お金の悩みを解決!マネープランクリニック/20代のお金の悩み相談

26歳、借り入れが100万円。借金返済をしながら貯蓄10万円の目標をクリアするには?(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回のご相談者は、交際する男性と半同棲中という会社員女性の方。コロナ禍で退職し、それがきっかけで消費者金融に借り入れをし、以後、なかなか貯蓄のできない家計になってしまったとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 支出内容を再度チェックしていく

いろいろ状況は変わっているかもしれませんが、いただいたデータでは、借金が2本あったうち、消費者金融からの借り入れは完済、自治体からの借り入れ60万円の返済が、来年から月2万円発生するとのこと。有利子である方を早々に完済できたのは良かったです。
 
一方、貯蓄については、給与の手取り額26万円に対して、希望は月10万円。目標設定としては不可能ではないでしょうが、そこまで無理をする必要はないと思います。それでストレスを感じたり、健康を害したりするのであれば、貯蓄そのものの意味がありません。それよりも気になるのは、実感として月5万円も貯蓄できていないという部分。ここに家計改善のポイントがあるように思います。
 
普段から節約、無駄遣いをしないよう意識して、結果的に余った額を貯蓄するのであれば、これは効率的ではありません。先に貯蓄分を差し引く「先取り貯蓄」を実践しましょう。そして、残った資金で生活をする習慣を付けることが、貯蓄する上では有効な方法です。そのためには、もう一度、支出の内容をチェックしてください。
 
「自分では切り詰めて生活している」とありますが、何にいくら使ったのかを具現化することで、削ることのできる支出とできない支出が見え、各費目の予算も組みやすくなるはずです。節約術よりも、使途不明金や無駄な支出を削る作業の方が、おそらく効率はいいでしょう。
 

アドバイス2 先取り貯蓄でまずは月6万円を目標に

貯蓄の目標額ですが、来年の返済開始以降で月6万円としてはどうでしょう。データどおりだと、支出は月21万2200円ですから、さらに2万円ほど生活費を下げないといけません。実際は、彼との同居で住居費の負担が下がる可能性もあるようですが、それとは別に自身の家計支出を見直し、目指す貯蓄をしていくことは今後につながります。
 
月6万円貯蓄すれば年間72万円、3年間で216万円。自治体からの借り入れは無利子ということで、繰上返済をする必要はないでしょうが、精神的に早く完済したいと思うなら、来年末には残高が36万円ですから、その時点で無理なく完済できるでしょう。
 

アドバイス3 来年の住宅購入はマネープラン的に無理がある

先のペースで貯蓄をしていけば、完済後は月2万円の余裕資金が生まれます。それも貯蓄に回せば、4年後、30歳のときに、ざっと300万円の貯蓄ができるはず。これは年齢的にも、収入の面でも立派な額です。まとまった資金があることで、その後の人生の選択肢も増えるはずです。
 
もちろん、思わぬ支出もあるでしょうし、貯蓄の継続も最初は大変かもしれません。どうしても無理があるなら、目標額を途中で引き下げることも必要です。それでも、最初の目標としてはいい額ではないでしょうか。
 
気になる点としては、「その後は家を購入するか、賃貸(家賃月13万円・家賃は折半)でいっしょに住む予定」という部分。その後とは、彼の賃貸契約が切れる来年1月ですが、少なくともその時点で住宅を購入することは、お勧めできません。
 
理由は、マネープラン的にリスクが高いからです。現在の彼の貯蓄は200万円ほど。もちもちピーチさんの資産を合わせても、その時点での購入は、頭金なし、全額借入となるでしょう。あるいは購入にかかる諸費用(100万~150万円)も一部借入の必要があるかもしれません。
 
確かに住宅ローンは現在、超低金利です。また、若くして購入すれば、長期返済に無理がなく、35年で組んでも彼の年齢なら60歳で完済できます。ただし、例えば都内近郊のマンションであれば、4000万円でも新築だとかなり条件(立地、専有面積)が絞られます。中古でも50~60平方メートルがメインとなるはずです。

ともあれ、4000万円借り入れて、35年返済、変動0.5%でも毎月の返済は10万3000円ほど。これに管理費、修繕積立金、固定資産税のコストがかかりますので、実際は13万~14万円。結婚されて、しばらくはダブルインカムであっても、出産や育児があれば収入はダウンしますし、教育費も発生します。そういう中で35年間、これだけの固定費を払い続けることは、この不透明な時代、かなり高いハードルだと考えるべきです。ましてや、彼は2年後に転職を考えている。結果、収入アップならいいですが、そこもまだ不確定です。
 
住宅購入に関しては、借入額を抑えて、家計負担を減らすことが家計防衛の大事な要素だと考えてください。
 
最後に保険について。現時点で、もちもちピーチさんに死亡保障は要りませんが、医療保障は確保してもいいと思います。医療共済か医療保険、入院5000円の必要最小限で構いません。保険料は月額2000円程度です。
 

相談者「もちもちピーチ」さんから寄せられた感想

ここ最近ずっと返済に追われ精神的にも参ってしまっていましたが、月6万円の貯蓄でしっかりと未来が見えるような状態になると言っていただいて、少しホッとしております。また住宅購入に関しては自身でも少し早いのではないかという懸念もあったため、アドバイスをいただき、改めて彼とは未来をしっかりと見据えて今後の生活を考えようと思います。今回はアドバイスありがとうございました。

 
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教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん  
  
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/清水京武


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