1:iDeCoで年金を増やす
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度で、任意で加入することができます。年金とはいえ、あくまでも任意のため、自分で申し込んで掛金を拠出し、運用方法も選んで掛金を運用することになります。掛金とその運用益との合計額を給付として受け取ることができます。iDeCoのメリットとしては、掛金を拠出するとき、運用益、給付を受け取るときのそれぞれで税制上の優遇措置が受けられることです。
加入できるのは、
【1】国民年金の第1号被保険者……
自営業者の方など(国民年金保険料の免除などを受けている方、農業者年金の被保険者の方を除きます)。
【2】60歳未満の厚生年金保険の被保険者……
企業年金制度のない会社員。iDeCoに加入することを認めている企業型確定拠出年金の加入者。
確定給付企業年金・厚生年金基金に加入している人。
または国家公務員・地方公務員の共済組合員の人、および私学共済の加入者(私学共済の加入者の方のうち、iDeCoに加入することを認めていない企業型確定拠出年金の加入者の方は加入できません)。
【3】国民年金の第3号被保険者……
専業主婦(夫)など。
また、2022年5月1日からは、会社員・公務員など(国民年金第2号被保険者)で60歳以上65歳未満の人、国民年金に任意加入している60歳以上65歳未満の人、国民年金に任意加入している海外居住者も加入できるようになっています。受給開始時期の上限も70歳から75歳に延長されています。
掛金は、自営業者等(第1号被保険者)が月額6万8000円(国民年金基金と合算した額)、会社に企業年金のない会社員は月額2万3000円等、月々5000円以上1000円単位で、加入資格に沿った上限額の範囲内で設定できます。
参考
厚生労働省『確定拠出年金の拠出限度額』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/taishousha.html
2:国民年金基金は国民年金に上乗せする
国民年金基金は、第1号被保険者が加入する国民年金に上乗せして加入できる年金です。地域型と職能型の2種類あり、どちらか一方を選んで加入します。前者は47都道府県にあり、同一の都道府県に住んでいる第1号被保険者が加入できます。後者は25職種の基金があり、基金ごとに決められた事業・業務を営んでいる第1号被保険者が加入できます。加入は口数制で年金額や給付の型は加入者が選べ、給付の型は、終身A型(15年間保証)、終身B型(保証期間なし)、確定年金で5種類の合計7種類です。1口目は終身A型か終身B型のどちらかを選びますが、途中で減額や型の変更はできません。どちらも生きている限り年金が受け取れるため、保険料は安くありません。
なお、基金に加入している場合には、下記で紹介する付加保険料の納付はできません。
3:月400円で年金額を月額200円増やせる付加保険料
付加保険料は、第1号被保険者が加入する国民年金保険料に上乗せして納めることで、年金額を増やせる制度です。保険料は月400円で、年金額は月200円×納付月数分が増えます。付加保険料を納めた分は、2年間でモトが取れるという、おトクな制度です。国民年金基金は保険料が高くて加入しにくいと考える人でも、付加保険料なら月400円。加入しやすいのではないでしょうか?
ここで紹介した3つ以外にも個人年金保険に加入する、自分で積み立てをするという方法もあります。
いずれの方法を利用して将来、受け取る年金を増やすとしても、商品そのものの理解をすることが大切です。自分の予算を考えて、選んでみてください。
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