうです。途中戦争の関係で一時中断があったものの、今回で69回目をむかえる歴史ある大会です。

英語好きの若者がひとつになる

四大英語劇大会
ハムレットを演じるべきかどうかで悩む俳優を取り巻く物語、早稲田プロダクション
静かに、静かに幕が上がります。でも、その影にはこの日のために苦労して、1日1日を精一杯生きてきた若者たちの息づかいが聞こえてきます。ほんとうに、みんなこの日をむかえるために、あの暑い夏の日も、雨の降る日も、風の強い日も、朝早くから、日が落ちて真っ暗になるまで、この英語劇大会のために時間を費やしてきたんだよね。真っ暗になっても、それでも作業の手を休めず設計し、採寸し、ペンキ塗りをし、台本とかかりきりになり、何度も何度もせりふの稽古をし、音楽を選び、照明の位置、色合いを考え確認し、キャストのメイク技術を磨き、ひとりひとりが力をあわせた、その舞台の幕開けです。

四大英語劇大会
「僕はなぜ生まれてきたんだ?」との答えを求め観客に語りかけていく、慶応プロダクション
みんなでひとつのものを作り上げるから、そこには感動が生まれるのでしょうか?ひとつの目標に向かって動いてきた。ここに至るまで、不協和音もあったでしょう。意見の食い違いや衝突もあったでしょう。嫌になって逃げ出したくなったこともあったでしょう。辛い毎日に 「何をやってるんだ?」 と思ったこともあったはずです。でも、あきらめなかったから、今の君たちがいるんだよね。挫折しても這い上がってきたから今日があるんだよね。今はタダ単に、大会の成功を信じて各団体が心をひとつにして、そして、幕は切って落とされました。

ひとりひとりが舞台をささえる主人公

四大英語劇大会
この大道具、小道具が見事な舞台を作り上げます
この英語劇にはあるルールがあります。大道具、小道具を搬入しセットを完成させ、英語劇を披露し、そして、せっかく作った立派なセットを取り壊し、搬出し、舞台上をもとの何もなかった状態に戻す。これを115分間以内に終了しないといけないのです。もし、1分でもオーバーすると、この大会の目玉である賞を受け取る資格がなくなります。誰ひとりとして手を抜けない、学生のひとりひとりが 1秒たりとも動きを無駄にできない時間との戦いは、幕が開くその前から始まっていたのでした。ストップウォッチが押されると同時に大きな声を張り上げて、導線を確認し、手渡しで大きなパネルを運び込み、位置を確認し、釘を打つ。物を落としたり、つまずいたり、転んだりしたら、それこそロスタイムが生まれてしまいます。神経を張り詰めリーダーの指示に従い互いに声をかけあってセットを運び込む姿は、まるで、スポーツ競技を見ているかのようです。

四大英語劇大会
笑い一杯のドタバタコメディーを演じた、立教プロダクション
来年、この四大英語劇大会を観に行く人がいたら、ぜひ、観劇だけでなく、この搬出入からご覧ください。迫力があるんですよ。この四大劇大会をよく知っている人たちは、劇の始まる前、搬入口に集まります。搬入前に見せる学生の緊張感はひしひしと見守る人たちへと伝わります。劇が終了するとすぐに駆け出して会場わきの搬出口に向かいます。ここがもうひとつの見所だからです。劇の始まる前と終ったあとの学生たちの表情を間近で見てください。そこには感動あり涙ありの、まさしく青春そのものがあります。

四大英語劇大会
「あなたはどう生きていますか?」と問いかける、ひとつだプロダクション
さぁ、幕は開きました。見事な英語が舞台から流れ出します。昨年も学生たちの英語力に息を呑んだけれども、今年はさらにレベルが上がっているなと感じます。キャストとして舞台に立っている人の中に、帰国子女はほとんどいません。この四大英語劇大会に向けて特訓を重ねてきた若者たちの英語が舞台から聞こえてきます。実に見事です。どれだけ練習を重ね、どれだけ辛い思いをし、それを乗り越えて今日をむかえたのでしょうか?熱い、熱い戦いが繰り広げられています。


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