おしぼりの畳み方やマナー
飲食店に入ったら出されるおしぼりですが、皆さんはどんな使い方をしていますか? いつも何気なく使っているので、気にも留めなかった方が多いのではないでしょうか。実はおしぼりの使い方にも守らなければならないマナーがあるのです。意外とやってしまうNGな使い方をしっかり押さえて、正しくきれいな使い方を食事の機会にぜひ活用してみてくださいね。<目次>
おしぼりの起源
おしぼりの歴史は東日本おしぼり協同組合によると「古事記」や「源氏物語」が書かれた時代までさかのぼるそうです。公家が客人を家に招く際に提供した濡れた布。それが江戸時代になると木綿の手ぬぐいが普及し、旅籠(はたご)と呼ばれた宿屋の玄関に、旅人のために水を張った桶と手ぬぐいが用意されるようになりました。客は手ぬぐいを桶の水に浸してしぼり、汚れた手や足をぬぐいました。この“しぼる”という行為が、おしぼりの語源になっているといわれています。おしぼりの粋な大人の受け取り方
一般的に飲食店に入ってテーブルに着いたら、お店の方がお水とおしぼりを持ってきてくれます。直接おしぼりを手渡ししてくれる場合の受け取り方の基本は、片手で受け取り、もう片方の手に持ち替えます。その時に「ありがとうございます」とお礼の言葉と一緒に受け取るとお店の方も嬉しいですよね。良い印象を伝えられます。左手と右手に決まりはありませんので利き手、またはおしぼりに近い方の手を使えばよいでしょう。右手で受け取った場合は、左手で持ち替えて広げてから、両手で拭きます。はじめからおしぼり受けに置いてある場合も、同じように取ればよいでしょう。
手を拭く以外はマナー違反! 食事中のおしぼりの使い方
よく見られるのは、おしぼりの表面で指を無造作に拭くということです。もし食事中に指先など手が汚れた場合、表面ではなく、内側の見えないところで拭いてください。おしぼりは手を拭くものです。口元が食事で汚れたから、手元にあるおしぼりでさっと拭くなんてことはしないでください。拭くときはおしぼりではなくナプキン(紙ナプキン)を使います。なければ自分のハンカチかティッシュを使用しましょう。手を拭く以外はマナー違反です。
おしぼりを使った後の衛生的な畳み方
拭いた部分を内側に入れて折り畳みます。なぜなら手を拭いたおしぼりには雑菌がついてる可能性があるためで、外向きに向けて折り畳むのは不衛生だと思います。また手を拭いたために表面が汚れ、見えてしまうと見苦しいですよね。汚れたところを隠すというのが粋な大人の作法といえましょう。使ったおしぼりは、2つ折りにして、くるくるっと丸めておしぼり台に戻します。なければ直接テーブルにきちんと畳んで置いておきましょう。
袋入りのおしぼりの場合、大きく裂けないように丁寧に破ったビニールの上に、二つ折りに畳むか丸めて置きます。使用後は袋の中には戻さないように。
テーブル、口や顔を拭く……やってはいけないおしぼりマナー
コップの水滴がテーブルについた、また食べ物の汁を落としてテーブルが汚れたとき、とても気になりますよね。汚れが気になるなら、お店の方に頼んで拭いてもらいましょう。間違ってもおしぼりを台拭き代わりにしないでください。基本はおしぼりは手だけを拭くもの。手についた汚れをおしぼりで拭きとるのはよいのですが、テーブルの上を拭くのはNGです。当然ですが、顔や首を拭きません。また食事中についつい口を拭いてしまいがちですが、これもNG。おしぼりは使い捨てではありません。洗って繰り返し使うものなので、この後に洗って他の人が使うことを考えると、マナーはしっかりと守って使うべきですよね。
使い捨て紙おしぼりはどうする?
紙おしぼりには、まずおしぼり台が付いてくることはありません。袋も小さめなため、丁寧に破かないとその上には乗せづらいです。まずビニール全体を大きく裂けないように破ります。手を拭いた後はビニールの上に二つ折りに畳むか、くるっと丸めて置くとよいでしょう。拭いた部分を内側に入れて折り畳むのは、基本的に布おしぼりと違いはありません。手を拭く以外の使い方として、軽く口元を押さえる程度は許容範囲です。使い捨てであっても顔や身体を拭くのはマナー的におすすめできませんね。
使用した後は紙おしぼりをわざわざ袋に戻さないでください。使い捨てでもう用はないと、使用済みの食器の中に汚れた紙おしぼりを入れることはマナー違反! 食器などに張り付いてしまいお店の方が処理に困ってしまいます。別の箇所にまとめて置いておくのが見た目もきれいです。
いかがでしたでしょうか? 海外では、おしぼりを出されることはありません。日本独自のおもてなしの文化として、飲食店では必ずこのおしぼりが出されることが多いですよね。使う側からも正しいマナーをしっかり押さえて、気持ちよく食事ができたらと思います。
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