実際、現役時代に仕事中心に時間を使ってきた方であれば、忙しくて趣味をする時間がなかったかもしれません。また、お金がかかる外出は「たまに」で十分ということであれば、老後は家の中で過ごすことが多くなってしまうでしょう。
シルバー人材センターの【請負・委任業務】にはどんな仕事があるか聞いてみました
そんな方が「少しでも収入を得たい」「体を動かして健康を維持したい」「地域の方々に喜ばれたい」などを望むなら、地域で見かける「シルバー人材センター」への会員登録を検討してみてはどうでしょう。今回は、シルバー人材センターのメインである【請負・委任業務】にはどんな仕事があるのか、公益社団法人富山市シルバー人材センターの松田事務局次長に教えていただきました。
シルバー人材センターで紹介される仕事は?
――シルバー人材センターではどんな仕事を紹介しているのか、ざっくり概要を教えてください。松田事務局次長:シルバー人材センターでは、メインとなる「請負・委任業務」以外に「シルバー派遣」「独自事業」の3つのタイプの仕事を紹介しています。
メインの「請負・委任業務」は、シルバー人材センターが、官公庁、企業、個人から業務の発注を受け、シルバー会員に業務遂行の依頼をします。依頼を受けたシルバー会員は、自らの裁量で業務を行っていただきます。シルバー人材センターでの業務の約8割は「請負・委任業務」となっています。
「シルバー派遣」は、シルバー人材センターと派遣契約を結んだ企業や官公庁からセンターに業務の発注があります。シルバー会員とセンターは雇用契約を結び、派遣社員として、派遣先企業の指揮命令下で就業します。
「独自事業」は、会員の就業機会を確保するため、シルバー人材センター自らが実施する事業として行います。その際、会員の特技や資格を活かしたサービスなどの企画を立ち上げています。富山市シルバー人材センターでは、「土壌改良材の製造販売」や「着物等のリメイク・販売」や「カルチャー教室の運営」。さらに最近は会員の方々が作った「野菜や果物の販売」なども行っています。
シルバー人材センターの「請負・委任業務」の仕事内容はどんなものがあるの? いくらもらえるの?
――「請負・委任業務」は、1カ月どのくらいの報酬がもらえる目安ですか?松田事務局次長:「請負・委任業務」は、1カ月あたり10日程度就業します。仕事の内容は、一週間あたり20時間を超えないぐらいの臨時的かつ短期的な業務です。職種により個々の料金が設定されていますが、仕事で得られる報酬は1カ月あたり4万~5万円ほどが目安です。
しかし、仕事量は景気や雇用情勢、季節に左右されます。必ずしも、安定した報酬を希望の仕事で得られるわけではありません。もし、入会しても、タイミングが悪く、希望の仕事がない場合は、仕事の幅を広げるという意味で、無料で行う実務講習に参加していただくことも可能です。シルバー人材センターでは、就業相談会を実施するなど、仕事につながるアドバイスを適宜行い、シニアの就業を支援しています。
なお、センターからの収入は雑所得として扱い、所得によっては、確定申告が必要になります。 ――「請負・委任業務」は、どんな仕事がありますか?
松田事務局次長:いろんな仕事がありますが、剪定、樹木消毒、除雪作業、屋内清掃、障子・襖張り替え、着物の着付けなどがあります。就業時間は1回あたり2~7時間ぐらいで、職種によって異なります。
仕事をする場合は、原則、事前にシルバー人材センターの職員と一緒に仕事場を見学して、仕事を請負ってもらえるかどうかご判断していただきます。人気がある仕事は「事務職」ですが、割合的に少なめです。
富山シルバー人材センターの「お仕事情報」は公式サイトのお知らせ欄で確認できます。
他の地域の方は、お住まいの地域にあるシルバー人材センターの公式サイトでご確認お願いいたします。