皆さんの周りには、自己愛が強すぎるナルシストさんはいませんか。ナルシストは無害なように見えますが、実は、周りに迷惑をかけやすい特性を持ち合わせています。悪気なく何度も傷つけるような人であれば、距離をとって防衛するのがよいでしょう。自己愛が強すぎる人の特徴、付き合い方、距離の取り方をご紹介します。
 

自己愛が強すぎる人から離れた方がいい3つの理由

ナルシストは迷惑をかけやすい特性を併せ持つことが多い

ナルシストは迷惑をかけやすい特性を併せ持つことが多い

ナルシストというと「自分を大好きな人」というイメージを持っているかと思います。確かに、ナルシストの主な特徴は自己愛が強いことです。これだけなら害がないように見えますが、ナルシストには「特権意識が強く」「人を許すのが下手で」「利己的で共感能力が低い」という特徴もあります(Raskin & Terry,1988)。

自分は特別に扱われるのが当然だという気持ちがある人は、自分には甘く、他人には厳しく考えます。困った行動の例としては、「自分は忙しいので、できなくてあたりまえ」と考えるのに、他者には「こんなこともできないのは能力不足だ」と考えるなどが挙げられます。「自分は特別扱いをされるのが当然」という考え方があるので、人からしてもらったことに感謝がないだけでなく、人を見下すような発言をすることもあります。

またナルシストは、人を許すことが下手です。これも特権意識の強さに起因しています。人間誰であれ、間違いを起こすことはあります。例えば「ちょっと言い過ぎてしまった」といった場合でも、許すことが下手な人は「あれがアイツの本性なのだ」と捉えて根にもってしまうことがあるのです。

ナルシストは、利己的で共感する能力にも欠けているという研究もあります(Emmons, 2000)。自分の利益にこだわり、相手の立場になって考えることが苦手な人が、どんなことをしでかすかは、皆さん想像できると思います。
 
単に自分が大好きなだけならいいのですが、このような傾向を持ち合わせていることを知っておくのは、心の準備という意味でも有効かと思います。決めつけはよくないのですが、心の準備をしておけば近くにナルシストな人がいても「突然ひどいことをされた」というショックを減らすことができます。
 

ナルシストと距離を置きたいときに気をつけたいこと

画像はイメージです

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皆さんは、ナルシストな人に傷つけられた体験、理不尽な振る舞いをされた経験があるでしょうか。もしある場合には、その相手とは適度な距離を保ったお付き合いをしたほうがいいかもしれません。

「言えばわかるだろう」「あの考え方は直すべきだ」など、相手の行動を変えようとするには、時間とエネルギーがかかり過ぎます。それよりは、こちらから連絡をとるのを控える、誘いを断るなど、できるだけ接触を減らすのがよいでしょう。

同じ職場など、顔を合わすことが多い相手の場合には、必要最低限な接触で済むように心がけるという対策になるかと思います。しかしナルシストには、「特権意識が強く」「人を許すのが下手で」「利己的で共感能力が低い」といった特徴がありますので、あなたの避けるような態度について、責めてくることもあるかもしれません。

距離をとるときには、おだてつつ離れるようにしまよう。相手別の具体的なフレーズをご紹介します。
 

相手別! カドを立てずに距離をとるフレーズ例

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■ナルシスト上司と距離をとりたいケース
特権意識の強い上司は、普段はいい人を演じていても、怒りポイントに触れられた際には、部下に対して強く言い過ぎてしまう傾向があります。こういった叱り方をスルーできる人は良いのですが、気に病んでしまうタイプの人であれば、できるだけ接触を減らしましょう。

上司と会わないわけにはいきませんので、報告や連絡を最小限にするよう心がけます。このとき「怠けている」「報告を怠っている」と思われないようにするのが大切です。
  1. 重要度が低いが煩雑な仕事である
  2. 優秀で忙しい上司の手を煩わせない方法でやりたい

上記2点を伝えるフレーズを使い、予防線を張っておくとよいでしょう。

例)
「今回の××は煩雑なのですが、お忙しい○○部長の時間をとって何度もチェックしていただくような重要案件ではありません。どうしても困ったときや最終的な確認だけお願いしようと思います」
 
このように伝えておけば、進捗を何度も聞かれたり、報告やチェックをしてもらったりということを減らせますし、最小限の接触に抑えても文句は出にくいでしょう。
 
■同期がナルシストの場合には
同じ部署の同僚などであれば、上司のときと同じように「優秀な○○さんの手を煩わすほどのことではないので、些末なことはやっておきます」という形で、なるべく接触を減らすのがよいでしょう。部署などが違う同期の場合、同僚よりも接触回数は少ないものの、誘いや依頼などで声をかけられることがあると思います。極力関わらないようにしましょう。
 
  1. タイミングが悪い自分を下げる
  2. ナルシストな同期が優秀なので、比べてしまうのも嫌だ

冗談を交えつつ、この2点を伝えて陰口を予防しましょう。

例)
「これだけタイミングが合わない俺って、使えないよなぁ。まぁ、キミみたいな優秀な同期と話すと落ち込むからいいのかもな」
 
自己愛が強い人は、おだてられても褒められていると感じやすいので、意外にすんなり受けとめてもらえます。
 
■部下がナルシストの場合には
ナルシストの部下は周囲の人に迷惑をかけている可能性があります。本人を指導する前に、迷惑をかけられている人がいないかに気を配り、もし迷惑をかけられた人がいた場合にはフォローをするようにすると良いでしょう。

ナルシストな部下は特権意識が強いので、他の人ばかりフォローされている様子を面白くないと感じるかもしれません。
 
  1. あなたは人とは違う
  2. フォローしなくても大丈夫だと評価している

という2点を伝えておくとよいでしょう。
 
例)
「キミは、フォローしなくても大丈夫だと評価しているよ」

このとき褒めのニュアンスを入れると増長させてしまうので、極力ニュートラルに伝えるようにします。自己愛が強い人はそれでも褒められていると受け止めるので大丈夫です。
 

悪気がないからこそ距離感が必要

ナルシストさんたちは、悪意があって利己的に振る舞ったり、人を許さなかったりするわけではありません。自己愛が強すぎるがゆえに認知が歪んでしまう、つまり悪気なく人を傷つけてしまうケースの方が多いでしょう。

実はこの「悪気がない」というのがやっかいなポイントです。悪気があれば、一度トラブルを起こした場合、次から気をつけるということが望めますが、悪気がない場合には問題行動を繰り返してしまいがち。自分の家族など「時間とエネルギーをかけても直したい」と強く思うケース以外では、心の準備をしつつ、上手に距離感を保つという対策がよいでしょう。


<参考文献>
・Emmons, R. A. (2000). Personality and forgiveness.
・Raskin, R., & Terry, H. (1988). A principal-components analysis of the Narcissistic Personality Inventory and further evidence of its construct validity. Journal of personality and social psychology, 54(5), 890.

 

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