その1:自動車関連の費用
自動車を持っていると、ローンの返済のほか、駐車場代、自動車保険料、自動車税、車検代、メンテナンス費用、ガソリン代といった維持費もかかります。使用頻度が少ないにもかかわらず、複数台所有していているのであれば、無駄なコストが発生し続けることになります。まずは、1台に絞るようにしましょう。その際、低燃費のコンパクトカー、もしくは軽四などのランニングコストが抑えられる車を残すようにしましょう。
その2:医療費
年齢を重ねると、肩・腰・膝の不調で整形外科や接骨院に通ったり、高血圧や糖尿病などの生活習慣病での通院・入院が増えたりと、どうしても医療費の負担は大きくなりがちです。厚生労働省の2021(令和3)年度「生涯医療費」によると、一人あたりの生涯にかかる医療費は約2800万円。そのうち70歳以降にかかる医療費は、全体の約半分にあたる1378万円となっています。
ただし、この医療費には公的医療保険からの給付分も含まれています。実際に窓口で自己負担する金額は、年齢や所得によって異なりますが、通常は全体の1~3割。つまり、70歳以降に実際に支払う自己負担分は、おおよそ137万円~417万円程度と考えられます。
こう聞くと、「高齢になれば医療費は仕方がないもの」と感じるかもしれません。ですが、できるだけ医療費を抑える努力も大切です。たとえば、自治体の健康診断を活用して自分の健康状態を定期的に確認したり、無理のない範囲で日々の運動を続けたりすることも有効です。ウォーキングやストレッチなどで、心肺機能や筋力、関節の柔軟性を保つことが、将来の支出抑制にもつながります。定年後の生活を元気に、そして安心して過ごすためにも、日々の健康管理が“家計の節約”につながる第一歩です。
その3:衝動買いによる浪費
どんな人でも「欲しい」だけで衝動買いをしてしまう経験はあるはずです。それなりの収入がある現役時代は、衝動買いによる浪費をしても毎月の収入の中でのやり繰りが可能です。しかし、定年後は、そうはいかないかもしれません。年金収入が少なければ、貯蓄を切り崩して補てんすることになってしまいます。少しの補てんでも、続けていれば貯蓄がみるみる減っていき貧乏が加速します。衝動買いしないように、「あらかじめおこづかいを用意して、予算の範囲内で買う」「欲しいと思ってもすぐ購入せず、必ず時間を置く」などルールを決めましょう。