道後温泉や松山市内から足を延ばして訪れてみませんか? 松山駅から観光列車「伊予灘ものがたり」で訪れる大洲の旅を紹介します。
観光列車「伊予灘ものがたり」で出発
移動も旅の一部として楽しむのが今流の旅スタイルです。松山駅から大洲駅までは、2022年4月に新車両がデビューした観光列車「伊予灘ものがたり」で向かいましょう。 伊予灘ものがたりのコンセプトは「レトロモダンな車内で大切な人とすごす非日常空間」。テーマ曲と共に伊予灘ものがたりが松山駅へ入線すると、アテンダントの出迎えで車内へ。列車とは思えないデザイン性あふれる大きな窓からは、刻一刻と変わりゆく伊予灘の絶景を眺める贅沢なひとときを味わえます。 通常、特急で向かうと松山駅から伊予大洲駅まではおよそ35分ですが、伊予灘ものがたりは海沿いの路線をのんびりと約2時間かけて向かいます。観光列車というと運賃が高いイメージがありますが、伊予灘ものがたりはかなりお手頃。松山駅から伊予大洲駅までは特急利用で2280円(乗車券+特急料金:通常期)。グリーン料金が必要ですが、それも1500円。合計3780円(通常期)で、おもてなしあふれる列車旅が満喫できます。 景色のいい場所では徐行運転し、珍しい駅では下車する時間もあります。車内では記念撮影をサポートしてくれるサービスも。窓の外に目をやれば、沿線の住民の方が手を振って出迎えてくれます。 伊予灘の青い海や夕焼けをイメージしたオリジナルカクテルなど飲み物や軽食の販売もあります。 予約制ですが、地元レストランが手がける料理(要予約・別料金)もおすすめ。モーニング、昼食、デザートと、運行時間により提供されます。 人気の列車なので手配はお早めに。乗車日が近づくとキャンセルが出ることも多いので、満席だったとしても、あきらめずにチェックしてみてくださいね!
伊予灘ものがたりの車窓から大洲城を望む。左下よく見ると、旗を振ってお迎えをしてくれています!
JR四国「伊予灘ものがたり」
伊予の小京都「大洲」でのんびり風情ある旅を
伊予の小京都と呼ばれるだけあって、大洲の町に降り立つと、風情ある町並みにテンションが上がります。江戸時代の家並みが忠実に残された「おはなはん通り」、明治大正時代のなまこ壁の土蔵が残る古い町並みなど、さまざまな時代の様子を想像しながら散策しましょう。 古民家を改装したカフェや土産物店などセンスの良いお店も多く、これらをめぐるのも楽しいひと時です(※週末だけオープンのお店もあるので注意)。 町の中央には清流「肱川」が流れ、 山々の緑が映りこむ様子は、京都でいえば嵐山の雰囲気。日中や早朝に散歩がてら訪れるもよし、ひじかわ遊覧でのんびりと川の上からの眺めを楽しむのも、気持ちがよくおすすめです。夏場は夜に鵜飼いが楽しめます。 そして大洲を訪れたら、絶対に訪れたいのが臥龍山荘(がりゅうさんそう)。歴代藩主の遊勝地だった場所に、明治の貿易商が財を投じて築いた建築は“見事”の一言。 京都からも職人が多く集められたといい、技を競うかのように、遊び心あふれる趣向が細部に施されているのもユニーク。建築が好きな方はガイドをお願いするといいですよ。大洲市観光協会
臥龍山荘
宿泊は「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」へ
大洲城の城下町をひとつのホテルと見立てたホテル「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」は、町中に客室棟が点在し、それぞれがユニークなつくりで街に溶け込んでいます。 歴史ある建物の良さや風情はそのままに、水回りなどをリノベーションした客室は快適で、歴史を感じながらリラックスできる極上空間です。 客室のカテゴリーは5つですが、それぞれがもとにあった建物を生かしたつくりになっているので、同じ部屋はひとつとしてありません。 例えば、今回宿泊した客室は蔵を改装しており、重厚な扉の向こうにはガラス張りのバスルーム(トイレも)が現れて、ちょっとびっくり! でもこれは、配管を床下に設置する都合と、壁にくっつけて水回りを配置すると建物が傷んでしまうという理由から。中央に配置するのに圧迫感がないようにと、こういったデザインになったのだとか。それぞれの建物を生かしつつ、できるだけ残すように再生をするのは、新築するよりもコストも時間も要するといいます。歴史・町並みを守りながら新たな街づくりを進める持続可能な姿勢も素敵ですね。 客室はメゾネットになっており、2階は天井が高い広々とした空間にリビング&寝室が配されています。 あまりの心地よさに、ずっと客室にこもりたくなるほど。蔵ということで窓は小さめですが、間接照明がうまく配され、雰囲気のある空間になっています。
宿泊したらぜひ訪れたいのがラウンジ。別棟になり客室によっては少し歩きますが、絶対にここは行っておくべきです。 宿泊者向けのラウンジでは、滞在中ドリンクが無料でいただけます。冷蔵庫にはシャンパンやワインボトルが並び、日本酒、ウイスキーなどアルコール類のラインナップには希少な銘柄も。ソフトドリンクも地元ならではのものが用意されていて、かなりのクオリティ。ぜひラウンジも忘れずに訪れてみてください。 夕食は宿のレストランを利用するのもいいですが、大洲の町の中には魅力的な店舗も多いので外食もおすすめです。 朝食は宿のレストランのほか、貿易商の別荘だったという大正時代の建物「盤泉荘」やひじかわ遊覧船に乗りながらいただくプランもあります。 いかがでしたか? ゆっくりとした時の流れを感じ「日本って素晴らしいなあ」とあらためて魅力を再発見できる大洲の町。混雑してきた観光地を離れ、のんびり過ごしたい方におすすめです。
NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町
追伸:NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町のすぐわきには大洲神社があり、朝は高台からの町並みや雲がたなびく様子も素敵。朝食前、あるいは食後のお散歩におすすめですよ。