スライムの自由研究……考察・まとめ方
スライムの自由研究……考察・まとめ方
<目次>
- 「スライム作り」を「スライムの自由研究」にしたい!
- スライムのテーマ決定のコツ
- 仮説(予想)と、検証方法を考える
- これは失敗? 仮説と考察が違ったら
- スライムの自由研究の難しさ― 親のサポートについて
- スライムの自由研究テーマ例の使い方
- 36例! スライムの自由研究テーマ
スライム作りを「スライムの自由研究」にしたい!
スライムの自由研究でよく見られるのが、完成したスライムやその写真に、作り方と感想を書いて添えたもの。でもこれはあくまで「工作」ではあって、「自由研究」ではありません。自由研究とは、自分が分からないことを詳しく調べたり深く考えたりして、疑問を解決することですから、作るだけでは足りないのです。
自由研究のおおまかな流れは以下の通りですが、中でも大切なのは、<テーマ決定><仮説><考察>だと言えます。
- テーマを決める(問いをたてる)
- 仮説をたてる
- 仮説を検証する方法を考える
- 検証する
- 考察する
- まとめる
▽参考記事
「自由研究とは?進め方・やり方を押さえ子供の本質的学力を伸ばす」
スライムのテーマ決定のコツは「不満」と「理想」!?
スライムについて知りたいことがあるときに研究するのが本来の形なのですが、「どうしてもスライムがいい」「でも、問いが思いつかない」という方は、こちらをお試しください。それはスライムに対する「不満」、もしくは「理想」を考えること。
たとえば
- 小さい妹と一緒に遊びたいのに、ホウ砂は危ない
- きれいな形を作ってそのままにしまっておけるスライムがほしい
それらは、
- ホウ砂を使わずにスライムを作ろう
- きれいな形のスライム作り― スライムのかたさに注目する
もちろん、5W1Hなどで考えてもかまいません。ただ、普段遊んでいるものや慣れているもの、しかも「作る」方向で進めるのであれば、改善案を出してみるのは、おすすめです。
なおこの記事の最後にスライムの自由研究のテーマ例を掲載しました。テーマの広がりを感じていただけると思いますので、ぜひご覧ください。
▽参考記事
「人とかぶらない自由研究!親の上手な我が子研究でテーマ決め」
スライム自由研究の「仮説(予想)」と「検証方法」を考える
さて今回は「ベタベタ手につかないスライムを作ろう!」というテーマを例に進めていきます。※以下、実例はすべて小学校2年生がレポート用紙にまとめたものをイメージしています。
【実例1】オーソドックスにスライムを自由研究にしようと思った「きっかけ(動機)」「調べたいこと(問い)」「方法(仮説と実際の実験)」を書いた例
まずは、スライムに関する自分の問いに対して仮説をたてましょう。仮説をたてたら、どうしたらそれが検証できるかを考えます。実験、観察、調査…… 一つだけで済むこともありますし、全て行わなければならないこともあります。
こちらの自由研究では、問いから出発した結果、このようなルートで仮説・検証方法の決定にたどり着いています。
- 手につかないスライムはどうやってできるか?【問い】
- ベタベタするのは水分が多いからかもしれない【仮説】
- どうやったらスライムから水分をのぞけるか?
- キュウリに塩をふると水分が出るから、塩をかけてみよう【検証方法の決定】
これは失敗? スライム自由研究の仮説と考察が違ったら
スライムの自由研究における仮説を検証した結果、仮説と考察で別の答えが出ることもあります。仮説が必ず正しいわけではないので、仮説と沿う結果となるように、無理に操作してはいけません。また、仮説が違っていても、何かしらの発見があるはずです。ただし、判断は難しいのですが、実験の単純なミスもあります。たとえば、スライムなら混ぜるのが足りなかったり、分量の計測を間違えたりというようなことです。その可能性がある場合はやり直してみましょう。
実例でも、塩を入れることで水分を出すことには成功していますが、スライムそのものもポロポロになり、スライムとは言えなくなってしまいました。
そこで解決方法を考え、再度挑戦することにします。
【実例2】スライム自由研究における仮説の失敗例。うまくいかないと落ち込みますが、その人ならではの研究にするチャンスでもあるのです
失敗も必ず記録しましょう。「恥ずかしいから」「書くのがめんどうだから」となかったことにしてしまうお子さんもいるのですが、たとえ自由研究のキットを使っても、人と「かぶらない」レポートになるのは、この試行錯誤があるからこそです。
また、本来の意味合いとしては、「レポートの内容が再現できること」も大切です。他の人がこの実験を試してみたとき、同じところで躓かずに済みます。
スライムの自由研究の難しさ― 考察やまとめにモヤッとする親
スライムの自由研究は人気ですから、本でもインターネットでも、実に多くの情報を得ることができますし、さまざまなキットも購入できます。便利な反面難しいのが、親が情報を持ちすぎていて「正解」「失敗」の判断をしてしまうこと。
たとえば今回の例のように「手につかない(硬めの)スライムを作る」自由研究であれば、ホウ砂の量を増やす方法が一般的です(ホウ砂には、洗濯のりに入っているPVA(ポリビニルアルコール)同士をつなぐ働きがあるため。スライムは、ホウ砂の量が少ないと柔らかく、多いと硬くなる)。
【実例3】スライムの自由研究「実験2」では、洗濯のりの量を減らしています
でも、大人に比べ知識や経験が不足している子どもたちが、一般的で正しい方法をなかなか思いつけないのはむしろ当たり前。
答えは、子どもが自分で見つけるべきものであり、そうすることで試行錯誤するおもしろさや達成感を味わうことができるのです。問いについても同様です。
大人にとって物足りないことばかりでも、ぜひ応援してあげてください。自ら「知りたい」と思ったことでなければ続けるのは難しいですし、結局、お手本をなぞるような表面的な研究になってしまいます。とても好きなことがあるお子さんや、コンクール入選を狙う場合を除き、自分なりに考え、それを表現できれば充分です(それがいいのです!)。
【実例4】スライムの自由研究をさらに深めたい場合は、分子構造などについて調べてもいいでしょう。大人にとって物足りない結論でも、問いからまとめまで筋道をたてて考えられたことが、何より大切です
スライムの自由研究テーマ例の使い方
次のテーマ例は下記の用途でお使いいただけます(問い・仮説をそのままタイトルにしているものは、検証の結果「できない」になることもあります。ご注意ください)。- 同じスライムであっても、固さ・形・色など、気になるポイントは人によって違うということを知る
- 子どもがたてた問いが、自分では検証しきれないような壮大なものになってしまったとき、逆に当たり前すぎることになってしまったときに、声かけの参考にする
- 高学年や中学生でも、研究のテーマや考察の次第で、自由研究にスライムを選んでも恥ずかしくないことを実感する
36例! スライムの自由研究テーマ
- 身の回りのプルプルを探し、かたさの違いと理由を調べよう
- スライムで弾むスーパーボールを作ろう
- 虹色スライムを作ろう
- スライムとは何なのか? 不思議な感触の秘密に迫る
- スライムとは何なのか? 昔から今のスライムを作ってみる
- スライムとは何なのか? 世界のスライム比べ
- 作ったスライムを元に戻して、またスライムにすることはできるのか?
- 食べられるスライムはできるか? 食べ物だけでスライムを作る
- スライムでパフェのおもちゃを作ろう! スライムの色と固さを変える実験
- ジュースで作るカラフルスライム! 液体の成分とスライムの変化を探る
- スライムで星空を作ろう スライムに物を混ぜる実験
- 安全なスライムで赤ちゃんと遊びたい ホウ砂の代用品を探せ!
- スライムに入れる「ホウ砂」の研究 「固める」ことを考える
- 洗剤によって違う? スライムの伸び方比べ
- 手で触らなくても動かせる不思議スライムを作ろう
- 型抜きスライムを作ろう ―ホウ砂水の量と固さの関係―
- 好きなスライムはどれ? 遊びやすいスライムのかたさ調べ
- 洗濯物をパリッとさせるのりで、どうしてぷよぷよのスライムができるの?
- スライムはどうやって保管すればいいの? 増えたり減ったりするひみつ
- 音が出るスライムを作ろう
- スライムが柔らかいのはなぜか― 分子構造に着目して
- スライムで温度計を作ろう
- スライムで時計を作ろう
- 夏と冬、同じ条件でもスライムのでき上りが違うのはなぜ?
- スライム風船を作ろう
- スライムは何色なの? 固さと材料の違いによる色の変化
- カラースライムの研究 絵の具の色とスライムの固さの変化に注目して
- 人が座れる巨大スライムを作りたい!
- のびる、でもちぎれないスライム作り
- 香付きスライムを作ろう
- スライム用いたクリーナー作り 安全・長持ち・スッキリ!
- スライム作りで残った材料で、何ができるか?
- 割れないシャボン玉を作るには?
- 固体? 液体? スライムとは何か
- スライムで電池が作れるか
- スライムスーパーボールを作る― 塩析剤の研究
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