リタイア層には分配型が好まれる?

投資信託の運用の効果(複利効果)を考えれば、定期的に分配金が支払われる毎月分配型や隔月分配型より、無分配型や1年決算型などの分配金を支払わないタイプを選ぶべきです。ただし、複利効果を期待するのは現役世代を中心とした資産形成層であり、リタイア層は複利効果よりも、定期的に分配金を受け取れる単利タイプの投資信託を好む傾向にあるようです。

 
奇数月に収入が無い不安を毎月分配型投資信託の分配金が埋め合わせてくれた

奇数月に収入が無い不安を毎月分配型投資信託の分配金が埋め合わせてくれた




一世を風靡した毎月分配型投資信託は非効率極まりない投資信託といわれていますが、定期的に分配金が支払われることから、リタイア層にニーズがあったことは確かなようです。なぜなら、リタイア層は自分が築いてきた資産を自分自身で取り崩すのが苦手な人が多いからです。このため毎月分配という仕組みを活用して、資産をストレスなく取り崩すというスタイルを好んだわけです。

また、公的年金が偶数月の隔月支給であることも、毎月分配型投資信託の人気の背景にあるといわれています。奇数月に収入が無い不安を毎月分配型投資信託の分配金が埋め合わせてくれたわけです。しかし、行き過ぎた毎月分配型投資信託の販売姿勢が金融庁の目に留まり、指導という形で販売自粛(金融機関が忖度したといわれる)となったのです。

ただ、毎月分配型投資信託をよく見ると、東京海上アセットマネジメントの「東京海上・円資産バランスファンド(毎月分配型)」や日興アセットマネジメントの「スマート・ファイブ(毎月決算型)」のように、2018年の年間資金流入額が1000億円を超える投資信託もあるのです。
 

隔月型が毎月分配型に変わる?

昨年、世界の株式市場は乱高下が繰り返されたことから、リスク管理の重要性が再認識された感があります。投資におけるリスク管理といえば、「時間分散(積立)」を活用した「国際分散投資」です。その国際分散投資を1本の投資信託で行うのが複数の資産を組み合わせて運用する「バランス型」です。そのバランス型、資金流入額が多い上位10位の運用成績は、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)よりも下落率が小さく済んでいる、言い換えればリスク低減効果が働いたといえるのです。

歳を重ねるほどリスク許容度は低くなるといわれることから、リタイア層こそリスク管理が重要になるのです。高い分配金を期待したい心情があるのは理解できますが、リスク管理という観点からは、単一の資産で運用するタイプよりも、バランス型のようなリスクを抑えた投資信託こそ注目すべき商品なのです。

そのバランス型、資金流入額の上位には毎月分配型、隔月分配型がかなりあります。中でも注目したいのが「隔月分配型」です。隔月分配型は、奇数月に分配金を支払うタイプが多いことから、公的年金が支給されない不安を和らげる効果が期待できるからです。毎月分配型を凌駕しているとはいえませんが、順調に純資産額を積み上げつつある雰囲気です。

2018年、資金流入が多かったバランス型、かつ隔月型の投資信託は、JP投信「JP4資産バランスファンド安定成長コース」(約749億円)、アセットマネジメントOne「リスク抑制世界8資産バランスファンド」(約633億円)、野村アセットマネジメント「野村ターゲットインカムファンド」(約577億円)、JP投信「JP4資産バランスファンド安定コース」(約518億円)です。

これらのバランス型投資信託が、1年後にはどのくらいの規模(純資産総額)になっているでしょうか。あるいはこれらに続く隔月型投資信託が出てくれば、隔月分配型のバランス型投資信託というカテゴリーの人気が定着する可能性が高くなりそうです。
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