東京の寺と神社めぐりは、案外面白い

京都や奈良にはよく行くけれど、東京の寺や神社には興味がない。そういう人は多いと思います。が、東京はかつて江戸という世界でも有数の文化都市であり、庶民階級の人たちも神社仏閣詣でが大好きでした。信仰のためだけでなく、レジャーの場として、神社仏閣はいつもにぎわっており、その名残は、今の東京でも十分に感じられます。

しかし京都や奈良と違って、東京は関東大震災や大空襲などの被害を受けており、昔の建物があまり残っていません。したがって、より楽しく東京の神社仏閣めぐりをするためには、事前に少し歴史の勉強をして出かけることと、想像力を働かせて、かつて江戸だったころのその場所の風景を思い浮かべながら見るのがコツです。

この記事では、江戸を感じながら楽しく散歩する際のお勧めのスポットをご紹介いたします。

お江戸の三大寺を訪ねる

東京の寺歩き初心者の方にお勧めしたいのは、まず、以下の三つのスポットです。

■浅草寺とその周辺(浅草)
浅草寺は夜に行ってもなかなか美しい
浅草寺は江戸時代よりはるか以前の、推古天皇の御世から存在したという観音様の聖地です。江戸時代には、周辺にお店や見世物小屋、花街などもでき、お参りだけでない総合的なレジャーセンターとして大人気でした。その雰囲気は今も十分残っています。また、二天門などの古い建物も境内にいくつか現存しているので、ゆっくり歩いて探索してみてください。
浅草寺のホームページ

■増上寺とその周辺(芝)
増上寺は背後にそびえる東京タワーも見所です
徳川家は浄土宗の信徒です。お江戸における浄土宗の中心である増上寺は徳川家の菩提寺として大切にされ、多くの将軍の墓もこちらにあります。戦前には華麗な建物が並んでいましたが、大半が空襲で焼けてしまいました。もしもそのままであったら、日光東照宮と同じレベルで、世界遺産になっていてもおかしくなかったそうです。燃えなかった三門は、東京都内最古級の建物です。
増上寺のホームページ

■寛永寺と上野公園(上野)
寛永寺は銀杏の紅葉が美しい
江戸時代初期に徳川家に重用された謎の僧侶、天海僧正(てんかいそうじょう)は、風水によって江戸の町をデザインしました。その際、上野の山を京都の比叡山に見立て、寛永寺という寺を建てました。こちらも徳川家に大切にされ、いくつかの将軍のお墓はこちらにあります。上野公園は、その寛永寺の敷地で、現在も、清水観音堂、上野東照宮などの建物や、顔だけになってしまった上野大仏などが残っています。清水観音堂は京都の清水寺を模した建物、上野東照宮は日光の東照宮と同じような形をしており、これも本物の東照宮です。
寛永寺の名残、清水観音堂