定年・退職のお金/ファイナンシャルプランナー辻村洋子さんのワクワク老後を楽しむお金エッセイ

退職金の平均額っていくら?大卒で2230万4000円!減らさずに貯めておく方法

退職金の平均額はいくらぐらいなのでしょう? 会社の規模や業種によっても異なりますが、厚生労働省「令和3年 賃金事情等総合調査」によると、満勤勤続で大企業の男性の退職金の平均は、大卒で2230万4000円、高卒で2017万6000円となっています。

執筆者:All About 編集部

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大企業の男性の退職金の平均は、大卒で2230万4000円、高卒で2017万6000円

退職金の平均額はいくらぐらいなのでしょう? 会社の規模や業種によっても異なりますが、厚生労働省「令和3年 賃金事情等総合調査」によると、満勤勤続(※)で大企業の男性の退職金の平均は、大卒で2230万4000円、高卒で2017万6000円となっています。

※「満勤勤続」とは、大学卒は22歳、短大・高専卒は20歳または21歳、高校卒は18歳で入社し、同一企業に定年退職するまで勤務することをいう(厚生労働省より)。
退職金をしっかり貯める方法とは?

退職金をしっかり貯める方法とは?

次に中小企業の退職金の平均額ですが、東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)」によると、中小企業の満勤勤続のモデル退職金は、大卒で1118万9000円、高卒で1031万4000円です。

やはり退職金は大金だということがわかりますね。せっかくもらった退職金は、老後の虎の子として大事に使いましょう。

○参考
・厚生労働省「令和3年 賃金事情等総合調査」
https://www.mhlw.go.jp/churoi/chousei/chingin/21/dl/07.pdf
・東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)」
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/toukei/koyou/r2chincho_28.pdf
 

退職金を無駄にしないためのルールとは?

退職金をもらったら、まずは3つの目的別に分けてみるといいと思います。お金を目的別に分けるというのは、資産運用の基本ルールです。

例えば、1000万円の退職金をもらった場合の分け方です。

【1】流動性資金
このお金は、日常やいざというときに使います。半年~1年分の生活費と病気やけがなどの治療費として備えておきましょう。300万円程度とします。
⇒普通預金や通常貯金へ入れて、基本的にすぐに使える状態にしておく。

【2】安全性資金
数年先に使うお金で、旅行やレジャー、家具や家電が壊れたときの費用、家のリフォームや修繕代、子どもの結婚資金などです。500万円程度とします。
⇒金利の高いネット銀行で預け入れできる定期預金や個人向け国債などで、減らさないように運用する。

【3】収益性資金
当面使わないお金で、10年以上先の老後資金、子どもや孫に相続するお金。200万円程度とします。
⇒余裕資金として、株式や投資信託、外貨預金などで増やすことも検討する。

老後までに【1】流動性資金と【2】安全性資金が貯まっていない人は、退職金から充てるようにしましょう。【1】流動性資金と【2】安全性資金がしっかり貯まっている人は、退職金の中から株や投資信託で少しはリスクをとり、お金を増やすこともインフレ対策として考えてみましょう。

退職金が1000万円を超えるようであれば【1】流動性資金と【2】安全性資金以外の残りのお金は、全て【3】収益性資金としてもいいでしょう。
 

預け方の注意点とは

3つの目的別に分けた退職金を預ける、増やす上での金融機関の使い方についての注意点です。

高金利のネット銀行等に預けることを検討する人もいるでしょうが、銀行にお金を預けるときはペイオフ対策(※)のため、1行1000万円までにしましょう。1000万円を超える場合は、銀行を分けてください。

※銀行が破綻した場合、預金者一人に1000万円までの元本とその利息を保護しています。また、当座預金や無利息型普通預金など利息の付かない決済性預金については、その全額を保護しています。

なお、個人向け国債ならペイオフを気にしなくても大丈夫です。いくら預けても国が破綻しない限り、元本が保証される上、一定額を購入すると、お金がもらえる「キャッシュバックキャンペーン」をやっている証券会社も多数あるので調べてみましょう。

信託銀行などでは、各種「退職金の特別キャンペーン」が設定され、退職者だけに与えられる破格の金利を享受できることがあります。ただし、円定期とセットになった投信コースやファンドラップコース等は、トータルで手数料負けしてしまう可能性もありますので注意しましょう。預けるなら元本保証の定期預金コースをおススメします。

監修・文/辻村洋子(CFP(R)認定者・1級FP技能士)

損保会社を定年退職後、ファイナンシャルプランナーに。「お金は人生を豊かにするためのもの」をモットーに、セカンドライフを充実させたい人への家計改善、老後資金の準備、遺言・相続などに関する相談を得意としている。お金の寿命をのばす専門家として相談者の不安や悩み相談を受けている。

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