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「平成」最終年度の年間上昇率が高かった投資信託は?

諸外国は1年(暦年)という期間で統計データを評価するのが一般的ですが、日本では「年度」で評価するケースもあります。国の予算や学校などが4月からスタートするのに合わせたものです。そこで平成の最終年度にあたる平成30年度(2018年度)で最も運用成績が良かった投資信託を調べてみました。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

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日本株の指数は1年間(暦年)、年度ともにマイナス

平成30年度(2018年度)の投資信託の運用成績について述べる前に、簡単に株価指数などの上昇率を確認しておきましょう。日本株ですが、日経平均株価の上昇率は▲(マイナス)1.15%、TOPIX(東証株価指数)は▲7.26%でした。2018年の1年間(暦年)で見てもマイナスでしたから、日本株の運用成績が芳しくなかったのは納得できるところです。

米国株は、NYダウの上昇率は+(プラス)7.57%、ナスダックは+9.42%でした。2018年の1年間ではNYダウ、ナスダックともにマイナスだったことを考えると、2019年に入ってから米国株が堅調に推移していることがわかります。

平成30年(2018年)の年間の投資信託の運用成績では、J-REITを投資対象とした投資信託の運用成績が良かったことから、東証REIT指数の上昇率も見ておきましょう。東証REIT指数の年度換算の上昇率は、+12.95%と二桁の上昇となっています。米国REIT指数は+21.26%の上昇と東証REIT指数を凌駕しています。米国が利上げを停止して、長期金利が低下したことが米国REIT指数が大幅に上昇した要因と考えられます。
 

海外REITを投資対象とする投資信託が好成績

では、平成最終年度にあたる平成30年度(2018年度)の投資信託の運用成績を見てみましょう。表はETFや通貨選択型、DC(確定拠出年金制度)専用商品などを除いた上昇率ベスト10の投資信託です。ぱっと見る限りでは、やはりREITを投資対象とする投資信託が目に付きます。また、為替をヘッジしていないタイプが多いのは、年度ベースでは円安/米ドル高が約4.3%進んだことが要因でしょう。

 
ETFや通貨選択型、DC(確定拠出年金制度)専用商品などを除いた上昇率ベスト10の投資信託

ETFや通貨選択型、DC(確定拠出年金制度)専用商品などを除いた上昇率ベスト10の投資信託



栄えある1位となったのは、東京海上アセットマネジメントが運用する「東京海上・グローバルヘルスケアREITオープン(年1回決算型)」で、上昇率は32.72%でした。2位には同投資信託の毎月決算型が入っています。同投資信託は、日本を含む世界の金融商品取引所に上場しているヘルスケア関連の不動産投資信託証券を投資対象としています。

世界のヘルスケア関連とはいいつつも、投資対象の80%前後は米国のヘルスケアREITが投資対象となっています。為替ヘッジを行っていないことから、米国REITの上昇に加えて円安が好成績の背景にあると考えられます。また、ヘルスケア関連は景気に左右されないディフェンシブ性があることから、昨年の長期金利急騰、株価急落の影響が軽微にすんだと考えられます。

3位は上昇率29.92%、、三菱UFJ国際投信が運用する「サイバーセキュリティ株式オープン(ヘッジなし)」が入りました。日本を含む世界の株式を主要投資対象とし、世界のサイバーセキュリティ関連企業の株式に投資されます。同投信も世界の株式と交付目論見書に記載されていますが、投資資金の80%前後は米国の株式に投資されています。近年、サイバー犯罪が増えていることから時流に乗った投資信託と言えますが、テーマ型の投資信託が長期にわたり好成績を上げ続けるのは至難の業といわれます。好成績が続くのか注目したいところです。

4位は上昇率27.55%、フィデリティ投信が運用する「フィデリティ世界医療機器関連株ファンド(ヘッジなし)」が入りました。同投信は、日本を含む世界の医療関連の機器、設備、技術等を提供する企業の株式に投資されます。同投信もやはり米国の株式への配分が投資資金の80%を超えています。上位の投資信託は、いずれも米国の株式やREITおよび米ドルの動きが運用成績を左右しています。

5位以下は主に米国REITを投資対象とする投資信託、かつ為替ヘッジを行っていないタイプとなっています。平成最終年度は、暦年同様にREITを投資対象とする投資信託の運用成績が好調でした。異なるのは、暦年ではJ-REIT、年度では米国REITを投資対象とする投資信託ということです。

令和元年はどんな投資信託の運用成績が上昇率の上位に名を連ねるのでしょうか。

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