実際、年金の振り込まれるペースは2カ月に1回。今までの家計管理と少し立て付けも違います。慣れるまでは、戸惑うこともあるかもしれません。しかし、これからのことを考えれば、最初からムダな支出を抑えていきたいという人も多いことでしょう。
そこで今回は、年金で生活されている人々の月の生活費を確認しながら、誰でもできる節約術について解説します。
65歳以上の単身・無職世帯1カ月あたりの平均生活費
総務省「家計調査報告（家計収支編）2021年」の65歳以上の単身無職世帯のデータを参考に、1カ月間の生活費を見てみましょう。
65歳以上の単身無職世帯（高齢単身無職世帯）の家計収支・総務省HPより
ただ、持ち家の人の割合は81.2％となっていることから、住居項目の支出額は少なくなっています。そのため賃貸物件にお住まいの場合は、住居が最も高くなるはずです。
自分は何にお金がかかりそうか、データの平均値と現在の生活費を比較し、考えてみましょう。
単身世帯の生活費の中から特に高い5つの項目の節約術
では、単身世帯の生活費の中から特に高い5つの項目について、節約の考え方を紹介していきます。●65歳以上単身世帯の生活費の節約術（1）：食料費（食費）
費目の中で一番割合が高いのが食料費（食費）です。単身世帯の食費は消費支出の27.4％を占めており（約3万6000円）、1日あたり約1200円、1食あたり約400円かかっている計算となります。食費の中には、外食約3100円等が含まれています。すべて自炊にするのはなかなか難しいかもしれませんが、外食をした場合などの費用を半分ぐらいに抑えてみるなど、工夫をしてみるのもよいのではないでしょうか。
●65歳以上単身世帯の生活費の節約術（2）：光熱・水道費
光熱・水道費は消費支出の9.5％（月々1万2600円ほど）となっています。こちらの費目の電気、ガス、水道などはどれも生活と直結しており、節約を心掛けたところで、スグに結果が見えるものではないかもしれません。
しかし、ちりも積もれば山となるというように、節約を心掛けるかどうかが肝心です。エアコンの設定温度やフィルターの掃除を心掛ける、冷蔵庫の中を整理整頓して扉を頻繁に開け閉めしないなど、細やかに節約を意識すれば、それなりの結果が期待できるはずです。
●65歳以上単身世帯の生活費の節約術（3）：交通・通信費
スマホやパソコンなどで月々に発生する通信費は、契約内容の見直しやセット割などを検討し、安く抑えるように工夫しましょう。交通費は、外出したときに、他の用事も済ませるようスケジュールしたり、徒歩圏内にあるサービスを利用したりすれば節約できるでしょう。
●65歳以上単身世帯の生活費の節約術（4）：教養娯楽費
教養や娯楽といった費目は、主に趣味や習い事が含まれています。人によって趣味などはいろいろです。月平均で、消費支出の9.5％（1万2600円前後）がかかっています。
自治体主催のイベント、スポーツクラブなどで参加できるものを探してみたり、映画や音楽などは、毎月定額で楽しめる配信のサービスを利用してみましょう。お得な過ごし方を見つけると節約できるでしょう。
●65歳以上単身世帯の生活費の節約術（5）：交際費
65歳以上で一人暮らしている人にとって、ご近所さんや、趣味仲間との付き合いなど、人との交流はとても大事なもので、交際費はなかなか削りにくいかもしれません。しかし、年金だけで暮らすようになったら、付き合いで仕方なくという食事会などは、割り切って参加しないというように、自分でルールを決めておきましょう。程よい距離間で、価値観の合う人と交流を細く長く続けていけば、交際費もある程度は節約できるでしょう。
まとめ
生活費を抑えるためには、自分がどんなものに、どの程度出費をしているのかを知ることが大切です。そのためには、日々レシートを確認することなどから始めましょう。また、費目ごと予算化すれば、効率よく節約することが可能です。【関連記事をチェック！】
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