運動と健康

ヒールで足が痛い・むくむ…帰宅後の効果的なフットケア

【アスレティックトレーナーが解説】ヒールを履いての立ち仕事や接客業に携わる人は、足の痛みやむくみなどに悩まされがち。ヒールが苦手な人や、ヒールが原因の足のトラブルに悩む人におすすめの、ヒールの選び方と、帰宅後に手軽にできる3つのフットケア法をご紹介します。

西村 典子

執筆者:西村 典子

アスレティックトレーナー / 運動と健康ガイド

ヒールで足が痛い・むくむ……かかとの高い靴と足への負担

ハイヒールの女性

ヒールは足が前方に滑りやすく、足指が窮屈になりやすい。履いた後はフットケアを入念に行おう


ヒールがある靴が苦手という人は少なくありません。かかとの高さで足全体が前方に滑って、つま先に体重がかかるため、足指が圧迫されたり足裏の負荷に偏りが出たりして、足の痛みなどが起こりやすくなります。

特につま先側が細くなっているタイプのものは、足指の動きが悪くなり、時には指同士が重なり合ってしまいます。痛みだけでなく、足指が曲がってしまうハンマートゥや外反母趾などを引き起こす原因にもなるのです。この他にも、タコや靴擦れなどの皮膚トラブルもヒールに多い足のトラブルと言えるでしょう。

ヒールが高くても、足の甲部分までしっかりカバーされているローファーやブーツであれば、足全体が前方に滑りにくく、こうしたトラブルはあまり見られません。足の甲部分にサポートのないパンプスは、どうしても足のトラブルが起きやすい構造なのです。
 

仕事中は苦手なヒール……足の負担を抑えるためにできること

足に負担のかかりやすいヒールですが、苦手でも仕事で履かなくてはならないという人もいるようです。ヒールは歩いたり走ったりと、アクティブに動き回るための構造ではないため、できるだけ必要な時間帯だけにしぼって履く方が足の負担を減らせます。

たとえば通勤ではヒールのないフラットな靴を履いて、ヒールは勤務時間だけ履くようにしたり、ヒールの高さをなるべく抑えて、太さのあるものを選んだりするのもよいでしょう。

またヒールを選ぶときはできるだけ実際に試着をしてみましょう。つま先部分に、軽く足指が動かせるくらいの余裕があるか、かかとが余らないか、歩いても浮かないかなどを確かめて、自分に合うヒールを選んで購入するようにしましょう。
 

ヒールを履いた日、帰宅後におすすめの3つのフットケア

ヒールを履くと、足周辺部やふくらはぎの筋肉は固定されて硬くなり、下肢に水分がたまってむくみやすくなります。帰宅後に足指や下肢のストレッチなどを行い、足のトラブル予防につとめましょう。ここでは手軽にできるフットケアを3つご紹介します。

■トゥレイズ
脛の前面にある前脛骨筋(ぜんけいこつきん)は足指を持ち上げるときに使われる筋肉ですが、ヒールを履いた状態ではあまり刺激が入らずに伸びた状態になっています。この筋肉が弱くなってくると、小さな段差につまずいたり、転倒したりといったリスクが高まるため、ヒールを脱いだ後はこの筋肉を鍛えるようにしましょう。前脛骨筋の強化ともに後面にある下腿三頭筋のストレッチにもなります。

やり方は足を床につけた状態からかかとを支点として足指を持ち上げるだけ。立った状態でも座った状態でも行うことができます。20回を1セットとして2~3セット行いましょう。

■タオルギャザー
縮こまった足指を大きく使って動かすようにします。床にタオルを広げて、タオルの端に足をのせ、かかとを床につけたまま足指を使ってタオルを手前にたぐり寄せるようにします。これを3回程度行いましょう。簡単にできるようであれば、タオルの端にモノをのせて行うようにすると負荷が強くなります。

■足首回し
右足を左足の膝の上にのせ、右手で足首を固定し、左手は右足の指の間に入れて足と手を組むようにします。そこから足の甲を前後にゆっくりと動かします。その後大きな円を描くように、足首を回します。内回し、外回しとそれぞれ行ったら、足を組み替えて左足も同じように行います。

ヒールによる足のトラブルを最小限に抑えるためにも、帰宅後はフットケアを実践して足を労るようにしてくださいね。
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