All About編集部は「腰痛の悩み」に関するアンケートを実施。今回はその結果を発表するとともに、カイロプラクティック理学士である筆者が「我慢すると危険な腰痛の違和感」を解説します。
※アンケートは、下記条件で実施
・男女比:男性 133名/女性364名/回答しない 2名/その他 1名
・年齢比:10代 2名/20代 119名/30代 197名/40代 120名/50代 51名/60代 9名/70代 1名 不明 1名
・アンケート実施期間:2022年1月14日~15日
腰痛に悩む人は7割
グラフは、男女500名に聞いた「腰痛に悩んでいますか?」に対する回答を示したものです。腰痛に悩んでいますか
続いて示すのは、腰痛に悩んでいると回答した人に聞いた、軽減のためにしていることです。
腰痛を解消ためにやっていること
一方で、腰痛予防のために取り入れたい「筋トレ」を選択した人は16.3%で、改善策として取り入れている人は少ないようです。また「針や整体、マッサージに通う」人は16.1%、「通院する」人は5.0%と、外部の機関を利用する人は低い水準になっていることがわかります。
多くの人を悩ます腰痛は、どの程度我慢されているのでしょうか。グラフは、「腰痛をどの程度まで我慢しますか?」の質問に対する回答です。
腰痛はどの程度我慢できますか
最も多いのは、「じっとしても痛みを感じる」までで約29%という結果に。普通の生活ができないほどの痛みになって初めて、我慢できないと感じる人が多いことがわかりました。続いて「お尻や脚が痛む、しびれる」までで約21%。腰だけでなく、他の部位までもが痛むと、危機感を持つ人が多くいるようです。
放っておくのはNG! 腰痛の危険な違和感と見分け方
姿勢を支える機能が、何らかの原因により(多くは生活習慣の中にきっかけが潜んでいると考えられます)低下し、腰部・骨盤まわりの筋肉の血流が滞ったり、関節の可動範囲が制限されるような筋肉の過緊張がみられたりすることで違和感・痛みを感じるようになります。この時、椎間板や関節、筋肉への負荷が高まっている可能性もあります。また、精神的なストレスや過去の腰痛に対する恐怖心が慢性的な腰痛に関与しているケースもあります。
我慢できる程度の痛みであっても、それが長引くことで回復しづらくなる場合もあるため、長引く場合は医療機関を受診しましょう。また、下記の症状がある場合は、早めに受診しましょう。
・転倒やケガや事故をきっかけに起こった腰痛
・下肢(脚)の痛み・しびれ・触れたときに感覚が異常である場合
・歩行が困難であること
・腰痛のやわらぐ姿勢が無い
・夜間、安静にしているときでも痛む
・症状が変化なく痛みが続いている、または、悪化している
・足の力が入らない
・女性では、月経に関する症状も抱えている
・排泄が正常にできなくなってきた
腰痛にならないために気を付けるべき4つのポイント
1. その日のうちに、その日の疲労はなるべく解消長時間パソコンにむかった、長距離の車の運転をした、足がだるい、立ち仕事が多かった、寒い場所で過ごす時間が長かった、肉体労働をした……など、長時間、同じ姿勢をとったり、反復される動作によって、筋疲労を起こすと腰部への負荷が増すことがあります。なるべく、その日のうちに、もしくは近日中に疲労回復のためのセルフケアをしましょう。
2. 腰以外の範囲もストレッチ
腰痛予防というと、腰の辺りだけに意識が向きがちですが、腰部含め背中側だけではなく、下肢
やお腹側の筋肉のコンディションも腰へ影響を与えます。お腹側を伸ばすような体操や足裏、ふ
くらはぎ、太ももなど、下肢の血流を促すセルフマッサージなどもこまめに行いましょう。
※ストレッチ(伸ばすことにより)で不快な痛みが生じる場合は、その部位のストレッチは避けましょう。
3. 腰痛を恐れ過ぎない
腰痛でひどい目にあった、という人は、再び腰痛に見舞われることに恐怖を感じ、腰の状態を意
識した生活、行動になることがあります。予防は大切なことではあるのですが、怖がり過ぎたり、腰をいたわり過ぎて運動をしなくなったりすることが、慢性的な腰痛へ繋がる場合があるため、「腰への意識」にも注意が必要です。
4. 腰痛予防に筋トレを
徐々に腰の不調を感じない状態になり、筋トレを行う際の正しいポジションをとることができるようになってから、筋力トレーニングを始めましょう。
特に腰痛により、今までよりも日常動作や運動が制限された人は、少しずつ筋肉の働きを取り戻しながら、筋トレを進めていくことができればと思います(筋力アップは、体にとって悪いことではありませんが、腰の状態により行うタイミングには気を付ける必要があります)。