貯蓄・収入・老後の資産……誰もが抱えるお金の不安

お金不安症とは

お金の不安が強すぎると、凝り固まった考えから抜け出せなくなり、思考の柔軟性を失ってしまうことも……

経済は先行き不透明で、いつ災害や事故に見舞われるか分からない。現在の収入や貯蓄でやって行けるのか。年金の不安も報じられているし、老後に暮らしていけるだけの資金を作れるのか……。多くの人が、お金について漠然とした不安を感じることがあると思います。
 
しかし、当面暮らしていけるだけの収入や貯蓄があり、いざという時の保険にも入っている。体も健康で、働けるだけの体力もある。こうした状況であれば、思いがけず収入や貯金を失う出来事があっても、多くは再起できるもの。そして、ほとんどの人は「きっと大丈夫」「なんとかなるだろう」と思い直して、毎日を過ごすことができるものです。
 
一方で、お金に関する心配が人一倍強い「お金心配性」の方は、上のような状況であっても、「この先、収入がなくなる日が来るに違いない」「貯金なんてすぐに底をついてしまう」といった悲観的な思考から抜けられなくなってしまいます。
 

「お金心配性」の人の心理の共通点……心配事が多く、抱え込む傾向

お金心配性の方の多くは、お金以外のことに対しても心配性です。たとえば、「病気がうつるのが怖くて、買い物にも行けない」「こんなご時世で、子どもの将来はどうなってしまうのだろう」というように、心配の矛先を色々なことに向けていきます。
 
そして、負担を一人で抱えてしまうことも少なくありません。カウンセリングの場でも、たとえば夫にそれなりの収入があるのに、妻である自分もお金のために猛烈に働き、疲弊しているような「お金心配性」の方にたくさんお目にかかります。

そうした方に、「今は旦那さんも健康でしっかり働いているのだから、あなたは今、少し楽をしてもいいのでは?」と聞いてみても、「でも、夫がリストラされたら……」「いずれどんな落とし穴にはまるか、わからないし……」などと答えられます。つまり、心配を色々な方向に向け、「自分が何とかしなければ」という考え方に捉えているのです。
 

お金心配性が招く心理的悪影響……思考の柔軟性を失いがちに

上のような状態が続くと、一定の思考のループにはまり、その枠内でしか物事を考えられなくなるため、しだいに自分が追い詰められてしまいます。
 
今の状況を客観的に眺め、思考の幅を広げていけば、もっと柔軟に考えられるはずなのです。すると、凝り固まった考え方から解放され、「いまは仕事をセーブしよう。またいずれ稼げばいい」「今までの生活水準に、こだわらなくてもいい」「いまはパートナーに頼ってみよう」といった、前向きに生きていくためのヒントが見つかっていくものです。
 

お金の不安にとらわれすぎず、健やかな心理状態を保つコツ

お金不安性的な考え方から自由になるには、思考を柔軟にし、思考の幅を広げることが大切です。そのための一つに、「お金心配性を生み出すお金の使い方」をしていないか振り返ってみる、ということがあります。
 
たとえば物を買う際には、「安い」という理由だけで、好きでもないもの、品質の良くないものを買っていないでしょうか? こうしたお金の使い方をしていると、せっかくお金を使っても心は満たされません。さらには、「心を満たすためには、もっともっとお金が必要なのだ」と思ってしまいます。すると、「自分にはお金がない」という思いも強くなり、今あるお金を減らしたくないと強く思ってしまいます。

そうした自分に気づいたら、自分の心と対話し、多少高くても「これが好きだなぁ」と愛着を感じる物を一つ選んでみるといいでしょう。「安いから」という理由で、さほど好きではないものを買っても、心が満たされないために、さらに物欲が募ってしまうものです。こうした買い方をしていても、いつまでも心が満たされないため、結局は「安物買いの銭失い」になってしまいます。

それより一つだけでも、「好きだなぁ」と愛着を感じる物を買ってみましょう。すると、一つの消費で心が満たされ、それを大事に使いたいと思うので、結局は浪費も少なくなります。すると、「お金さえあれば、もっと好きなものを買えるのに」といった飢餓感も減っていきます。
 
何回かに1回でもこうしたお金の使い方をしていくと、自分は「お金がない」わけではない、愛着のあるもの、必要なものにはちゃんとお金を使えている、と実感できるようになってきます。すると、「お金がない」「お金はもっともっと必要だ」「いまあるお金もなくしてはならない」という思いにもとらわれにくくなっていきます。

経済的な不安は、誰にでもあるものです。まずは今の生活の中でも、自分自身を満たせるということを実感していきましょう。すると、お金心配性から解放されていきます。お金の不安にとらわれすぎない充実した人生を取り戻すためにも、ぜひ、できることから始めてみてください。
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