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妊婦はカフェインの摂取量に気を付けましょう
妊娠中はコーヒーなどに含まれる「カフェイン」の摂取量に注意が必要
妊婦の場合はこのほか、「妊娠中にカフェインを過剰摂取してしまうと、出生児が低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性がある」といった報告も存在します。
▽参考情報
妊娠中のカフェインは1日に200~300mgまでが定説
妊婦が摂取しても問題がないとされるカフェインの量については、WHOや各国機関からの発表が存在しますが、それぞれが掲げる量には開きがあります。英国食品基準庁(FSA)では、妊娠した女性に対して、1日当たりのカフェイン摂取量を、WHOよりも厳しい200mgに制限するよう求めています。なお、このように呼びかけられているのを不安に感じ、カフェインを含むコーヒーや紅茶は飲まないと決めてしまう妊婦さんもいるようですが、かえってストレスになってしまうことも考えられます。お茶やコーヒーには気持ちを落ち着かせる効果もあります。少量のカフェインにも過敏になるのではなく、目安量を超えなければ飲んでも問題ないと心得ましょう。
▽参考情報
妊婦がカフェインを過剰摂取した場合の胎児への影響
妊婦がカフェインを過剰摂取した場合、胎児には何が起きるのか
■世界保健機関(WHO)
- 妊婦のカフェイン摂取のリスク:胎児への影響についてはまだ確定していない
- 妊婦のカフェイン摂取量:1日にコーヒー3~4杯まで
■英国食品基準庁(FSA)
- 妊婦のカフェイン摂取のリスク:過剰摂取により出生児が低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性がある。また、高濃度のカフェインは自然流産を引き起こす可能性があることを示す証拠がある
- 妊婦のカフェイン摂取量:1日にカフェイン200mgまで(コーヒーをマグカップに2杯程度)
■カナダ保健省 (HC)
- 妊婦のカフェイン摂取のリスク:少量のカフェイン摂取はほとんどのカナダ人にとって懸念はないが、過剰摂取は不眠症、頭痛、イライラ感、脱水症、緊張感を引き起こすため、特に子供や妊婦、授乳中の女性は注意が必要
- 妊婦のコーヒー摂取量:1日に最大300mgまで(コーヒーをマグカップに2杯程度)
「カフェイン200mg」は、コーヒーや紅茶でいうと何杯分か
「妊娠中はコーヒーを飲みすぎないように」という注意喚起はよくなされますが、カフェインを含む食品はコーヒーや紅茶だけではありません。その他の食品のカフェイン含有量もチェックして、合計量が1日の摂取目安量を超えないよう気を付けましょう。■各食品のカフェイン含有量
食品 | カフェイン含有量 |
---|---|
コーヒー | 120mg/200ml(カップ1杯) |
インスタントコーヒー | 114mg/200ml(カップ1杯) |
紅茶 | 60mg/200ml(カップ1杯) |
せん茶 | 40mg/200ml(カップ1杯) |
緑茶 | 平均28mg/200ml(カップ1杯) |
コーラ | 36~46mg/355ml(1缶) |
チョコレート | 平均61mg/100g |
ココア | 平均9.3mg/100g |
■カフェイン含有量の多い食品を摂る際の目安
妊婦が1日に摂取しても問題ないとされているカフェインの量を200mgとすると、カフェイン含有量の多い以下の食品は、どの程度摂っても良いのでしょうか。換算すると以下のようになります。
- コーヒー:カップ1.7杯(1杯200mⅼとして)
- 紅茶:カップ3.3杯(1杯200mⅼとして)
- せん茶:湯呑み6.7杯(1杯150mⅼとして)
- 緑茶:湯呑み約9.5杯分(1杯150mlとして)あるいはペットボトル2.8本分(1本500mlとして)
- コーラ:2L
- チョコレート:6枚(1枚55gとして)
妊婦におすすめの「ノンカフェイン飲料」
いわゆる「ノンカフェイン飲料」は妊婦さんでもコーヒーやお茶の味を気兼ねなく楽しむことができる、おすすめの飲み物です。カフェインを全く含まない、またはわずかにしか含まないノンカフェイン飲料なら、摂取量の上限は比較的、超えにくいことでしょう。いわゆるノンカフェイン飲料には官公庁による取り決めはありませんが、カフェインを控えたい人向けの飲料は、大きく3種類に分けられます。<ノンカフェイン飲料の種類/どういう飲料か/例>
- ノンカフェイン……カフェインを全く含まない原材料だけを使ったお茶
麦茶、はと麦茶、甜茶、そば茶など - カフェインレス飲料……わずかながらカフェインを含むお茶やコーヒーからカフェインをとりのぞいたもの
カフェインレス表記のあるお茶、コーヒー - デカフェ……わずかながらカフェインを含む飲料
特にコーヒー
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