家事

うちらが「帰省しなければならない」理由。晩婚晩産の子育て世代は正月をどう“こなす”べきか(2ページ目)

年末年始になると、あちこちから聞こえてくる「帰省したくない」との呟き。ただでさえ忙しい年末に、疲れた身体に鞭打って長距離移動して、帰省先で召使いのように家事に打ち込むだけのお正月を“こなす”理由を考えてみましょう。

藤原 千秋

執筆者:藤原 千秋

家事・掃除・子育てガイド

自分以上に優先すべきものがあるのでしょうか

寒い季節は、体調も不安定になりがちです

寒い季節は、体調も不安定になりがちです

私たちは受けてきた教育を通して、ことさらに人の「わがまま」というものを憎まされてきています。

「憎まされてきた」という言葉が強すぎるなら「忌避すべきものだと、しつけられてきた」。

「自分勝手」「わがまま」「御身大切」を是と言える人は、「変人」カテゴリではないですか?

「私が疲れるから、年末年始の帰省はしたくない」

多分、言ってしまえばそれだけのことなのです。

でもそんなことは、自分勝手でわがままな言い草に聞こえるのだと思います。

「義両親は寂しがるだろうな」

優しい方ならそうも考えます。であれば、実の子どもの側だけが単身で帰ればいい、というのも一つの答えです。

お年玉が欲しい子ども(孫)たちも一緒についていっていいでしょう。

とはいえ、名実ともに「子ども」であれば親の決定には逆らえないので、どんなに体調が悪くても連れまわされてしまうものです。

親孝行と親不孝は表裏一体?

じつは筆者自身、40数年前(子ども時代)、親の帰省先で発熱、往診の医者にお尻に注射を打たれて正月三が日を寝込んで過ごしたことがあります。

別の年には体調が怪しい状態で帰省し、帰省先もろとも今でいうノロウイルスで全滅した(持ち込んだのは、やはり私)ことも……。

親(じじばば)孝行と親(じじばば)不孝とはかくも表裏一体なのかもしれません。

「義実家のおせち料理を手伝わされる」など、自分の実家との勝手の違いがストレスになることも多々あるかもしれませんが、まあ一種の異文化体験。外国や違う星の文化や習俗だと思えば楽しんだり割り切れる面もあるかもしれません。でも、それはやっぱり体力気力ともに十分あること、余裕があることが前提ではないでしょうか。

「若い衆」ではない子育て世代だから

晩婚晩産化の進む世の中です。一家の「子ども世代」とはいえ実質中年だったりして、ぜんぜん「若い衆」ではなかったりします。

そのうえ年末28日まで、夫婦ともぎっちり仕事に追われていたという共働きの生活背景では、冬休みに入った瞬間にすでにヨレヨレです。

さらに手のかかる年代の子育てもしているような、くたびれきった人たちが、寒くて体調も崩しがちな状況で、ことさらに混んだ道や電車での長距離移動を要する「帰省」をするというのは、実質的に無理という判断でも、今時おかしくない。

筆者はそう考えるのですが、いかがでしょうか。

何をおいても自分の健康が全ての物種です。最優先させるべきもそこにあるのではないでしょうか。

親世代の考えや価値観は覆せないかもしれない。あなたへの評価は下がるかもしれない。

でも、あなたがコントロールできるのは唯一、あなた自身。その身体、行動だけなのです。

「行動の軸」を自分自身に置く勇気を、今こそ育ててみませんか。
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