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江戸時代から受け継がれる100%天然の高級リップ 伝統の「紅」でメイク再発見

180年もの間、変わらぬ製法でつくり続けられてきたという伝統の「紅」。今も昔も女性の心を色づかせてくれるその存在に、メイクの楽しみを再発見してみて。

執筆者:岡田 さちこ



お手軽簡単!
一品で効果絶大!

機能性だけを追い求めるなら、日々進化する新作コスメを手に入れるのが一番の近道。とはいえ、そんな機能重視のコスメ選びから離れて、初めて見えてくるメイクの愉しみもあります。

今回見つけたのはなんと180年もの間、変わらぬ製法で作り続けられてきたという伝統の“紅”。時を超えて女性を魅了し続けるその特別な存在に、メイクで“粧う”よろこびを再確認してみてはいかが?


時代を超えて“粧う”シーンを見つめた「小町紅」

素顔のくちびるにイキナリ口紅を塗るなんてことはまずありませんよね?
“口紅を塗る”という行為を、プライベートからオフィシャルへの境界線と位置づけているのはガイドだけではないはず。

外出の時間に合わせて身支度を整え、髪型をつくりメイクを施して、最後の仕上げに口紅を塗る。きりりと気持ちが引き締まり、家でくつろぐ内向きな“わたし”から、他人を意識する外向きな“自分”へと変身できるような気がしませんか?

そう、女性にとって口紅を塗る時間は“他人”との接触にむけて外見を、そして心を作り上げていくという大切な意味を持つ時間だと思うのです。

鏡に向かって紅をさす……ときにはこれから会う人のことを考えながら。時代を問わず幾度となく繰り返されてきたシーンです。普遍的な意味合いを持つそんな女性の“粧う”場面を、時をこえて見つめ続けてきたツールがあります。

それが今回ご紹介する「小町紅」

江戸時代の女性に愛された伝統の“紅”を今に伝える一品です。

江戸の女性をトリコにした門外不出の職人技

今でこそベージュやピンク、オレンジなどさまざまな色合いがありますが、日本では古来口紅といえば紅花から作られる“紅”のこと。

アザミに似た黄橙色の紅花からとれる色素の99%は黄色、残りわずか1%の赤い色素から作られるのが“紅”。顔料として、その希少性から平安期には一部が禁色とされたほどでした。それでもその鮮やかかつ神秘的な色彩に魅了された人々は、京の都の上流階級を中心に出費を惜しまずこの“紅”を買い求めたとか。口紅としての“紅”ももちろん、絶大な支持を得ます。

時代は移って江戸時代。すでに京で人気を博していた“紅”を初めて江戸で製造する紅屋としてスタートしたのが、現在も続く伊勢半本店のはじまりでした。

当時極めて高価とされた“紅”の製法は、各々の紅屋の秘伝として門外不出、口伝によってのみ継承されていました。その製法をかたくなに守っているのが、現在日本で唯一受け継がれている日本紅「小町紅」。紅花のなかでも最高品質とされる山形産の最上紅花を惜しみなく使い、職人がひとつひとつ手間隙かけて丹念に作り上げた最高級品なのです。

“紅”というと深い赤や鮮やかな朱色を想像しますが、紅猪口の内側で輝くのは黄金色とも緑色つかない玉虫色。それもそのはず、純度の高い赤の色素は光を吸収し、反対色の緑の色彩を表面にたたえるというのです。これを水で溶くと赤く発色するというわけ。さらに、贅沢に重ね塗りすれば、くちびるの上で玉虫に輝かせることも可能だとか。

黄色い紅花から赤い色素が取れるのも驚きなら、その赤い色素が玉虫に輝くというのも驚き。まさに、色のマジックですよね。

どうやって使うの? 使い心地は? 次ページでガイドがレポート。

小町紅 季(とき)いろ 全4種 各\6,500 2004年4月20日発売 (伊勢半本店) [価格は税込み]

○商品の詳細はこちらでチェック
(ブランド名をクリックすると公式サイトにジャンプします)
伊勢半本店 03-3262-3121


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