オンライン帰省でも親孝行はできる? 実家が遠くてもできる親孝行の方法
「オンライン帰省」でできる親孝行とは?
最大の親孝行は、ほんの短い時間でも自分から連絡し、親の声を聞くことです。親は子どもから連絡をもらえるだけで、自分の存在を思い出してくれたことがうれしくなり、「元気でいてくれてよかった」と安心できたりするものです。
親孝行は「する側」の心の健康にも効果的? 親切行為とオキシトシン
人と一緒に会話を楽しんだり、人に親切にして喜ばれたりすると、「オキシトシン」という脳内物質が分泌され、多幸感が得られるといわれています。親子の関係でも同様です。親の気持ちを思いやり、親切にすることで「今日はよい親孝行ができたな」という充実感を思えると、脳内にオキシトシンが分泌されて心から幸せだと思えるようになると期待できます。受け手である親の脳にも同様な効果があり、子どもに思いやってもらえることで心から幸せな気持ちになり、自分の身近にいる人にも親切にしてあげたいと感じるようになるのではないでしょうか。
心を健やかに保ち、ストレスを溜めにくくするためにも、親孝行を含めた親切行為は発信する側にとっても受け手にとっても、メリットの多いものと考えられます。
親の話を聞くときの3つのポイント・上手な傾聴法
とはいえ、実際に離れていると親孝行を実現するのは難しいものです。プレゼントを贈るだけでは味気ないですし、何か良い方法はないものかと考え続けている方も多いかもしれません。そんなときこそ、基本に立ち返ってみましょう。離れて暮らす親が子どもに望む気持ちは、何でしょう。物やお金をもらうことより「声を聞かせてほしい」「話をしたい」という純粋な気持ちなのではないでしょうか。離れていると不安が募りやすいからこそ、まずは電話をかけて声を聞かせてあげましょう。
親がスマートフォンやパソコンを使えるなら、LINEのビデオ通話やZOOMなどでビデオトークをするのもよいでしょう。遠くに暮らす実家の家族に、電話やネットを通じて連絡を取る「オンライン帰省」で親孝行をするとよいと思います。
その際の会話の方法としておすすめしたいのが「傾聴法」です。傾聴法とは、耳を傾けてしっかりと相手の話を受け止めることです。聴き方のポイントは、次の3つです。
1. まるごと受容する
良い悪いの判断をせず、相手の話をまるごと受け止めましょう。どんな話題であっても、「なるほど」「うんうん」「そうだったんだね」というように、まずは相手の気持ちをまるごと受け止めます。「それはおかしいよ」「どうしてそんなことするの?」などと自分の価値観で親の話を否定しないようにしましょう。
2. 共感的に聴く
相手の立場を想像し、その気持ちに共感しながら理解するようにしましょう。「そんなことがあったの? それはつらかったね」「なるほど、だから嫌だと思うんだね」「その状況では、そう感じるのも無理はないよね」というように相手の感情を繰り返して、一緒に味わうこと。すると、共感しやすくなります。
3. 純粋な気持ちで聴く
「何か役に立つアドバイスをしてあげよう」と気負わずに、純粋な気持ちで聴きましょう。相手の話をよく理解できなくても聞き流したりはせず、「それはどういうこと?」「具体的に言うと?」などと質問をして、相手の気持ちをしっかり理解するように努めましょう。すると、親は「私の話を純粋に聞いてくれた!」と感じて、とてもうれしくなるでしょう。
ただし、長時間傾聴を続けるととても疲れてしまいます。「30分話を聞こう」「今日は1時間を目安にしよう」などと自分なりの制限時間をざっくり決めておき、その時間のなかで心を込めて、たっぷりと傾聴するようにしましょう。
親のメンタルケアにも有効! 傾聴で憂うつや不安の解消を
傾聴法で自分の話をじっくり聴いてもらうと憂うつや不安から解放され、安心感が得られます。会いに行けない状況であれば、オンラインや電話でたっぷり親の話を傾聴してみましょう。それがなによりの親孝行になると思います。親は、子どもの声を聞くだけで存在を身近に感じて安心できるものですし、話を聴いてもらえると、日ごろのストレスから解き放たれ、気持ちがぐんと楽になるものです。ぜひ年始になったら実家に連絡を入れ、「傾聴」の親孝行をしてみてはいかがでしょうか?