そのタブレットは、動画配信サービスを存分に楽しめるものですか?
最近はテレビの代わりに、タブレットで動画配信サービスを楽しんでいる人も多いはずです。しかし機種によっては、長時間の動画視聴に向かないタブレットもあります。ポイントを押さえてタブレットや周辺機器をそろえれば、より楽しい動画ライフが楽しめます。今回は、動画配信サービスを存分に楽しむためのタブレット選びのポイントをご紹介します。
選ぶべきディスプレイ解像度とアスペクト比
まずディスプレイは、10インチ以上を選びましょう。理由は、解像度がフルHD(1920×1080)以上のものが多いからです。なぜフルHDかといえば、多くのコンテンツがフルHDで制作されており、その解像度のディスプレイであれば劣化なしの画質で表示できるからです。コンテンツは、画面比率(アスペクト比)がワイド(16:9)を前提として制作されています。タブレットを選ぶ際には、ディスプレイのアスペクト比も気にすることが大切です。
・iPadの場合
iPadは初代からスタンダード(4:3)のアスペクト比を採用しています。これで16:9のコンテンツを表示すると上下に黒帯が表示されます。悪いわけではありませんが、ディスプレイ全体にコンテンツが表示されないので迫力には欠けます。映画は、シネスコ(2.35:1)と呼ばれるアスペクト比で帯がさらに太くなるのでなおのことです。
iPadでは上下に太い黒帯が表示される
・Androidタブレットの場合
Androidタブレットは、16:10のアスペクト比の端末がおすすめです。これでも上下に黒い帯が表示されますが、4:3と比べると細いのでコンテンツがディスプレイに大きく表示されます。
16:10のアスペクト比のAndroidタブレットは上下の黒帯が細くなる
液晶かそれとも有機ELか?
2023年現在発売されているタブレットのディスプレイは、多くがIPS液晶を採用しています。視野角が広いので、ディスプレイをどの位置から見ても色の変化が少ないのが特徴です。ただし、バックライトの遮光性が低く全体が白っぽく見えてしまい、映画などの鑑賞には向かないといわれています。IPS液晶。こんな角度でも映像が確認できる
搭載スピーカー数もチェック!
搭載スピーカーがデュアルなのかシングルなのかも確認すべき点です。シングルはモノラル再生で、デュアルはステレオ再生です。当然ですが、ステレオの方が音の広がりが良いのでこちらを選んでください。見逃しがちなタブレットのスピーカー。動画を楽しむためには重要
空間オーディオ対応のイヤホンを選ぶ
イヤホンを使用して動画を楽しむこともあると思います。動画配信サービスを存分楽しむためには、空間オーディオに対応したものを選んでください。空間オーディオは、3次元音響や3Dオーディオとも呼ばれる音響技術で3次元的な音の方向や距離、広がりを持って再生します。対応コンテンツは、自分を中心にして全方位から音が聞こえるので、映画でいえば舞台の中心にいる感覚でコンテンツが楽しめます。これに慣れると、空間オーディオ非対応のイヤホンは使いたくなくなるほどです。
Wi-Fiの規格をチェックする
使用するWi-Fiが、Wi-Fi6に対応しているのかも重要な確認のポイントです。Wi-Fi6は、前規格のWi-Fi5と比較すると約1.4倍ほど高速通信を実現しています。同時接続する台数が増えても、安定した通信速度が保てる点もメリットです。使っているタブレットがWi-Fi6に対応しており、無線LANルーターが対応していないのであれば買い替えの検討をおすすめします。Wi-Fi6対応の無線LANルーターは、1万円代から購入できます。
動画配信サービスのプランの選び方
動画配信サービスのプランについても触れておきます。例えば「Netflix」であれば、広告付きのベーシック(月額790円)、ベーシック(月額990円)、スタンダード(月額1490円)、プレミアム(月額1980円)の4種類のプランがあります。
フルHD画質の動画を楽しむにはスタンダードの加入が必須ですが、筆者はこれをおすすめします。画質がコンテンツの面白さを左右することはありませんが、きれいな画質で楽しめるのであれば、これに越したことはありません。
さらにこの上のプレミアムでは、4KとHDR(High Dynamic Range)の画質でコンテンツが楽しめます。今のところ4Kコンテンツをネイティブ解像度で観られるタブレットは存在しませんが、HDRのコンテンツは再生できます。
例えばiPad Proは、HDR動画が再生できます。HDRに対応したコンテンツは、明るくより自然でリアルな映像です。月額500円の差をどう捉えるかですが、タブレットだけでなくリビングのテレビもHDRに対応しているのであれば、筆者はプレミアムプランを選んでもいいと考えます。
まとめ
こだわり出せばキリがなく、すべてを満たすと高額出費にもなるタブレット。ご自身にとってのこだわりポイントを絞り、タブレットを選ぶのも1つの方法です。【おすすめ記事】
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