3位:『アナログ』
ビートたけし原作の同名小説をタカハタ秀太監督が、二宮和也を主演に迎えて描いた純愛ストーリー。デザイナーの悟(二宮和也)と携帯を持たないみゆき(波瑠)とのアナログな恋。悟の日常が明るく軽やかに変わっていく様がとてもいい。ニノの演技が心地良いし、波瑠の清らかさ、品の良さも役にハマっていました。
後半は怒涛の衝撃的な展開が続きますが、ずっと爽やかな雰囲気を貫けたのはニノと波瑠の好演があってこそ。映像も美しく、演出もお芝居も隅々まで丁寧に作られたチャーミングな作品です。
2位:『怪物』
是枝裕和監督と脚本家・坂元裕二がタッグを組んだ作品。小学生の男子2人の喧嘩を発端に、周囲の大人たちの証言が食い違っていく。ひとつの事象をさまざまな角度から描き、真実を浮き上がらせていく物語。絡み合った謎が最後に紐解かれていく様が見事。シングルマザー(安藤サクラ)、担任教師(永山瑛太)、校長先生(田中裕子)、少年たち(黒川想矢、柊木陽太)など、俳優たちも素晴らしい。イジメ、毒親、差別、誤解などさまざまな負の要素がありながら、子どもたちの心の芯を描き、その世界は純粋でみずみずしいのです。
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