ハワイに会社を作るのは登録代行業者に任せるとして、実際、日本支店として登記するにはどうすればいいのだろうか? デジタルポイント・インコーポレイテッドの川崎裕司さんに、手順をうかがってきた。
-- ハワイに会社があっても、日本で営業活動を行う場合は日本の法務局への登記が必要になりますよね?
川崎:もちろん必要になります。
-- 日本支店の登記は難しいものなのでしょうか?
川崎:いいえ、全然難しくはありません。
-- それって、会社設立代行の仕事をしているから言えるのでは?
川崎:そんなことはありません。うちでは日本支店登記はすべてお客様に行ってもらうようにしています。日本支店の登記は、合資会社の設立よりも簡単なんですよ。
-- 合資会社よりも?
川崎:ええ。合資会社は最低資本金が1円、登録免許税が6万円です。これを司法書士に書類作成を頼もうと思いますか? 書類作成の方が高くつきますよ。
-- では、実際の登記に必要な書類は?
川崎:登記申請書・定款(英文)・付随定款(英文)・定款の日本語文・付随定款の日本語訳文・業務方法書の6つです。他に、登録免許税の印紙代が9万円、実印と印鑑証明(発行3ヶ月以内のもの)が必要になります。
-- 簡単と言ってもけっこう書類がありますね。
川崎:でも、定款、付随定款、それの日本語訳文はコーポレートキットの書類のコピーですし、業務方法書は原本の提出です。記入が必要なのは、登記申請書だけです。これも、6カ所くらい転記すればいいだけですから、簡単です。
-- 登記申請書で注意することは?
川崎:商号は、本国の会社名のカタカナ読みになります。基本的には、「○○○○株式会社」と言った登記は受け付けてもらえないと考えた方がいいかもしれません。
-- 株式会社の名前を使って登記できない?
川崎:そう考えてください。しかし、名刺や封筒、ホームページなどには、アメリカに本社がある旨を明記すれば、「株式会社」と表記しても問題ないという見解になっています。
-- 登記申請書の事業目的欄とか、難しそうですね。
川崎:ハワイに会社を作るときに、きちんとした事業目的を提出してもらいますので、これも転記だけです。事業目的も、うちのサイトから調べられます。事業を行う業種を選んで、事業目的の項目を転記してもらうだけです。
-- 類似商号とかは?
川崎:日本で営業活動する場合、ハワイ法人設立の前に法務局で事前に類似商号のチェックしておきます。
-- 日本の株式会社は取締役3人、監査役1人となっていますが、日本支店の場合、必要となる役員数は?
川崎:本国と同じですので、本国が一人ならば日本支店の場合も一人で大丈夫です。ちなみに米国の株式会社は一人で設立できます。