定年・退職のお金

おひとりさまの老後の「住まい」どうする?3つの注意点

現在、40代、50代の方で「もしかしたら、これからもこのまま1人で過ごすことになるかも?」と考える方はいるのではないでしょうか。老後の過ごし方を考えるにあたり、欠かせないのが「住まい」のことです。まずは、1人で住む際の「落とし穴」を認識して、今後の方針を決めておくのは必要でしょう。

舟本 美子

執筆者:舟本 美子

おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド

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現在、40代、50代の方で「もしかしたら、これからもこのまま1人で過ごすことになるかも?」と考える方はいるのではないでしょうか。この時点で「老後の住まい」を気にするのは少し早いように感じるものです。

しかし、仮に将来、1人で老後を過ごすことになれば「住まい」について考えておくことは大切です。まずは、1人で住む際の「落とし穴」を認識して、今後の方針を決めておくのは必要でしょう。
おひとりさま老後の「住まい」に潜む落とし穴

おひとりさま老後の「住まい」に潜む落とし穴

おひとりさまの住居パターン3つの「落とし穴」にはどんなものがある?

おひとりさま老後の住まいは次の3つのパターンがあります。それぞれの注意点について確認してみましょう。

●おひとりさまが親の家に住む際の落とし穴とは?
おひとりさまで、現状、親と同居しているという方は多いかもしれません。今は別居していたとしても、将来、親の家を相続して住むことになるかもしれません。

親が建てた家であれば、築年数が相当経過しているのではないでしょうか。マンションも老朽化します。もし、親が亡くなった後も、同じ家に住むことを考えているなら、建て替えやリフォームが必要になるでしょう。しかし、その前に今住んでいる場所が、高齢者が1人で住むのに適当かどうか検証しておく必要があります。

たとえば、一戸建ての家が高台にある場合、見晴らしはよいですが、坂を上るのが大変です。また、郊外に住んでいる場合は、車がないと買い物に行けない、病院に通院できないなどが考えられます。免許証を返納した後の生活が不便になるのではないでしょうか。さらに、住んでいる家やお庭が広すぎれば、メンテナンスや維持費がかかります。

マンションの場合であっても、維持費用として「管理費・共益費」や「修繕積立金」などがかかりますが、築年数が古くなると値上がりすることも。マンションの大規模修繕のために一時金がかかることもあります。

親の家を相続した場合、将来にわたり、どのような支出が発生するかを確認をしておいたほうがいいでしょう。

老後、1人で住むことになっても大丈夫かどうかを考えておきましょう。

●おひとりさまが自分名義の家に住む際の落とし穴とは?
おひとりさまで、自分名義の住宅を持っていたり、購入を検討していたりする場合があります。

老後も住む場所が確保できていることは安心ですが、ローンを借りて住宅を購入している場合は、定年退職時までには完済しておくようにしましょう。

また、持ち家の場合、ローンが完済すれば、その後一切お金はかからないというわけではありません。築年数が長くなれば、屋根、外壁、お風呂、トイレ、台所などの水回りなどが老朽化してくると、リフォームが必要になります。高齢になり住宅ローンを借りることになれば、返済期間が短くなるため、月々の返済で無理をすることになりかねません。住宅ローンを借りずに、リフォーム代をどうねん出するか考えておきましょう。

また、マンションを買ったという人は、「管理費・共益費」など維持費がかかります。管理費・共益費とは、マンションを管理したり、敷地内の清掃をしたりするスタッフの人件費、共有エリアの電気代などの負担金です。また、マンション全体の修繕をするための「修繕積立金」や車を持っている場合の「駐車場代」なども必要です。マンションによって設定金額はまちまちですが、トータルで月額2万~3万円、またはそれ以上のお金が必要になるかもしれません。マンションの大規模修繕のために一時金がかかることもあります。

老後も家やマンションを維持できるかどうか検証しておきましょう。

●おひとりさまが賃貸に住む際の落とし穴とは?
おひとりさまで、現在、賃貸物件に住んでいる方は最も多いかもしれません。賃貸であれば、ライフスタイルの変化にあわせて住み替えができます。しかし、継続的に家賃を支払う必要があります。高齢になり年金を中心とした生活になってからも、毎月、生活費以外に、数万円の支出があるというのは大きな負担になるでしょう。

老後になってから、家賃の負担を減らすという理由のために、自分にあまり馴染みのないエリアに住み替えするのは、引っ越しする手間、新しい環境に慣れるまでの精神的な負担を考えるとおすすめできません。

50歳ぐらいをめどに、毎月負担する家賃等が、公的年金、または準備できている老後資金で、負担しきれる物件であるか確認しておいた方がよいでしょう。その際、家賃・管理費・共益費をあわせた住居費は、老後の収入の見込み額の手取りの20~30%が目安となります。

どの場合でも、お金に関する落とし穴がある!

老後の住まいを考えるとき、いずれの場合もお金に関する落とし穴があります。特におひとりさまの場合は、1人だけで生活を支える必要があり、その際、住まいに関わるお金は、家賃、リフォーム代、管理費・共益費などいずれの場合も、大きな負担となるでしょう。

さらに、どの場合も共通して、周囲に親しい人がいるかどうかも大切なポイントです。高齢になれば、日常生活において、誰かのサポートを必要となるでしょう。その際、友人、知人、親戚縁者がいれば安心です。お金に関する落とし穴を考えつつ、人間関係も想像しながら、老後の住まいについて考えるようにしましょう。
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