ジュニアNISAとは?
ジュニアNISAとは、現行のNISA制度(少額投資非課税制度)の中の1つです。NISA制度とは、通常であれば株や投資信託などの投資から得られる利益にかかる約20%の税金が一定期間は非課税、つまり税金がかからなくなる制度のことで、成年を対象にした「一般NISA」「つみたてNISA」、未成年者を対象にした「ジュニアNISA」の3種類があります。ジュニアNISAが利用できるのは、2023年1月1日時点で日本国内に住む17歳以下の未成年者であり、銀行や証券会社などの金融機関にジュニアNISA口座を開設する必要があります。
ジュニアNISAは未成年者を対象とした少額投資非課税制度です
また投資により得られる値上がり益、配当金、分配金などが5年間非課税であり、5年経過後は次の年の投資枠を使い保有することで非課税の恩恵を受け続けることができるなど、効率よく将来の資産形成が期待できます。一方、18歳になるまで原則払い出すことができないなどのデメリットもあり、いつでも払い出すことのできる「一般NISA」や「つみたてNISA」に比べ、使い勝手のよい制度とは言えませんでした。
ジュニアNISAは2024年以降廃止になります
現行のNISA制度は2024年より新NISA制度となり、年間の投資上限枠の拡大、非課税期間が無期限となるなど制度自体が大幅に改善します。しかしながら同時にジュニアNISAは廃止となり、2024年以降は新たな口座開設や、既存の口座内での新たな投資ができなくなります。つまりジュニアNISAを利用するのであれば2023年中に口座開設をし、年間80万円の投資枠内で投資をしておく必要があるわけです。
2023年中にジュニアNISA口座を開設するメリットは?
2023年でジュニアNISAは廃止となり、口座内での新たな投資ができなくなるのに、2023年中に口座開設をしておくメリットはあるのでしょうか。実はジュニアNISA口座を開設している場合、2024年以降の口座の取り扱いについては以下のことが決まっています。・これまで18歳まで原則払い出せなかったが、2024年以降はいつでも払い出し可能になる
・非課税期間(5年)の終了した金融商品は継続管理勘定(*1)にて18歳まで非課税保有可能
*1:継続管理勘定とは、既存の金融商品を保有するためだけの勘定のこと つまり2023年中にジュニアNISA口座を開設し、金融商品に投資しておけば、18歳になるまで非課税の恩恵を受けられる上に、これまでデメリットとされていた「18歳まで原則払い出せない」旨の要件が緩和されるため、小・中学校の入学時、卒業時などお金が必要となるタイミングに合わせて払い出すことも可能になったわけです。
ジュニアNISA口座開設の場合の注意点は?
2023年中にジュニアNISA口座を開設する際の注意点としては、口座開設には一定の時間がかかるため、多くの金融機関では口座開設の申し込み期限を2023年9月末に設定しています。そのため口座開設を考えている金融機関の申し込み期限はいつなのかを必ず確認してください。2024年以降の注意点ですが、18歳を待たずにいつでも払い出し可能とはなりましたが、払い出しの際には口座で保有している金融商品を全て払い出す必要があります。また、払い出した後は口座自体が廃止される点にもご注意ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は2023年で制度廃止となるジュニアNISAについて、年内中に口座開設をしておくメリットについて解説してみました。これまでジュニアNISAのネックであった「18歳まで原則払い出せない」要件が緩和され、いつでも払い出し可能となったことは非常に大きなメリットですので、現在未成年のお子様がおられる方は、将来に備え2023年中の口座開設を検討してみてはいかがでしょうか。
〈参考〉
・金融庁
・日本証券業協会