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所得税や消費税、法人税や相続税、贈与税などの税金がスマホアプリで支払えるように
2022年12月から所得税や消費税、法人税や相続税、贈与税などの税金(税務署が対応する国税)について「○○Pay」といわれるスマホアプリで納税ができるようになっています。ここでは税金をスマホアプリで支払うときの具体的な方法や注意点をみていきましょう。実際の税金の納付手続きや専用サイトへのアクセス方法、税金をいくらまで納付できるのかという納付限度額や決済手数料についても解説します。
まず対応しているスマホアプリは以下のとおりで「PayPay」「d払い」「au PAY」「LINE Pay」「メルペイ」「Amazon pay」です。
税金の納付手続について
まず、税金を納付する前の事前準備として、確定申告書の控えといった納付する税目や金額の分かるものが必要になります。また、税金をスマホアプリで支払うのですから、上記のスマホアプリがインストールされたスマホが必要であることは言うまでもありません。その後、基本的には以下の図表の手順にしたがって納付すればOKなのですが、やや面倒なのが専用サイトへのアクセス方法で3通りの方法があります。次に紹介します。
専用サイトへのアクセス方法3つ
【1】e-Taxの受信通知からアクセスする方法e-Taxを利用して送信した後に、メッセージボックスに格納される受信通知(納付区分番号通知)からアクセスする方法です。スマホからアクセスする場合はメッセージをタップし、そこからスクロールすれば、スマホアプリ納付の画面が表示されるので、画面にしたがって必要事項を入力していくことになります。
【2】確定申告書等作成コーナーで出力される二次元コードからアクセスする方法
国税庁の確定申告書等作成コーナーで申告書を書面で作成した場合、申告書等とともに出力されるQRコードがありますので、そのコードを読み取ることで専用サイトにアクセスできます。
【3】国税庁ホームページから直接アクセスする方法
国税庁ホームページに表示されている「国税スマートフォン決済専用サイト」へのリンクから、直接アクセスする方法です。この方法だと「e-Taxを利用しての送信」あるいは「確定申告書等作成コーナーで申告書を作成」といった前提条件がなく、スマホアプリ単独でも利用できるので、一番汎用性が高いと考えられます。
スマホアプリによる税金の納付限度額は30万円以下
なお、この制度は2022年12月から運用が開始された制度なので、まだまだこれから利便性が向上していくものと期待されていますが、現時点で一番注意しなくてはいけない点が、納付限度額が30万円以下に限られる、ということです。一方、クレジットカード利用による税金納付は1度の手続きにつき、原則、1000万円未満まで可能なので納税額によってはクレジットカード納付ほかその他の納付方法を検討する、ということになるでしょう。
スマホアプリによる税金納付の決済手数料やポイント付与、利用時間や領収書について
スマホアプリ納付の利用に当たっては、決済手数料はかかりません。この点はクレジットカードによる税金納付については決済手数料がかかることと比較すると、有利な点かもしれません。一方、ポイント付与については利用されるPay払いによって取扱いが異なるので、利用されるPay払いの決済サービス運営会社へ個別に問い合わせる旨が国税庁の「スマホアプリ納付のQ&A」に記載がされています。
なお、この決済方法は夜間休日を問わず、24時間いつでも利用が可能です。
また、領収書は発行されませんが、「国税スマートフォン決済専用サイト」において、メールアドレスの入力を行っていると、納付手続が完了した際に、その納付手続内容が記載されたメールが届きますので、そちらで納付内容の確認をとることもできます。
これにより、従来よりあった金融機関の窓口での納付手続きのほか、振替納税の利用、e-Taxからのダイレクト納付、クレジットカードによる納付、QRコードにおけるコンビニ納付に加え、スマホアプリによる納付によって、納税手続きの手段が増えた、といえるのではないででしょうか。