Google スプレッドシートの使い方

スライサーを活用してグラフや表を分析しよう! Googleスプレッドシートの便利機能

表やグラフを作る目的は、データを目に見える形にして分析し、仕事や研究等で役立つ知見やヒントを得ることです。今回は、Googleスプレッドシートで作った表やグラフをさまざまな角度から分析するとき便利な「スライサー」という機能を紹介します。

井上 健語

執筆者:井上 健語

ワード(Word)の使い方ガイド

表やグラフをいろいろな角度から分析できる「スライサー」

Googleスプレッドシートで作成した次の表とグラフをご覧ください。これは、全国チェーンを展開する企業のある月の売上をイメージしています。左側に出店している都道府県の売上をまとめた表があり、その表をもとに棒グラフを作っています。
ある月の各支店の売上です。左側の表をもとにして右側の棒グラフを作っています。

ある月の各支店の売上です。左側の表をもとにして右側の棒グラフを作っています

あなたがこの会社の社長なら、この表とグラフを見て、どんなことを考えるでしょうか。例えば私が社長なら、次のようなことを知りたい、確認したいと思うと思います。

・東京、大阪、愛知の売上だけ見たい
・四国の拠点の売上はどうなっている?
・売上100万円以下の拠点が心配なので確認したい
    :

このように、作った表やグラフを分析して、いろいろな角度からデータを検討したいとき便利な機能が「スライサー」です。

といっても、はじめてだとピンとこないと思いますので、ここからは、具体的な操作を通じてスライサーを紹介したいと思います。
 

東京、大阪、愛知の売上だけ見たい

まずは、「東京、大阪、愛知の売上だけ見たい」という要望に応えましょう。操作は次のとおりです。

▼1. グラフを選択して全体が枠で囲まれた状態にします。
1.グラフを選択して全体が枠で囲まれた状態にします。

グラフを選択して全体が枠で囲まれた状態にします

▼2. [データ]の[スライサー]を選択します。
2.[データ]の[スライサー]を選択します。

[データ]の[スライサー]を選択します

▼3. 「最初に列を選択してください」という黒いバーが挿入されます。これがスライサーです。また、右側にはウィンドウが開き、列として「支店」「売上」を選択できる状態になるので、ここでは「支店」を選択します。
3.「最初に列を選択してください」という黒いバーが挿入されます。これがスライサーです。また、右側にはウィンドウが開き、列として「支店」「売上」を選択できる状態になるので、ここでは「支店」を選択します。

「最初に列を選択してください」という黒いバーが挿入されます

▼4. 右側のウィンドウは不要なので、[×]をクリックしてウィンドウを閉じます。
4.右側のウィンドウは不要なので、[×]をクリックしてウィンドウを閉じます。

[×]をクリックしてウィンドウを閉じます

▼5. スライサーをドラッグして位置を調整します。ここではグラフの右上に移動しました。
5.スライサーをドラッグして位置を調整します。ここではグラフの右上に移動しました。

スライサーをドラッグして位置を調整します

以上で準備完了です。ここからは、スライサーを操作して表とグラフを分析し、東京、大阪、愛知の売上だけを見てみましょう

▼1. スライサーの左端の漏斗(ろうと)のようなボタンをクリックします。または、右端の「すべて」という表示をクリックします。
1.スライサーの左端の漏斗(ろうと)のようなボタンをクリックします。または、右端の「すべて」という表示をクリックします。

スライサーの左端の漏斗(ろうと)のようなボタンをクリックします

▼2. メニューが表示されます。メニューにはすべての支店の先頭にチェックマークが付いています。これは「すべての支店のデータを表示していますよ」という意味です。そこで、まずは[クリア]をクリックします。
メニューが表示されます。メニューにはすべての支店の先頭にチェックマークが付いています。これは「すべての支店のデータを表示していますよ」という意味です。そこで、まずは[クリア]をクリックします。

メニューが表示されるので、まずは[クリア]をクリックします

▼3. 支店の先頭に付いていたチェックマークが消えました。
3.支店の先頭に付いていたチェックマークが消えました。

支店の先頭に付いていたチェックマークが消えました

▼4. 東京、大阪、愛知をクリックして、それぞれにチェックマークを付けます。付けたら[OK]ボタンをクリックします。
4.東京、大阪、愛知をクリックして、それぞれにチェックマークを付けます。付けたら[OK]ボタンをクリックします。

東京、大阪、愛知をクリックして、それぞれにチェックマークを付けたら[OK]ボタンをクリックします

▼5. 表とグラフが東京、大阪、愛知のデータだけになります。続けて、元に戻す操作も紹介しておきます。
5.表とグラフが東京、大阪、愛知のデータだけになります。続けて、元に戻す操作も紹介しておきます。

表とグラフが東京、大阪、愛知のデータだけになりました

▼6. スライサーの左端の漏斗型のボタン、または右端の「3/15」という表示をクリックしてメニューを開きます。開いたら[すべて選択]をクリックします。
6.スライサーの左端の漏斗型のボタン、または右端の「3/15」という表示をクリックしてメニューを開きます。開いたら[すべて選択]をクリックします。

スライサーの左端の漏斗型のボタン、または右端の「3/15」という表示をクリックしてメニューを開きます

▼7. すべての支店がチェックされたら[OK]をクリックします。
7.すべての支店がチェックされたら[OK]をクリックします。

すべての支店がチェックされたら[OK]をクリックします

▼8. すべての支店が表示されて、表とグラフが元の状態に戻りました。
8.すべての支店が表示されて、表とグラフが元の状態に戻りました。

すべての支店が表示されて、表とグラフが元の状態に戻りました

以上がスライサーの基本的な使い方です。同じようにして「四国の拠点の売上はどうなっている?」も分析もできるのが分かると思います。スライサーのメニューを表示して、四国(高松、松山、高知)の拠点だけチェックすればいいだけですね。
 

100万円以下の拠点だけ確認したい

ここまでの方法では、支店を指定して分析することはできますが、冒頭に述べた「売上100万円以下の拠点が心配なので確認したい」のような分析はできません。それを実現するには、売上用のスライサーを追加する必要があります。具体的な手順は次のようになります。

▼1. グラフをクリックして選択したら、[データ]の[スライサー]を選択します。
1.グラフをクリックして選択したら、[データ]の[スライサー]を選択します。

グラフをクリックして選択したら、[データ]の[スライサー]を選択します

▼2. 右側のウィンドウで列として「売上」を選択します。
2.右側のウィンドウで列として「売上」を選択します。

右側のウィンドウで「売上」を選択します

▼3. 挿入されたスライサーをドラッグして位置を移動します。右側のウィンドウは閉じてかまいません。これで準備完了です。
3.挿入されたスライサーをドラッグして位置を移動します。右側のウィンドウは閉じてかまいません。これで準備完了です。

挿入されたスライサーをドラッグして位置を移動します

▼4. 売上のスライサー左端の漏斗型のボタン、または右端の「すべて」という表示をクリックしてメニューを開いたら、[条件でフィルタ]をクリックし、表示されたメニューで「なし」をクリックします。
4.売上のスライサー左端の漏斗型のボタン、または右端の「すべて」という表示をクリックしてメニューを開いたら、[条件でフィルタ]をクリックし、表示されたメニューで「なし」をクリックします。

 売上のスライサー左端の漏斗型のボタン、または右端の「すべて」という表示をクリックしてメニューを開いたら、[条件でフィルタ]をクリックし、表示されたメニューで「なし」をクリックします

▼5. メニューが表示されたら「以下」を選択します。
5.メニューが表示されたら「以下」を選択します。

メニューが表示されたら「以下」を選択します

▼6. 「値または数式」の入力欄に「1000000」と入力します。
6.「値または数式」の入力欄に「1000000」と入力します。

「値または数式」の入力欄に「1000000」と入力します

▼7. メニューの[OK]をクリックします。これで、条件として「100万以下」を指定したことになります。
7.メニューの[OK]をクリックします。これで、条件として「100万以下」を指定したことになります。

メニューの[OK]をクリックします

▼8. 表とグラフが売上100万円以下のデータに絞り込まれて表示されます。続けて、元に戻す手順も確認しておきましょう。
8.表とグラフが売上100万円以下のデータに絞り込まれて表示されます。続けて、元に戻す手順も確認しておきましょう。

表とグラフが売上100万円以下のデータに絞り込まれて表示されます

▼9. スライサーの左端の漏斗型のボタン、または右端の「条件」という表示をクリックしてメニューを開きます。次に[条件でフィルタ]の「以下」をクリックします。
9.スライサーの左端の漏斗型のボタン、または右端の「条件」という表示をクリックしてメニューを開きます。次に[条件でフィルタ]の「以下」をクリックします。

スライサーの左端の漏斗型のボタン、または右端の「条件」という表示をクリックしてメニューを開き、[条件でフィルタ]の「以下」をクリックします

▼10.  メニューが表示されたら「なし」を選択します。
10.メニューが表示されたら「なし」を選択します。

メニューが表示されたら「なし」を選択します

▼11. [OK]をクリックします。
11.[OK]をクリックします。

[OK]をクリックします

▼12. 表とグラフが元に戻りました。
12.表とグラフが元に戻りました。

表とグラフが元に戻りました

 

スライサーを削除すればすべて元に戻る

以上がスライサーの使い方です。データが少ないので、これだけだと「たいしたことない?」と感じるかもしれませんが、支店数が増えるなど、もっと大量のデータだったら、データをさまざまな角度から分析することで、最初の表・グラフでは分からなかった傾向をつかんだり、ヒントを得たりできることが想像できると思います。

Googleスプレッドシートで作成した表やグラフの表示を切り替えてさまざまな角度から分析したいときは、スライサーをぜひ活用してください。

なお、スライサーが不要になったら、選択して[Delete]キーを押せば削除できます。削除すると、データの絞り込まれた状態も解除されて、もとの表とグラフに戻ります。

最後ですが、今回使用したサンプル文書を共有して、閲覧可能にしておきましたので、実際に操作して試してみてください。また、データ等をコピーして、自由に使っていただいても問題ありません。
 

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