令和では通用しない?「俺についてこい!」タイプの上司の特徴 

部下と向き合う上司

強引に部下を引っ張るタイプの上司はもう古い? 令和時代に求められるリーダー像は、何が違うのでしょう。

「俺についてこい!」とアグレッシブに部下を引っ張り、突き進んでいくタイプの上司。一見、頼りがいがありそうにも感じますが、部下の主体性を奪い、自信とやる気をつぶしてしまう危うさもはらんでいます。
 
いわゆる”体育会系””オラオラ系”などとも言われますが、こうしたタイプの上司は、自分の仕事の進め方に自信があり、「このやり方で数々の実績を残してきた」という誇りがあるのでしょう。たしかに、そうした上司から学べることはたくさんありますし、自分にも部下にも厳しい熱血上司は、少し前の時代では典型的な上司像だったかもしれません。

しかし、変化の激しい令和の現代では、人の多様なものの見方、考え方を取り入れながら、時代の変化に上手に乗って行動していかなければなりません。そのためには、老いも若きも柔軟性が求められ、とくにビジネスの世界ではその傾向が顕著です。こうしたなか、上司のやり方を強く押し付けられる一方では、部下も組織もつぶれてしまいます。
 

高圧的な上司が指揮する職場は、「心理的安全性」が低い?

「心理的安全性」という言葉をご存じでしょうか? あの有名な世界的企業「Google」社内で高い生産性を誇るチームの特性を分析したところ、立場の上下に関係なく、誰もが素直な感情や率直な意見を語り合える職場、つまり「心理的安全性」の高い職場であることが、生産性に大きく寄与していたことがわかりました。
 
部下は、上司のように仕事における豊富な知識や経験があるわけではありません。そのため、上司に少し質問をするだけでも「無知だなぁ」と思われて評価が下がらないかな、自分から提案をすると「そんなものは意味がない」と一笑に付されないかな……と、部下の心は不安になりやすいのです。
 
力強く高圧的な上司の下では、部下は上のような心境になりやすく、「心理的安全性」が保たれなくなります。すると、部下の心には仕事への意欲と主体性が失われ、働きにくさを感じてしまいます。「心理的安全性」についてさらに詳しく知りたい方は、「仲間を蹴落とすと会社の生産性は下がる!心理的安全性とは」記事もあわせてご覧ください。
 

強引な指導やパワハラが生む「指示待ち」体質

力強い上司にとっては、部下の考え方や仕事への取り組み方は未熟に感じられることが多いのかもしれません。でも、その思いのままでは部下のことを認められず、自分のやり方を押し付けるだけの関係になってしまうでしょう。すると、部下にとってはパワハラ的な威圧感にしか感じられなくなってしまいます。
 
「何を言っても上司に否定される」と思うと、部下は意見を言えなくなってしまいます。これが続くと、部下からは主体性が失われて「指示待ち」の姿勢になります。すると上司には部下への不満が増えていき、「高圧的態度」と「受け身姿勢」の悪循環が生まれてしまいます。
 
では、部下に頼られ、慕われる上司になるには、何が必要なのでしょう。上でお伝えしたように、上司が心理的安全性の高い職場をつくることが大切ですが、そのためには上司が取り組むべきことがあります。ここでは、私がお勧めしたい2つの手法をお伝えします。
 

1. 豊かな人間性を磨く……凛とした態度、柔らかな態度、細部の表現

部下に頼られる上司には、豊かな人間性が必要です。凛とした態度で自らルールを守り、仕事を進めていく上での指針を示していく。同時に、相談したくなるような柔らかな態度を兼ね備えている。自らこのような豊かな人間性を育むよう、努力していく必要があります。
 
また、言葉遣いひとつ、字の書き方、メールの書き方一つに人間性が現れます。乱暴な言葉遣い、殴り書きの伝言文、感謝の言葉一つないメール。こうしたものを受け取ると、部下は上司の人間性を疑い、人として尊敬できなくなってしまいます。
 
人間性を高めるには日頃の積み重ねが大切ですが、自分を律しながら周りの人にやさしく、このように豊かな人間性を築いていくことが、上司になる人には必要です。
 

2. 「Yes but」より「Yes and」! 部下の意見を引き出し主体性を高める

強引なタイプの上司は、部下の話を最後まで聞く前に自分が思う“正解”を伝えてしまいます。たしかに、経験豊富な上司の意見がベストなのかもしれませんが、これが続くと部下は何も言えなくなってしまいます。
 
コミュニケーションスキルのひとつに、「Yes but」「Yes and」という言葉があります。「Yes but」とは「そうだね。だがしかし……」という話し方。たとえば、部下から何かを提案されたときに「なるほどね」と受け取っても、「でも、その意見はここがダメだね」というように始めから「No」を突き付けてしまう。すると、部下はそれ以上何も考えなくなり、上司の”正解“を待ってしまうようになります。
 
一方の「Yes and」も、同じように部下の意見を「Yes」(「なるほど、よく考えたね」など)で受け取りますが、その後、部下の意見を「and」で引き出します。「この部分をさらに良くするには、どうしたらいいと思う?」というようにです。そうして引き出された案に上司のアドバイスをプラスすることで、部下の主体性を上手に高めながら、仕事の精度も上げていくことができるのです。
 
以上の2つのポイントのように、凛とした姿勢、柔らかな態度、細部の表現に配慮をすることで人間性を磨いていくこと、そして、「Yes and」の会話を増やすことで部下の主体性を高めていくこと。まずはこの2つを意識することで、部下に頼られて慕われる「令和時代のリーダー像」にぜひ近づいていきませんか?
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