《目次》
高齢者人口は2024年にピークとなります
70歳までの就業機会確保措置の導入
在職老齢年金制度の緩和
在職定時改定の導入
年金受給開始年齢の拡大
まとめ
 

高齢者人口は2024年にピークとなります

総務省統計局のデータ(2019年)によると65歳以上の高齢者人口は約3588万人であり、日本における総人口の28.4%を占めています。
65歳以上,高齢者,総務省,28.4% 

65歳以上の高齢者は日本人口の28.4%です



また国立社会保障・人口問題研究所が出している人口推計によると、高齢者人口は2024年にピークを迎え3935万人(総人口の36.1%)まで増加したのち減少に転じますが、一方で出生率の低下もあり比率としては36~38%のまま推移すると考えられています。

このような現状を踏まえ、国は老齢者が活躍できるよう働きやすい制度を整える一方で、年金についてもさまざまな見直しを行っています。

《参考》国立社会保障・人口問題研究所
 

70歳までの就業機会確保措置の導入

働く意欲のある高齢者がいつまでも活躍できるよう、努力義務ではありますが企業には70歳までの「高年齢者就業機会確保措置」が求められることになりました(2021年4月施行)。

これまでも企業には「定年制の廃止」「65歳までの定年引き上げ」「希望者全員の65歳までの継続雇用制度の導入」いずれかの「高年齢者雇用確保措置」が義務付けられていましたが、年齢の70歳への引き上げに加え、新たに「創業支援措置」を含めた措置が求められたわけです。

●創業支援措置●
・フリーランスや自営業となる社員との業務委託契約を結ぶ
・社会貢献事業へ従事することへの支援
高年齢者,就業確保措置,創業支援措置

高年齢者就業確保措置には創業支援措置が新たに加わりました



「創業支援措置」を新たに加えた今回の改正は、65歳以降の高齢者にとっては働き方の多様性を広げるとともに、企業にとっても雇用契約によらない措置を取ることが可能になるため、社会保険面などでのコストを抑えることができるのではないでしょうか。

《参考》厚生労働省 高年齢者雇用安定法改正の概要
 

在職老齢年金制度の緩和

現在、老齢厚生年金をもらいながら働く場合、年金額と賃金の月額合計が60~64歳であれば28万円、65歳以上ならば47万円を超えてしまうと、その超えた全部または一部の年金が減らされる「在職老齢年金制度」というものがあります。

これが2022年4月からは60~64歳の方も47万円に緩和されることになりました。まだ気力も体力も十分なシニア層にとって、働くと年金がカットされてしまうのではモチベーションが下がるとの意見がありましたが、この緩和で60代前半の方も賃金をあまり気にせずに働くことが可能になるのではないでしょうか。
 

在職定時改定の導入

現在の制度では65歳以上で老齢厚生年金をもらいながら働く方は、退職し厚生年金を脱退しなければ年金額の改定が行われませんでした。これが2022年4月以降は退職せずとも65歳以降に払い込んだ保険料は毎年10月分からの年金額に反映されることになります。
2022年,4月,在職定時改定

2022年度から在職定時改定制度が導入されます



働きながら老齢厚生年金を受給する一方で年金保険料も払っている方にとっては、払い込んだ保険料が毎年の年金額に反映することはモチベーションアップにつながるのではないでしょうか。
 

年金受給開始年齢の拡大

年金受給開始年齢は本来65歳ですが、本人が希望すれば60~65歳の間で受給を開始できる「繰り上げ受給」もしくは66(注1)~70歳の間で受給を開始できる「繰り下げ受給」を選ぶことができます。

なお制度の利用にあたっては繰り上げ1カ月あたり年金額が0.5%減額、繰り下げ1カ月あたり年金額が0.7%増額されます。
年金受給,開始年齢,75歳,引き下げ

年金受給開始年齢が75歳まで選択可能になります



2022年4月以降は繰り上げによる減額率が0.5%→0.4%(注2)と引き下げられる一方で、繰り下げの増額率は0.7%と変わりませんが受給開始可能年齢が75歳(注3)まで広がります。

老後の働き方や資金状況などにあわせて、より受給の繰り上げ、繰り下げの選択枝が広がると言えるでしょう。

(注1)65歳0カ月~65歳11カ月までの間は繰り上げできないことに注意が必要
(注2)2022年4月以降に60歳になる方から適応、現在繰り上げ受給者の減額率の変更はない
(注3)2022年4月以降に70歳になる方から選択可能

《参考》厚生労働省 年金制度改革法(令和2年法律第40号)

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。将来的に65歳以上の高齢者が人口の4割になることを踏まえ、国は高齢者に対する各種の制度改革を行っていることがおわかりになりましたでしょうか。

今後高齢者が増えていくにつれ、高齢者を対象とした施策は拡充していくと思われます。それを踏まえた上で、現役時代から老後のライフプランを考え準備しておけば、より充実した老後が送れるようになるのではないでしょうか。

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