「合格可能性50%」の学校に希望は持てますか?
「明日の雨の降る確率は80%」と聞けば、「傘を持って出かけようかな」と思いますよね。しかし「降水確率50%」と聞くと、正直なところ「どっちだろう」と感じる方もいるのではないでしょうか。合格判定模試における「合格可能性」に対しても、同様の印象を持たれる方は多いと思います。
合格判定模試の「合格可能性」とは?
そもそもこの「合格可能性」というのは、どのように決まるのか。これは、前年同時期の同一模試における、各偏差値帯の合格率をもとに算出されます。非常に単純化していうと、A中学のある模試で偏差値60をとったときの「合格可能性80%」というのは、前年同時期の模試で偏差値60を取った生徒の80%がA中学に合格していましたよ、ということを表しているわけです。もちろん今年度の志望動向なども反映されますが、単純化するとそういうことなのです。
ということはどういうことなのか。「合格可能性50%」ということは、同じような成績を取っていた先輩たちの「半分は受かっている!」というわけです。こう聞くとなんだか希望が持てますよね。
一方で「合格可能性80%」であっても、同じような成績を取っていた先輩たちの20%は不合格になっている、ということになります。決して安心できる状況にはないとうことです。
「合格可能性30%」と「30%未満」の違いは
では、「合格可能性30%」と「合格可能性30%未満」(模試によっては「合格可能性20%」)には、どんな違いがあるのでしょう。実はそこには大きな開きがあります。「合格可能性30%」ならば、30%の先輩たちは合格できたということになります。一方で「30%未満」(あるいは「20%」)の場合、その先輩たちのなかには、残念ながらほぼ受かっていない層もあるのです。
しかしながら、「合格可能性5%」などという現実の判定を出してしまえば、受験生や保護者の皆さんがショックを受けてしまうため、表現を柔らかくしてまとめて「30%未満」(あるいは「20%」)と表記しているわけです。
志望校、併願校を再検討すべきなのはどんなとき?
結論といたしましては、「合格率50%」ならばあきらめる必要はありませんし、「合格率30%」であっても過去問の出来さえよければ充分合格を目指せますよ、というわけです。でも「合格率30%未満」(あるいは「20%」)が出てしまっている場合には、志望校を変更したり、併願パターンを考え直したりした方がよいと思います。少なくとも2月1日の午前か午後の入試に、「合格可能性50%以上」の学校を入れるようにしましょう。
なお、模試の偏差値や志望校の判定結果は、試験を受験する母集団によって差異が出ますし、試験問題との相性で決まる部分も多々あります。模試の結果はあくまでも「弱点や補強すべき単元をあぶりだすもの」ととらえて、結果に一喜一憂しない方がよいでしょう。