定年・退職のお金

人生100年時代を豊かに!定年前から備えたい5つのコトとは?

人生100年時代といわれています。長生きには良いこと、悪いことの両面があり、楽しく生きるには両方のバランスが必要です。長い老後を、お金に困らないためにはどんな備えが必要でしょうか。今回は、5つ紹介します。

舟本 美子

執筆者:舟本 美子

おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド

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人生100年時代といわれていますがとらえ方は人によってさまざま。「まだまだいろんなことを、見たり、聞いたり、体験したりできる!」と楽観的な方もいれば、「長生きすると家族やまわりの人に迷惑をかけるのではないか」「健康が心配」「お金が足りるのか不安」など悲観的な方もいます。

長生きには良いこと、悪いことの両面があります。長い人生を楽しく生きるには、両方のバランスがとれるよう、事前から準備が必要です。今回は、長い老後、お金に困らないための備えを紹介します。
人生100年をお金に困らず過ごすには?

人生100年をお金に困らず過ごすには?

人生100年時代、お金に困らない老後を送るための5つの備え

人生100年時代を自分らしく乗り切るための5つの備えは次のとおりです。

●人生100年時代を乗り切る備え1:家計のスリム化を徹底する
老後は、年金をベースに貯蓄を取り崩しながら生活する方が多いです。その場合の使えるお金は、現役時代の6~7割ほどが目安といえます。

現役時代の金銭感覚のまま、年金生活に入ると、毎月赤字になり、貯金からの持ち出しが多くなります。そうならないためにも、現役時代から家計をスリム化しておきましょう。

特にスリム化したいのは通信費、保険料、住宅費、水道光熱費、駐車場代、サブスク料金などのような固定費です。

固定費を変更する際、手続きが必要になるという場合が多く、見直しは面倒と思うかもしれません。しかし固定費は、一度見直すことで、節約の効果が継続します。年に1回は、現状把握を兼ね、毎月の固定費をチェックしましょう。

●人生100年時代を乗り切る備え2:特別支出カレンダーを作成する
現役時代から考えておきたいこととは、老後の「特別支出」にどう対応するかについてです。支出には、毎月発生するものもありますが、突発的に発生する大きな支出もあり、これを「特別支出」といいます。例えば、家電の買換え、自動車保険や車検代、ペットの病院代、家の修繕代、慶弔費などで、数万円以上と大きな金額になりがちです。

老後は限られた年金収入でやりくりすることが多いため、特別支出が発生し毎月のやりくりの中から支払うと、生活費が足りなくなってしまいます。まずは現役時代から特別支出への対応をきちんと身に着けておきます。

特別支出への対応とは、今後どんな支出が発生しそうか予測しておくことです。家電は数年に一回買い替えている、ペットが10歳以降は、病院代がかかりそう、など思いついた支出を書き出してみましょう。できるだけ、どの時期にどの支出が必要になりそうなお金をざっくり試算しておきます。

特別支出の目安を計算できたら、毎月の貯蓄から一定額を特別支出用に貯めていきます。特別支出については他の貯蓄と一緒にせず、とり分けて管理しておくと安心です。

●人生100年時代を乗り切る備え3:健康に過ごすため良質な睡眠をとる
老後になると多く必要になるのは病気の治療費や薬代です。高齢になったら仕方がないと諦めず、まずは現役時代から健康であることを目指しましょう。

健康を心がけた生活を送ることが大事です。適度な運動、栄養の高い食事はかかせません。さらに、しっかり身体を休める良質な睡眠をとることが大事です。早寝早起きの習慣を作れば光熱費の削減にもつながるのです。

●人生100年時代を乗り切る備え4:孤独から抜け出す
年齢を重ねるにつれて、身近なところで別れを経験することも増えます。家族、友人、知人などが減り、孤独を感じることでしょう。

現役時代からお付き合いを限定的にせず、広く浅く、多世代の人々とのつながりを確保しましょう。そのためには、地域ボランティアに参加したり、趣味を充実させたりしてみましょう。共通した話題がモトでの交流が生まれます。

「年を取ると知った人がいない、頼る人がいない……」と思えば孤独に陥りますが、いくつになっても「自分のできることをアピールして、人の役に立ちたい!」「自分の楽しみを発信したい」という気持ちを持って行動すれば、その人柄に魅力を感じ、多くの人たちが引き寄せられるでしょう。

●人生100年時代を乗り切るお金の備え5:老後のお金対策をしっかりやっておく
老後資金が思うように貯まっていないため、長生きに不安を感じる方が多くいます。「お金がこれだけしかないから、老後が不安でしょうがない」と思っても、現状は変わりません。現状の不安をそのままにするのではなく、解決できる方向性を探しましょう。老後のお金対策としては、次の3つがありますので、ぜひ現役時代から知っておきましょう。

◎老後のお金対策:当面の生活費に困っていないのであれば、年金の繰下げ受給を検討する
老後働き続けて生活費に困らない人であれば、公的年金の繰下げ受給で、年金を増額することを検討しましょう。

公的年金は、原則65歳から支給が開始されますが、繰下げ受給で支給開始のタイミングを遅らせると、1カ月あたり0.7%が増額となります。最長75歳まで年金を繰下げした場合「0.7%×120カ月=84%」も増額します。

とはいえ、老齢基礎年金・老齢厚生年金を繰下げすると、その間の年金はもらえません。中には「そんなの難しい…」という方もいるかもしれません。その場合は、どちらか一方だけ繰下げすることも可能です。無理のない範囲で検討しましょう。

◎老後のお金対策:長期投資を続ける
現役時代に投資をしてきた人は、65歳より年金をもらいながら、それまでに貯めた資産を少しずつ取り崩す生活が始まるかもしれません。しかし、老後を迎えても運用を止めてしまわないようにしましょう。

例えば、老後の資金に1000万円を毎月5万円ずつを取り崩した場合、どのくらいの期間、対応できるのか、運用利回り別に見てみましょう。

《資産1000万円を65歳から毎月5万円ずつ取り崩した場合の資産寿命》
・運用しない(0%)の場合:16年8か月→約82歳まで維持できる
・運用利回り年率2%の場合:20年4か月→約85歳まで維持できる
・運用利回り年率4%の場合:27年7か月→約93歳まで維持できる

投資には目減りするリスクもあり、実際のリターンがどの程度になるかは相場環境によって変わります。しかし、「人生100年時代」にお金の心配を減らすには、高齢になってもムリのない長期投資を心掛けることが大切です。

◎老後のお金対策:働き続ける
今忙しく働いている人は、老後を仕事を辞めてゆっくり過ごしたいと思っている方も多いことでしょう。ところが、趣味や外出をするだけでは、老後の有り余る時間を持て余す場合もあります。

暇な時間、手持ち無沙汰で過ごしていると、金銭的な不安など、ネガティブなことをばかり考えてしまうケースもあります。その不安を解消するためにも、老後も働くことをおすすめします。現役時代のうちから、老後働くのであれば、どんな仕事をするのかを考えておきましょう。

週5日フルタイムはキツイですが、「週に4日働き、1日は趣味に使う」「週3回働き、趣味と地域ボランティアを1日ずつ入れる」など、ムリのない範囲の仕事をできる限り続けていけば、老後の金銭的な不安がやわらぎます。

まとめ

人生100年時代を生きるには、収支計画を立てること、健康を維持すること、周囲との交流を図ることが大事です。早いうちから老後を意識して準備するようにしましょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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