次に「毒である」について説明すると、それを食べただけでやせる食品は人間の生理作用を何かしら強制的に阻害する食品で、用量を間違うと必ず副作用があることを表現しています。これは、食品ではなく医薬品としてのダイエットピル(やせ薬)も同じで、全く副作用のないダイエットピルはこの世に存在しません。なぜなら、食品を摂取しエネルギーを生産したり、体を作る栄養を吸収したりする行為は人間の生命の維持に関わる根源的な生理作用であり、それを阻害すること自体が生命の維持に不利な状況を作る行為そのものであるとも言えるからです。最も単純な問題を提起すれば、飲むだけでやせるわけですから、そのことだけでも飲み続ければ死に至ることを表しています。ちなみに、先の中国製のダイエット食品に含まれていた未承認の医薬品成分「フェンフルラミン」は、つい数年前(1997年)までは「フェンフェン」や「リダックス」という名称のダイエットピルの主成分として使用されていました。しかし、これらのダイエットピルは服用を続けると心臓の弁が不調となり、血液の逆流を起こす可能性があることなどが分かったため、米食品医薬局(FDA)の指示により回収されるに至っています。
結論を言えば、それを食べるだけで(生活を全く変えなくても)やせる食品には、必ず副作用がありますので、使用する場合にはリスクを十分分析し、当然健康に害のない範囲で使用すること(基本的には医師の処方するもの以外は使わないこと)。さらに、食べるだけでやせると宣伝しながらも、全く安全であるという食品については、本当はやせるほどの成分が入っていないか、業者が十分なリスク分析をしていない商品ですから、使用しないことをおすすめします。
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※ダイエットは個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して体調不良を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮したうえで、正しい方法でおこなってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。