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「職場にいて助かる人」は「ホスピタリティ」が高い。“精神的な価値”を出せる人の5つの共通点とは?

現代の人々が求める価値は、物質的なことだけではなく、精神的なものも重要になってきました。そのため、ホスピタリティが果たす役割が大きくなっています。そこで今回は、ホスピタリティが高い人の共通点について解説します。

寿  マリコ

執筆者:寿 マリコ

ビジネスマナーガイド

ホスピタリティ

ホスピタリティが高い人の共通点は?


不確実性が高いといわれる現代は、ビジネスモデルの短命化やテクノロジーの飛躍的進歩で既存の技術が通用しなくなるなど、将来の予測が困難で先行き不透明な状況になっています。

そのような状況の中、人々は物質的な価値だけでなく、精神的な価値も求めるようになっており、個人やあらゆる企業の経営戦略、マネジメントにおいてホスピタリティが重要になっています。今後ホスピタリティが果たす役割はさらに大きくなっていくでしょう。

そこで今回は、ホスピタリティが高い人の共通点について解説します。
 

ホスピタリティとは? サービスとの違いは

ホスピタリティとは、深い思いやりや心のこもったおもてなし、歓待、歓待の精神などのことをいいます。ラテン語の「hospes(ホスぺス)」が語源で、これは「客をもてなす主人」「もてなしを受ける客」「異国の旅人」などの意味とされます。ホテルや旅行業界、飲食業界に限らず、さまざまな業界で注目されるようになりました。

ホスピタリティはサービスと比較されることがありますが、サービスは誰に対しても同様に、マニュアル通りの価値を提供するのに対して、ホスピタリティは1人1人に応じて、かけがえのない唯一無二の価値を提供することです。

相手に喜んでもらえるのはどんなことか、自らが考えて1人1人に感動と喜びをもたらす、心のこもったおもてなしをすることがホスピタリティといえるでしょう。
 

ホスピタリティが高い人に共通する5つの特徴

高いホスピタリティが提供できれば顧客満足度が向上します。同様に、社内にホスピタリティが高いメンバーが多いと、互いの協力や連携が円滑に進み、会社へのエンゲージメントも上がります。

では、ホスピタリティが高い人にはどんな共通点があるのでしょうか。次に見ていきましょう。 

(1)マニュアルだけに頼らず、1人1人に唯一無二の対応ができる
ホスピタリティが高い人は、マニュアルだけに頼って誰にでも同じ対応をするのではなく、1人1人に応じて唯一無二の対応ができる人です。

ホスピタリティが高い人になるために参考になるのが「守破離(しゅはり)」という考え方。守破離とは、まずマニュアル通りの型をしっかり学ぶ段階の「守」から、経験を積み重ねていく中で模索し、既存の型を打ち破る「破」を経て、自分なりの方法を確立できた段階を「離」とする、茶道の千利休の教えを引用した修行の過程のことです。

人の心はマニュアルだけでは動きません。マニュアルを越えて、唯一無二の価値を届けることで相手の心が動くのです。

(2)常に相手を尊重し、相手の立場に立った対応ができる
忙しいときや余裕がないときなどは、ともすれば提供する側の都合に合わせた対応をしてしまいがちです。また、提供する側の押し付けや勝手な思い込みで行動してしまい、本質を無視した対応をとってしまうことも少なからずあります。

ホスピタリティが高い人は、常に相手を尊重した行動をとることができます。相手が言葉で表せていない気持ちや心の奥にあるニーズを感じ取り、どんな時でも臨機応変に相手の立場に立った対応ができる人です。

(3)相手のノンバーバルコミュニケーションに注目している
ホスピタリティが高い人は、相手のノンバーバルコミュニケーションに注目して、機微を捉えることができる人です。ノンバーバルコミュニケーションとは、表情や視線、しぐさ、声のトーンなどの非言語によるコミュニケーションのことです。

ノンバーバルコミュニケーションには、ふとした心の奥の感情が表れることが多いため、注目することで表面だけでは分からない、相手の心の動きや思いを感じ取ることができます。相手のことを深く理解すればするほど、心に響く高いホスピタリティを提供できる機会が増えるでしょう。

(4)相手の話をよく聞き、よく覚えている
ホスピタリティが高い人は、相手の話をよく聞きます。「この人はどんなことをうれしいと感じるのだろう」「この人が最も必要としているのはどんなことだろう」と、相手の考えや気持ちを想像しながら聞き、その話をよく覚えています。自分の主観を入れず、相手の気持ちになって集中して聞くと、相手が喜ぶことや本当に必要としていることを理解することができます。

話の内容を覚えておき実践することで信頼関係が結ばれ、相手に心を開いてもらえるチャンスになるでしょう。

(5)話す内容だけでなく、話し方や聞き方に気を配っている
会話をする場合にはどんな話をしようかと考え、より良い言葉を選びますよね。コミュニケーションというと、言葉で伝えることだと思っている人が多いかもしれません。もちろん言葉選びは大切ですが、会話の内容は詳しく思い出せなくても、「あの人は親しみやすい人だった」とか、「あの人は誠実な人だった」など、人の印象は記憶に深く残っているものです。

ホスピタリティが高い人は、自分の話す内容だけでなく、話し方や話の聴き方も印象に影響を及ぼすことを理解しています。相手の話にうなずいたり相づちを打ったり、声のトーンや笑顔などを心がけて対応できる人なのです。
 

さまざまな体験をして多くの引き出しを持っておくことも重要

人が感動するのは唯一無二の体験をしたときです。

ホスピタリティが高い人になるために、自らもさまざまな体験をしてみてください。成功したことや失敗したこと、うれしかったこと、感動したことなど、体験したことはすべて自分の資産になります。

多くの引き出しをもっておくことで、高いホスピタリティを提供できる人になるでしょう。
 
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