VPN接続とは?
テレワークが当たり前のように普及してきている中で、自宅だけでなく、カフェやレンタルスペースでも仕事をする機会が増えているのではないでしょうか。自宅以外の場所で仕事をする際、たとえ無料で提供されているWi-Fiサービスがあっても、便利に感じる反面、セキュリティに関しては不安を感じますよね。
そこで今回ご紹介するのが、情報漏えい・改ざん対策として有効な「VPN接続」。
VPN接続とは、Virtual Private Networkの略です。技術的な解説をすると難しくなってしまうため割愛しますが、簡単に言うと、インターネット上に特定の人だけが利用できる仮想の専用線を設定し、通信を暗号化してセキュリティ上安全にデータのやり取りができるようにする仕組みのことです。
今回は、VPNの利用シーンからおすすめのVPNサービス、気をつけるべきことまで、簡潔にお伝えしたいと思います。
安全にインターネットが楽しめるVPN接続とは
VPNの利用シーン
VPNの利用シーンとしては、全国に複数の支社を持つ企業などでは、接続する拠点に専用のルーターを設置して相互通信を行ったりしていますが、他にも有効な場面があります。(1)テレワーク環境のセキュリティ対策
1つ目が、テレワーク環境のセキュリティ対策の一環として利用する場合。
自宅やカフェから、会社のメールやデータ、社内システムへ安全にアクセスできるVPNは、テレワークにおいて非常に便利です。
また、手持ちのパソコンやモバイルデバイスからオフィスにある自分のパソコンを遠隔で操作できる「リモートアクセス(リモートデスクトップ)」という機能を利用する際も、VPNの接続環境が必要になります。
(2)無料Wi-Fiなどを安全に使うため
もう1つが、無料Wi-Fiなどを安全に使うために活用する場合です。
無料Wi-Fiは公衆サービスで、通信が暗号化されていないため、通信内容を盗み見されるなどのリスクがあります。
この無料Wi-Fiの利用時にVPNを使うと、デバイスとアクセスポイントの通信内容が暗号化されるため、攻撃に対してより強固にガードすることができます。
VPN接続の種類と特徴
VPNは大きく分けて「インターネットVPN」「IP-VPN」の2種類があります。特徴はそれぞれ以下の通り。いずれも、サービスの事業者を選んで申し込み、PCやスマートフォンにインストールしたアプリケーション経由で利用(接続)する形になります。
インターネットVPN
・既存のインターネット回線を利用した接続
・低コストで利用できる
・通信速度は利用するインターネット環境に依存する
・IP-VPNよりは情報漏えいのリスクが高い
・個人、企業どちらでも利用しやすい
IP-VPN
・通信事業者と契約者だけが利用できる閉鎖的な接続
・コストは高め
・通信速度は高速で安定している
・高いセキュリティ性
・企業の拠点間で利用することがほとんど
IP-VPNはより専用線に近いイメージですが、専用線が通信の安定性に優れる一方、VPNのほうが安く手軽に調達でき、運用・管理の手間も少なくて済みます。
上記の特徴を踏まえ、テレワークや無料Wi-Fiのセキュリティ対策として利用する場合は、一般的に「インターネットVPN」のほうを利用することになります。
おすすめのインターネットVPNサービス
VPNには無料のサービスもありますが、個人情報を悪用されるケースや、VPNアプリによる詐欺被害などもあったことから、信頼性の高い有料サービスを使うようにしましょう。サービスを選ぶポイントは、安定性、速度(海外事業者の場合は日本にサーバーがあるか)、同時に接続できるデバイス数、サポート体制、価格などですが、手っ取り早くおすすめのサービスは?と聞かれたら、世界中で広く利用されている「NordVPN」「ExpressVPN」あたりを挙げます。
・NordVPN
https://nordvpn.com/ja/
・ExpressVPN
https://www.expressvpn.com/jp
たくさんのデバイスを利用している場合は、同時接続デバイス数が無制限の「Surfshark」もおすすめ。
・Surfshark
https://surfshark.com/ja/
なお、上記はすべて海外事業者になりますが、日本語でのカスタマーサービスが受けられる国内事業者から選びたい場合は、「セカイVPN」「Millen VPN」あたりがおすすめです。
・セカイVPN
https://www.interlink.or.jp/service/sekaivpn/
・Millen VPN
https://millenvpn.jp/
無料Wi-Fi、VPNを使う際の注意点
PCやスマートフォンから無料Wi-Fiや野良Wi-Fiに接続する際は、VPN接続以外にも、次の点に気をつけましょう。・ブラウザで怪しいサイトを開かない
・URLが「https」で始まっているサイト以外で個人情報を入力しない
・信頼できるソフト・アプリ以外は極力使わない
なお、VPN接続があればセキュリティ対策が万全というわけではありません。
VPN接続自体は、高度なセキュリティが担保された仕組みなのですが、公衆回線を利用していることには変わりないため、社外から利用する場合は、盗み見などの被害に遭わないよう、細心の注意が必要です。
また、VPNを導入すると、確かにウイルス感染のリスクは低くなりますが、ゼロにはなりません。
セキュリティ対策ソフトをインストールしたうえでVPN接続する、必要のない場合は接続を切るなど、ルールを定めて適切に利用しましょう。