下流老人にならないためには?
ヒント1 お金に関する思い込みをリセットする
老後お金に困る原因として、若いころからお金に無頓着であるだけでなく、「自分はお金のことは大丈夫」という思い込みを持っていることが多いのです。老後に関するお金について、いろいろなことがいわれていますが、それが誰にも当てはまるわけではありませんし、単なる思い込みである可能性があるのです。
たとえば、「大企業は退職金があるから老後の生活は安泰」「親からの相続財産があるから大丈夫」「介護保険があるから介護費用は何とかなる」などです。
……実はこれ、思い込みである可能性が高いのです。
そもそも、大企業だからといって必ずしも退職金が支給されるかは分かりませんし、減額される可能性もあります。相続も、本当に相続財産があるのか、実際は親が財産を使いきってしまうこともありうるのです。介護の状態は人によって違うため、介護保険でまかない切れるとも限りません。
もちろん、ピンポイントの支出のみを考えれば、足りるのかもしれません。
とはいえ、生活は続いていきます。一時的なお金の流れでなく、長い目でお金に困らないのかを考える必要があります。
ヒント2 モノを買うときには、本当に必要なモノなのかを考える
日常生活に必要なモノであれば、深く考える必要はありませんが、マイホームを購入するときやリゾートやゴルフなどのレジャー系の会員権を購入するときには、慎重に判断しなければなりません。特に「定年退職前にローンを完済できるから、マイホームは早く購入するのがおすすめ」などといわれていますが、早く購入すると、年齢を重ねた時点でリフォームなどが必要になり、かえってお金がかかってしまう可能性があるのです。
また、一見するとメリットのあるレジャー系の会員権の場合、リーズナブルに利用できるのは限られた施設のみです。さらに自分の興味や関心は変わることもあります。会員権は売却することもできますが、希望する価格で売却することは難しく、結果的に買わなかった方がよかったという事態になりかねません。
金額の大きなモノを購入する場合、タイミングとともに、本当に買うべきなのか、自分にとって価値のあるモノなのかを考えることが大切です。
ヒント3 定期的にライフプランやキャッシュフロー表を見直す
お金に関する情報は、いろいろあり参考になることもあるかと思います。とはいえ、大切なことは「自分の場合はどうなのか?」ということです。年齢を重ねるほど使うべきお金の幅は広がってきますが、すべてのことにお金を費やすことはできません。今あるお金を何に使うべきか考えて、順番にお金を確保し、使うことが重要です。
まずは、定期的にどんなことにお金がかかりそうか、今後のライフプランをチェックしたり、キャッシュフロー表を作ってみましょう。また、お金を使う優先順位をつけることも心がけてください。
ライフプランとは具体的には、老後資金の準備、住宅ローンの返済、子どもの教育費、親の介護費用、レジャー、交際費などがあります。優先順位はその時々によって変わってきます。金額や使うタイミングを自分で見極めながら、お金を振り分けて準備することが大切です。
最も大切なことは、周りの意見に惑わされてお金を使わないことです。具体的には「●●さんが家を買ったから自分も買いたい」「●●さんも買ってるから車が欲しい」などです。
自分の考えに信念を持ち、生活を大切にすれば、老後にお金に困ることにはならないでしょう。
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