恵麻、絵茉……「えま」という女の子の名前を表す漢字の意味と成り立ち
「えま」という名前を漢字であらわすには、エと読む字とマと読む字を組み合わせます。音・訓・名乗りの上でエと読める漢字には「恵」「絵」「江」、マと読める漢字「真」「茉」「麻」などがあります。これらの字の組み合わせであれば、全てエマと正しく読めることにはなります。
「えま」という女の子の名前は、エとマの字を組み合わせる
「恵真」という字が使われることもありますが、この組み合わせの場合だけは、ケイマという読み方で男の子につける人もいます。数の上ではエマという女の子が多いですが、男女を間違えてしまわれることが無いとはいえません。
「恵」と「絵」は繊維に関する字、「江」は入江を意味する
■恵恵の字の上側は何かをまとめた状態でイトによる道具である紡錘という説が有力です。下側は心臓を描いています。ただし最古の字は心の部分がなく、糸をまいた紡錘だけの絵で「ふくらむ」「ふえる」という意味を表しました。心をつけた現在の字は「心が満たされる」という意味を表わします。
■絵
絵の字は、イトヘンは束ねた糸を描いており、会については断定できませんが、屋根の下にたくさんのものを集めた状態を表わすものと考えられます。絵は「たくさんの糸を使ったししゅう」の意味です。
■江
江の字は名づけに使う人が最近少なくなっています。工の部分は工具を打ち付ける状態を描き、「つき通す」の意味を表わします。功(力を出しとおす)、巧(徹底して身につける)、虹(空をつらぬくニジ)、攻(つき進む)、空(工具であけたスキマ)の字にも入っています。江は水と工を合わせ、陸地に入りこんだ入り江を意味します。
「真」は容器、「茉」「麻」は植物を表す
■真真の字については、人間の首を切った絵だという俗説が広まっていて気にされる人も多いですが、間違っています。最古の絵は重い容器を描いたものです。上側はフタ、あるいは中味をすくう道具と考えられます。いっぱいになった容器のことで「満たされる」の意味です。填(つめこむ)、顛(重みでさかさまになる)、鎮(重い金属)、慎(充分気にかける)、槙(固いマキの木)などの字も作られました。
■茉
茉の字の「末」は木の細い枝を描き、「先のほう」を意味します。クサカンムリと合わせ、先のほうをつみ取って使うジャスミンという植物を表わすものと思われます。茉莉という熟語で使われる字で、普通は単独では使われませんが、名前ではマの音にあてて使われます。
■麻
麻の字の「林」は長さが同じ木がある所を意味し、「整う」の意味があります。琳(形のいい宝石)、醂(味のよい調味料)の字にも含まれます。麻は屋根と林を合わせ、作業場で長さをそろえるアサを意味します。またアサの茎をこすってほぐすことも表わし、摩(こする)、磨(石をみがく)の字も作られています。
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