・控除とは
・生命保険料控除とは
・生命保険料控除の金額は?
・まとめ
控除とは
税金計算の際に「控除」という言葉が出てきますが、「控除」とは「差し引く」という意味です。例えば所得税を計算する際に、同じ額の収入を得ている方でも、養っている家族がいる人、多額の医療費を払った人、生命保険に入っている人など、人によって背景はバラバラなので、収入から個別の事情に応じた金額を差し引くことができます。それを所得控除といい、その部分には税金がかかりません。所得控除には15種類あり、そのうちの一つが「生命保険料控除」です。
生命保険料控除とは
生命保険料控除とは「生命保険」「介護・医療保険」「個人年金保険」に加入していれば、その年の収入から差し引ける控除のことです。控除できる金額は「生命保険」「介護・医療保険」「個人年金保険」がそれぞれ上限4万円、平成23年までに契約した「旧生命保険」「旧個人年金保険」がそれぞれ上限5万円ですが、全てを合わせて最大12万円までとなっています。生命保険料控除の金額は?
控除できる金額は、支払った保険料を新契約、旧契約それぞれの計算式に当てはめて計算します。なお、それぞれの上限額以上の保険料を払っていても全額が控除されるわけではありません。(1)新契約(平成24年以降の契約)の生命保険、介護・医療保険、個人年金保険
*それぞれの上限額は4万円 ・年間支払い保険料5万円の場合:5万円×1/4+2万円=3万2500円
・年間支払い保険料10万円の場合:4万円
(2)旧契約(平成23年以前の契約)の生命保険、個人年金保険
*それぞれの上限額は5万円 ・年間支払い保険料5万円の場合:5万円×1/2+1万2500円=3万7500円
・年間支払い保険料10万円の場合:5万円
(3)新・旧契約どちらも加入している場合
旧契約の年間保険料が6万円を超えるかどうかで上限額が変わります。旧契約の年間保険料6万円以内であれば、新・旧契約保険料をもとにそれぞれ計算した合計額(上限4万円)、旧契約の年間保険料6万円超であれば、旧契約保険料をもとに計算した金額(上限5万円)を「生命保険」「個人年金保険」それぞれで算出します。
最終的な生命保険料控除額は、上記の(1)(2)(3)の合計額ですが、最大で12万円までとなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。各種控除の中でも生命保険料控除は、年末調整の際になじみのある一つかと思います。ポイントは生命保険、介護・医療保険、個人年金保険それぞれで上限額があることと、生命保険、個人年金保険は新・旧契約を分けて考えることです。生命保険料控除用の書類は10月頃にご加入の保険会社等から届きますので、年末調整までなくさないよう保管しておきましょう。
《参考》
国税庁ホームページ
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