独身の人の「老後資金」は書き出すことで不安解消できる

老後資金不足や老後破産に不安を抱えている独身・一人暮らしの方に向けて、独身の平均的な老後資金がいくら必要なのかを解説してみます。また、シングルの人が老後資金の不安を取り払うためにはすべてを「書き出してみる」ことがいかに重要か、何を書き出せばよいのかを紹介していきましょう。

 
独身の老後資金の心配を解決する方法

独身の老後資金の心配を解決する方法



 
1.家計平均からみた老後資金不足額
2.身の丈を把握する
(1)今のお金の使い方を知る
(2)年金見込額を調べる
(3)過不足額を出して対策を考える
(4)老後の住まい
3.進むべき方向(目標)を定めて突き進む
(1)人生の目標を決める
(2)”使う“お金と”貯める“お金と”増やす“お金を分ける
(3)知識を身に付けて実行に移す
4.おわりに
 

1.家計平均からみた老後資金不足額

まず独身世帯のうち無職世帯(平均年齢72.7歳)の家計調査結果を使って、平均的な一人暮らし世帯の老後資金不足額をみてみましょう。
独身一人暮らしの老後資金について考える

独身一人暮らしの老後資金について考える


手取収入である可処分所得が94,800円に対して、支出は142,197円、引き算すると毎月47,397円が足りないという結果になっています。65歳に現役引退して、人生100年時代ということで100歳まで生きたと仮定すると……
 
不足額47,397円×12(カ月)×35(年)=19,906,740円
 
老後資金の不足額は、約2,000万円ということになります。
 
約2,000万円は、あくまで統計から出した平均の金額です。2,000万円が必要というわけでもなければ、持っていれば安心ということでもありません。では、老後資金をどのように考えていけばよいかを解説します。
 

2.身の丈を把握する

私は普段、家計や企業経営の相談を受けているのですが、相談を受ける中でうまくいく人とうまくいかない人の違いがあると感じています。それは、相談者さんが自分自身のことをわかっているかどうかです。「自分自身のこと」には色んな意味がありますが、例えば、長所や短所、できることやできないことなどです。
 
現代でもビジネス書として多くの人に読まれている中国古典の兵法書「孫子」でも、敵と自分(味方)のことをわかっていれば百戦百勝、自分のことだけでもわかっていれば一勝一敗、どちらもわかっていないと全戦危うい、とされています。
 
ようは、老後の資金について考える時にも、節約法とか運用法などの手段よりも、まずは己(自分の今の家計の状況)を知ろうということです。そのための方法・手順を紹介します。
 

(1)今のお金の使い方を知る

まずは単純に毎月いくら使っているか、お金が減っていないかを調べます。わかっている方は読み飛ばしてください。家計簿を毎日つけるのは続けるのが大変という方は、銀行口座の残高でチェックします。毎月末の残高をエクセルや手帳に表を作り数字を書き出していくだけでも、意識づけになるのでおすすめです。
 
当たり前のことなのですが、お金を貯めていくには、

収入 - 支出 ≧ 0円

の状態にしなくてはいけません。マイナスになっている場合は何にいくら使っているのかを書き出してみてください。
 

(2)年金見込額を調べる

ねんきんネットで年金見込額を確認します。条件を変えて試算することができます。わからない場合は「かんたん試算」を使いましょう。その他に確定拠出年金などがあれば、見込額を加算していきます。これらも書き出します。
 

(3)過不足額を出して対策を考えてみる

(見込)過不足額= 年金見込額 -今の支出額
 
①まずはそのままの金額で計算
②今の時点で削れそうな費用、あるいは老後には支出の必要がなくなる費用を<今の支出額>から除いてみる
 
この時点でプラスになるようであれば、これから老後を迎えるまで、リスクを抑えた資産運用に取り組みましょう。それでもマイナスならば……

③年金を増やす努力をする
→免除期間の国民年金保険を追加で納付する(加入期間を増やす)
→確定拠出年金で金融商品を組み替えながら増やす
→年金受給開始年齢を遅らせる計画をたてる(将来制度が変わるかもしれませんが)
→給料を増やす:今の職場で頑張る、転職する、などです。

そして、④として、年金以外の資産を増やすことが大事です。
 

(4)老後の住まい

独身老後の心配ごとの1つが住まいのことでしょう。しかし、未来のことは誰にもわからないし、20-30年後は制度や仕組みは変わっているでしょうから、過度な心配は禁物です。現時点では、動けなくなった時にどのような選択肢があるのか、費用がいくらくらいかかるのかという程度の情報収集で良いと思います。

有料老人ホーム等の種類や施設の入居費用・賃料などは、各都道府県庁のホームページで説明・公表されていますので要チェックです。
 

3.進むべき方向(目標)を定めて突き進む

(1)人生の目標を決める

コンセプト、理想の生活を実現するために何が必要か、いくらかかるかを調べて書き出してみます。楽しい想像をしながら書いてみてください。現実的な想像をするなら、遺言やエンディングノートを書いてみるとよいかもしれません。(独身だけど)誰に何かを伝えるべきか、どんな最後を迎えるのがよいか、財産をどうするのかを真剣に考えることができます。
 

(2)お金を分別しておく

人生の目標も明確になったところで、次にお金をどう使い、貯め、増やすのかを考えます。次の表はお金の分別例です。自分の目標には何が必要かをしっかりと考えて分別してください。
 
独身一人暮らしの老後資金について考える

独身一人暮らしの老後資金について考える

 

(3)知識を身に付ける

お金を分けたところで、どのように貯めていくのか、お金を増やしていくのかという手段を知っておきましょう。資産運用を始める前に必ず書籍やブログ、金融機関・公的機関のホームページなどでバランスよく知識を身に付けておきましょう。
 
最低限の知識として、以下のことは身に付けておくべきです。

金利(単利と複利)
リスク
商品(株式、債券、投資信託、不動産など)
税金や制度

 
おすすめの学び方は、基礎知識を書籍で身に付け、商品知識を金融機関や協会(銀行や投信、証券業)のホームページで知り、実践方法をブログから吸収することです。不動産については、サラリーマンで大家をしている人たちのブログや不動産投資ポータルサイトを横断的にチェックしましょう。学びながら、取れるリスクの範囲内で少しずつマネをして始めてみましょう。
 

4.おわりに

書いてみることで老後資金に対する取り越し苦労をしていたことに気づいてもらえれば幸いです。これからの人生は予想外のことがたくさん起こると思うので、軌道修正しながら進んでいってください。自分の状態や目標を見えるようにしておけば、不安に感じたり道に迷うことはなくなると思います。

それから最後に、目標が曖昧だと雑念・邪念が入るので、大きな目標の下に小さな目標(短期間で達成可能な目標)をたくさん作ってみることをおすすめします。

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