「朝食抜きダイエット」は是か非か?
忙しい朝、1分でも長く寝ていたい……という人は試してみては?
「1日30品目を目標に食事をしましょう!」そんな合言葉を聞いたことがありませんか?
実は最初にこれを言い出したのは厚生省(※平成13年に厚生労働省に変更)で、疾病予防や健康づくりの観点から策定した「食生活指針」というものにおいてでした。そしてこの食生活指針、平成12年3月に新たに作り直されたんですが「1日30品目」はその時、跡形もなく消されてしまいました。
当時新聞でも話題になりましたが、なぜこの「1日30品目」が消されてしまったのか? それは30品目にこだわるあまり食品の過剰摂取をする人がでできたからです。つまり、健康的で常識的であっても、断片的な情報が一人歩きするとかえって健康に良くないこともあるということです。
ダイエットにおいてもそのことが言えます。健康的・常識的な情報であってもそれが固定観念化するとかえってダイエットを難しくすることがあるんです。
前置きが長くなってしまいましたが、そういう観点から、あまり一般的ではなく、健康的ではないかもしれないけど、ダイエットにおいては有効な方法論としておすすめできる「朝食抜き」ダイエット法2つを紹介します。
BOOCSダイエット
1つ目は、九州大学健康科学センターの助教授、藤野武彦先生が提案する「BOOCSダイエット」。「1日1快食ダイエット」として紹介されることもあります。基本的には1日1回しか食事をしない代わりに、その1回の食事を心ゆくまで楽しむことで、ダイエットにおけるストレスを減らすことを重視するダイエット法です。厳密に言うと朝食で快食をしても良い(朝食を食べてもよい)ダイエット法ですが、現代人のライフスタイルを考えると朝食と昼食を抜くか軽めにして、夕食を思いきり楽しむのがベターであると著者もおっしゃっています。
朝だけダイエット
もう一つの「朝食抜き」系のおすすめダイエット法は、その名も「朝だけダイエット」。医師の風本真吾先生が提唱するダイエット法で基本理念は「それまでの食生活から400キロカロリー減らしましょう。その400キロカロリーというのは、朝食で摂取するカロリーに相当するから、その朝食をそのまま抜いてしまいましょう!」というものです。こちらは朝食だけを抜くダイエット法なので、BOOCSダイエットより効果はゆるやかですが、取り組みやすさとしてはこちらの方が上です(私の体験では)。
以上、「朝食抜きダイエット法」としてこれら2つのダイエット法を紹介しましたが、実際にはどちらも専門的な見地から研究された理論的裏付けのあるシステマティックなダイエット法なので、実行してみたい方は下記の書籍を一読されることをおすすめします。
なお、ダイエットからはちょっと離れた話になりますが、「朝食を摂らなければ必ず不健康になる」という固い信念をお持ちの方は、こちらも医師の渡辺 正先生が書いた「朝食有害説」(情報センター出版局)などを読まれて、一度食習慣に関する固定観念を払拭してからダイエットに臨んだほうが、どんなダイエット法を用いるにしてもより効果的ですよ。
【参考書籍】
「BOOCS至福のダイエット革命」(藤野武彦著 講談社)
「お医者さんが考えた「朝だけ」ダイエット」(風本真吾著 王様文庫)