<目次>
中学受験「第一志望以外」の過去問はどれだけやる? 併願校がカギ!
お試し校や滑り止め、次善校など「第一志望以外」の対策はどれだけするべき?
また2月以降も、第一志望校だけを受験するわけではありません。もし万が一、第一志望校が不合格だった場合に、ここなら進学させてもいいと思える次善校や、滑り止め校も受けるでしょう。そして最終的に6校以上受験するというお子さんは、近年の中学受験では決して少なくありません。
でも、そんなにもたくさんの学校を受けるとなると、各校の対策をみっちりやる時間はありませんよね。お試し校や滑り止め校の対策は、一体どうしたらいいのでしょうか。
多いと1人10校も!?受験校って最終的にどのくらいの数になるの?
ここでは、2月に第一志望の中学校を受けるお子さんを例に挙げて、最終的にどのくらいの学校を受験するのかについて、まずはご説明したいと思います。2月1日に第一志望の学校がある子の受験パターンは、ざっくりとこんな感じです。
1月中のお試し受験:安全校1校、実力相応校1校
2月1日午前:第一志望校(第1回入試)
2月1日午後:滑り止め校(第2回入試)
2月2日午前:次善校A(第2回入試)
2月2日午後:次善校B(第3回入試)
2月3日午前:第一志望校(第2回入試)
2月4日午前:次善校C(第3回入試)
もちろん2月1日の夜、または2月2日の昼に発表になる第一志望校や、2月2日の夜に合格発表がある次善校に合格してしまえば、入試はそこでおしまいです。しかし、なかなか希望通りに合格が出ない場合は、2月5日や2月6日まで受験が続くことになり、多いケースですと受験校が10校に達したなんてこともありうる話なのです。
しかしそうなってくると、すべての受験校に対して対策を講じることは、時間的にも難しいでしょう。一体どの学校にどれだけの時間や労力をかければいいのでしょうか。
「併願パターン」をよく練ることで効率よく受験校対策を
ここで重要になってくるのが「併願パターン」です。限られた学習時間の中で効率よく受験校対策をおこなっていくためには、併願作戦は欠かせません。まず大切なことは、1月校も、次善校も、第一志望校と入試傾向が似た学校を選ぶ、もしくはあまり特色のない学校を選ぶのがいいということです。例えば、第一志望の中学校に記述問題はほぼ出ないのに、次善校では記述問題をたくさん出す学校を選ぶとか、第一志望校の算数は答えのみ書けばOKなのに、次善校の算数は途中式を書かせる、といったように出題傾向の違う学校を志望校に選ぶと、二正面作戦を強いられ、時間がいくらあっても足りないという事態に陥る危険があります。そのため併願校は、似たような学校を並べておくのが得策です。
滑り止め校についてはさらにシンプルに考え、できる限り特色のない学校を選択しましょう。問題は基本的で、途中式や記述はほぼなく、それほど対策を立てなくても充分合格できる学校を据えておくようにします。こうすることで「通うところがなくなる」リスクを避けつつ、滑り止め校の対策に割く時間的ロスをほぼ考える必要はなくなります。過去問演習についても、どこかで1回だけやっておけば問題ないと思われます。
1月校については、いくつかのパターンがあります。ただ単に入試の雰囲気を経験させるというだけであれば、滑り止め校と同じような観点で学校選びをするとよいでしょう。しかし、第一志望校の合否を占う意味で受験する場合には、やはりそれなりの対策を講じておく必要があります。過去問も3~4回くらいはやっておきたいところですね。
次善校についても少し複雑です。まず第一志望校の過去問の出来がそれなりによい場合は、引き続き第一志望の対策をおこなっていくのがいいでしょう。次善校の入試傾向が第一志望校と似ていれば、第一志望校の対策によって次善校の対策もできてしまいます。問題は第一志望校の過去問の結果が芳しくない場合です。その場合、第一志望校の対策に固執してしまうと、そのまま次善校も共倒れとなってしまう危険値が高まります。そのようなときには「最低でも次善校の合格は取る」という目標を掲げて、次善校の対策をみっちりおこなうのがいいと思います。
受験校対策に時間を割きたい場合、1月の学校や塾はどうすべき?
最後に、過去問演習など志望校や受験校の対策で忙しく、学校や塾の時間がもったいないという場合の対応についても触れておきたいと思います。昔は「学校を休むと生活のリズムが崩れる」からと、欠席に対して消極的な人が多くいました。しかし今は時代が変わってきています。withコロナ時代となり、感染症のリスクが高まっている現代では、この時期は全休する生徒も少なくありません。学校の先生方も理解を示してくださる方が増えている印象です。塾についても、無理に出席する必要はないのではないでしょうか。1月の塾のカリキュラムは、たいてい「総合演習」です。実施する問題は「最大公約数的」あるいは「最小公倍数的」な問題であり、各生徒の志望校に合わせたものではありません。もちろんそこで扱った問題が、入試で出題される可能性はゼロではありませんから、出席するのが完全に無駄であるわけではありませんが、やはり直前期は過去問演習や志望校で出題されやすい単元の学習をやりたいところ。取捨選択して必要な授業だけ出るようにするのがいいのではないかと考えます。
直前期はいろいろと悩みが尽きないものですが、ただ不安がっているだけで、事態が好転することはありません。あれこれ悩んでも仕方ありませんので、ここまできたら腹をくくって「なるようになる」精神で乗り切ってください。ご縁は必ずやってきます。
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