「志望校、諦める?」はダメ! 保護者のNGリアクションTOP3
子どもから模試の結果を渡されたときのリアクションに注意!
第3位:志望校合格率の低さを指摘する
模試を受けると成績とともに記入した志望校に対する合格判定が、合格予測のパーセント表示で出されて返ってきます。ここを見たときに志望校の合格判定が20%未満だったら、もうその学校に受かる見込みがないと思ってしまいませんか。そしてわが子に「これで受かると思ってるの?」「もう志望校、変える?」なんて言ってしまうんですよね。合格判定の結果が悪くてわが子を責めてしまう方は、合格判定を信用しすぎです。合格判定が80%以上と出て「これなら受かるね!」と喜ぶ親御さんも同じことです。合格判定はそこまで信ぴょう性の高いものではありません。
公立中高一貫校の適性検査型の模試や公立高校の共通テストでなく、一般的な私立型の模試の場合、どの学校の入試にも似ていない、様々な学校の入試問題を平均化したような問題が出されます。しかも受験学年でなければ、本番までまだ1年以上もある時点での予測です。合格判定はあくまで目安程度に考えるべきなのです。
合格の可能性を確認したい場合は、入試直前にその学校の初見の過去問を使って、全科目を通しで制限時間内に解いてみましょう。そしてその年の合格最低点に対して何点取れたか、これによって測るのが、最も信ぴょう性の高い確認方法です。
模試の結果については、合格判定よりも、どの問題ができてどの問題ができていなかったのか、正答率が高い問題なのに不正解だった問題はどれかを子どもと一緒に確認することが大切です。
第2位:成績が良くなかった科目を指摘する
模試の結果を渡したその瞬間、子どもは親の第一声に耳を傾けています。そんな中で成績の良くなかった科目について指摘をすると、子どもの中にかろうじて残っていたわずかな勉強のやる気が、大きく落ちてしまいます。成績が悪いことは、子ども自身もわかっていますからね。成績が下がったことにショックを受けているのは、他ならぬ子ども自身です。それなのに親からも指摘を受けると、「ああ、もう自分にはムリだ」と自信を喪失してしまいます。
私が生徒を指導する際に一番力を入れるのは、どうすれば生徒のやる気を引き出せるかということです。模試の成績を生徒に返却する際は、成績の良かった科目、前回から成績が上がった科目や分野、それがなければ、平均正答率が低い問題で正答できているところや、点数は入らなかったけど、がんばって答えた記述問題などに着目して、そこを認めます。
そして「ここの問題は解けたよね、ここができていれば、せっかくこんな正答率が低い問題がマルになっているのに、もったいなかったなぁ。どうすれば次回もうちょっと点数を上げられるか、一緒に考えてみようか」と伝えます。
模試の結果はまず良かった点に着目することが大切です。良かった点は、偏差値や点数ではなく、局所的なところでいいのです。取り組みの姿勢でもいいでしょう。とにかく模試の結果に対する評価は、どんな成績であっても良かったところに着目して、それを伝えて子どものやる気アップにつなげます。
まずはやる気を高めて、具体的な勉強のアクション、計画の練り直しはそれからです。偏差値は、意識すればするほど気持ちが萎えて、上がりづらくなるものです。
模試の結果は、美点にフォーカスするところから始めましょう。
第1位:成績だけを褒めて終わる
成績が上がったら嬉しいですよね。でも長い受験勉強の中では、いつかは必ず成績が下がるときがきます。成績だけを褒めてそれで終わりにしていると、成績が下がったときに子どものショックが大きくなりますし、親としてもどう声をかければいいか戸惑ってしまうことでしょう。しかも成績の良さを褒められた子は、次回も良い成績を取ろうとします。当然ですよね。そして親もまた、わが子が次回の模試の成績がよくなることを期待します。
すると、どうなるか。短期的な成績アップを求めるようになるんです。短期的な成績アップは、実はそう難しいことではありません。たとえばフリマアプリで次回の模試の過去問を購入してやり込めば、次回の模試の成績を上げることは可能です。でもそのようなやり方をしていたら、その次の模試ではおそらく成績は下がるでしょう。
成績だけを褒めるのは、リスクを伴います。成績を褒めたら、同時にそのような良い成績につながった取り組みの姿勢を認める発言とセットにしましょう。
「国語の知識分野、今回時間をかけて取り組んだかいがあったね。こういう基本的な問題ができると成績が安定するよね」とか、「この記述問題、部分点をもらえているね。あきらめずに書き切ったのがよかったんだろうなぁ」というように、「偏差値が50超えたからすごい」とか「順位が上がったからよかった」というような相対的に出される評価ではなくて、わが子の取り組みの姿勢を評価してあげましょう。
そうすると子どもは、「あの取り組み方で成果が出たんだったら、もっとうまく取り組めれば次回はもっといい結果を出せそうだぞ」と、具体的な行動に結びつけるようになります。受験への取り組みを通じて、そんなふうにPDCAサイクルを回す姿勢を身につけていくことは、目先の成績よりもずっと大切なことで、大人になっても助けになってくれるはずです。
人は意識しないと、ダメなところばかりに目がいくものです。大事なわが子であれば、なおさらですよね。だからこそ、意識して美点を探して伝えましょう。小さなことでもいいのです。認められるところを見つけてそれを伝えることで、子どものやる気に小さな火が灯ります。それがすぐには実を結ばなくても、いつか自分の力を発揮できるための、きっかけになるはずです。
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