Q:子ども名義で貯めた貯金にも、税金がかかるの?
●今回は編集部が設定した以下のケースに専門家が回答します。「50代・会社員男性。子ども名義で銀行に預金し、夫婦の収入から積み立てて500万円貯まった。子どもが大学に入学したので自由に使ってもらいたいが、子どもにあげたら税金がかかるのか?」
子ども名義で貯めた貯金をあげるときに相続税がかかる?
A:『子どもに自由に使ってもらう』という場合には、贈与税が課される、と考えるのが一般的
贈与税では、原則として、夫婦間や親子間であっても、贈与(無償で財産を与える契約)をした場合には、贈与税が課されることになります。しかし、ある一定の贈与に関しては、非課税財産として贈与税が課されない取扱いがされます。その非課税財産の中には、『夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの』が含まれています。『夫婦の収入から積み立てた金銭等』に関しては、『生活費や教育費に充てるために取得した財産』、かつ、『通常必要と認められるもの』に該当するかどうかが重要なポイントになります。今回のケースのように『子どもに自由に使ってもらう』という場合には、上記非課税には該当せず、贈与税が課される、と考えるのが一般的です。
もう一点、注意を要するのが、いつの時点で贈与したのか、という点です。これは、いつの(何年分の)贈与税として扱われるのか、を決定するために重要です。贈与税には基礎控除110万円があるため、その年分の贈与を受けた財産の総額が110万円を超えない場合には、贈与税はかからないということになります。
仮に、入学祝いとして、500万円を子どもに一時に贈与(暦年課税を選択)した場合には、他の贈与がなければ、390万円(500万円-110万円)に対して贈与税が課されることになりますが、毎年100万円ずつ、5年に分けて贈与した場合には、贈与税が課されないことになります。(毎年贈与契約を結び、それに基づき毎年贈与が行われる場合を想定)
税制等は毎年改正されていますので、今後の改正により、基礎控除額などの金額が変更される可能性もあります。贈与をする前に、税務署や専門家等に確認することをおすすめします。
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