はい、子供がおりませんでしたし、週に2回の英会話講師の仕事も夕方からのシフトでしたので、それ以外の時間はすべて英語の勉強に充当させました。もちろん、ちゃんと家事はこなしていましたよ。(笑)
東京、阿佐ヶ谷にあるハロー通訳アカデミーに入学し、きちんと勉強計画をたて、受験勉強が始まりました。でも辛かったぁ~。世の中って自分の思い通りにはいかないんですね。最初は1年も勉強すれば合格するのだろうと、たかをくくっていました。初年度、箸にも棒にもひっかからず。2年目、手ごたえはあったものの、不合格。3年目、1次合格したものの、2次で落ちてしまいました。
途中であきらめるのは絶対に嫌でしたし、夫も、せっかく始めたことだから、最後までやってみろ、と応援してくれ、4年目にして、やっと合格しました。4年もかかってしまいましたが、この間にできた仲間は、今でもよく会ったり、情報交換をしたりする、私のかけがえのない宝となりました。
仲間がいたから、ここまで頑張ってこれたのだと思います。お互いに励ましあい、過酷な勉強に耐えられたのも彼女たちがいてくれたおかげです。もうダメだとくじけそうになったり、不安になったりしたときに、私を救ってくれたのは、この受験仲間でした。
通訳ガイドの仕事を始めて、気をつけていることはどんなことですか?
▼入念な下調べが通訳の命
行ったことのない場所は必ず下見をします。導線を頭に入れておくことはとても大事なことで、この部分を怠ると、お客様とゆったり過ごすことができません。せっかく日本にいらしてくださったのですから、少しでも日本のいい部分を知っていただき、私が説明することで理解を深めてくださればこんなに嬉しいことはありません。
▼お客様が何を望んでいるのか、察する力を養う
私は、まだまだ新人、ガイドとしての道を歩み始めたばかりです。ひとつひとつの仕事を大切にこなし、経験不足の部分は、ホスピタリティーでカバーしていこうと考えています。例えば、時差ぼけや、お仕事でお疲れのような方には、話しかけるのを少し控えてみることも必要かなと思います。お客様が何を望んでいらっしゃるのかに常にアンテナを立て、相手の状況にあわせて臨機応変に対応できるように心掛けています。
▼一期一会
私がお会いするお客様は、もしかしたら、もう二度と会わない方かもしれません。あぁ、日本に来てよかった、と満足して帰っていただきたいと願いながら接しています。私自身がリラックスして説明できるように、普段からブツブツと口にだして、ひとりでガイド練習しています。都内や有名観光地の案内ポイントは空で言えるようになりました。この練習を普段からしておかないと、本番の時、お客様の笑顔を引き出す余裕が生まれなくなってしまいますから。
ガイド資格を取って、ようやくスタートラインに立てた気持ちです。この仕事を選んで本当によかったと思っています。私は人と接することが大好きですから。自分が本当に何をやりたいのか気付くまでに時間がかかりましたが、それが見えてきたとき、あきらめることなく努力してよかったと、つくづく思います。ガイドとしてお客様に喜ばれる仕事が出来るようになるために、これかも勉強を続けていきます。
「お客様とお話をしているときが一番楽しいです。」とおっしゃる筑紫さん。その楽しさの陰には入念な下調べと毎日の勉強の積み重ねが今も続いています。実は、取材依頼のお電話をさせていただいた時も、日光を下見中でした。細かい配慮を忘れず、人に温かみを与える、とても素敵な女性です。今後のますますのご活躍を祈っております。
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