赤ちゃんの命名・名づけ/女の子の名前

「紬(つむぎ)」の名前が女の子に人気、意味やそれ以外の漢字は?

「つむぎ」という女の子名前がここ5~6年の間に人気です。「紬」という漢字の意味・成り立ちや、「つむぎ」と読むそれ以外の漢字をご紹介します。

牧野 くにお

執筆者:牧野 くにお

赤ちゃんの命名・名づけガイド

「紬」という漢字の意味・成り立ちは? 最近人気の女の子名前「つむぎ」

「紬(つむぎ)」の漢字は、1990(平成2)年に人名用の漢字に指定され、名前に使えるようになりました。実際に女の子の一文字の名前として人気が出てきたのはこの5~6年の間です。それでも特に急激に増えたというほどではありません。
つむぎ 名前、紬 漢字の意味・成り立ち

女の子に人気が出てきた「つむぎ」という名前、「紬」という漢字の意味や成り立ちは?

この漢字の成り立ちは、ちょっとわかりにくいと思います。もちろん糸の部分はどなたもご存じの通りですが、問題は右側の「由」が何をあらわすのか、ということです。

「由」の古代の象形文字は細長い容器を描いていて、深い所から汲み出すことから「引っぱり出す」ということをあらわします。単独の字としても、どこからか引っ張り出されるイメージをあらわし、経由、由来、理由、自由、由緒などの熟語にもなりました。

また他の漢字が作られた際にも「引っぱり出す」ということを表すために使われてきました。

袖(衣服の引っぱり出した部分)、抽(引っぱり出す)、迪(細い道)、笛(息を引っぱり出して吹く楽器)、油(細く垂れる液体)、軸(引っぱり出す棒)、宙(屋根の尖った高い部分)

などの字が作られています。

そういうわけで、糸と合わせた「紬」の字も、「糸を引っぱる」という意味を表します。繭(まゆ)の糸を引っぱることだったのかもしれません。

以前はあまり名前に使われなかったこの字がなぜ人気が出てきたのか、明確な理由はわかりませんが、この10年間くらいの間に、糸を結びつけることをあらわす「結」の字が爆発的に人気が出ていることを考えますと、人の結びつきが希薄になりやすい現代の世の中で、つなぐとか、引っぱることをあらわすイトヘンの字に魅力を感じる人が多くなったのかもしれません。
 

「紬」以外で「つむぎ」という名前に使える字は?

なお「つむぎ」と読める字は、ほかに「」の字があり、まれに女の子の名前に使われることがあります。また滅多に名前には使われませんが「」の字も辞典によっては「つむぐ」という訓読みを載せています。

紬、紡、績の字はどれも漢字一文字で「つむぎ」と読める名になるのです。では「つむぎ」というよび名を漢字二文字で表現する方法はあるでしょうか?

たとえば次のように、
「つむ」という読み方がある字=万、萬.摘、積
「ギ」と読む字=義、祇、宜、葵
の二つの字を組み合わせれば、一応「つむぎ」と読んでも間違いではない、ということにはなります。さらに津麦などとすればわかりやすい名にはなります。ただしかなり奇抜で珍しい名前にはなりますね。

特別有名人でない限り、他の人には読めなくなり、社会の中で名前として機能を果たさなくなる心配があります。名前は他人に読めるようにする、という基本のことは踏み外さないように注意は必要です。

漢字三文字で津夢義などとすれば、二字よりは読みやすくはなるでしょう。ただあまり無理をして漢字にしなくても、ひらがなの方が使いやすくはなるでしょう。

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