持続的なEPS(一株当り利益)成長をする企業に投資

2017年後半から新興国の資産クラスを投資対象とする投資信託への資金流入が目立ち始めました。資金流入が目立ったのは既存の投資信託が中心ですが、2017年10月に満を持して新規設定されたのが「ニッセイ/コムジェスト新興国成長株ファンド」です。運用の中核を担うコムジェスト・アセットマネジメントの高橋庸介さんにインタビューする機会を得たのでその背景などをご紹介したいと思います。

―コムジェスト・アセットマネジメントについて教えてください

コムジェスト・アセットマネジメントの高橋庸介代表「コムジェスト・グループはフランスのパリに本拠地をおく独立系の運用会社です。株式のアクティブ運用に特化した運用会社で、「クオリティグロース」の御旗を掲げて長期投資を行っています。クオリティグロースをひと言でいえば、「持続的なEPS(一株当り利益)成長は、優れたリターンにつながる」を信念の基に、高成長株を厳選して運用していくスタイルです」
持続的なEPS成長が期待できる企業に投資

持続的なEPS成長が期待できる企業に投資


ーコムジェスト・アセットマネジメントの投資信託の特徴について教えてください。

高橋代表「ニッセイ/コムジェスト新興国成長株ファンドを設定する前は、コムジェスト・アセットマネジメントのファンドはセゾン投信やクローバー・アセット・マネンジメントが運用する商品にファンド・オブ・ファンズという形で入っていただけでした。リテール(個人投資家)を中心としたビジネスではなく、年金を中心とした機関投資家ビジネスが中心だったのでご存じのない投資家が多かったのかもしれません。手前味噌で恐縮ですが、R&Iファンド大賞2016を国内株式グロース、外国株式エマージング部門で受賞しています」

コムジェスト・アセットマネジメントの高橋庸介代表

コムジェスト・アセットマネジメントの高橋庸介代表



新興国は高い成長の第2フェーズに入った


―新興国株に注目する背景は?

高橋代表「結論から言えば、新興国は高い成長の第2フェーズに入ったと考えられるからです。2000年代後半の第1フェーズは原油などの資源高を背景とした成長だったために、その成長に実体経済が伴っていなく脆弱だったのです。そのためリーマンショック後、資源の輸出先である先進国の経済成長が鈍化することで、資源安の影響を直接&間接に受け新興国に流れていた投資資金は流出、低成長に甘んじてしまったのです。しかしながら、その低成長も2015年に底を打った形となり徐々に投資資金は流入。同時に、資源頼みの成長から実体経済を伴う形へと新興国が成長してきたのです。近年の中国、二桁の経済成長ではなくなったものの、オールドエコノミーからニューエコノミーへ、あるいは投資型から消費型経済への転換により持続的な成長が見込めるようになったとみています」

―2月の米国発の世界同時株安は新興国の相場にどういった影響を与えましたか?

高橋代表「2月上旬からの米国発の世界同時株安。かつての新興国であれば真っ先に投資資金が流出、株式や通貨が大きく売られたはずが、今回は比較的軽微で納まっています。言い換えれば、新興国の成長は地に足を付けた形、かつ実態経済は強いことから、長期投資家の資金流出は起こっていないと考えられるわけです。これまでの米国一辺倒の投資だったため、どちらかといえば米国株は割高な水準にあると言えるでしょう。だから株価の大幅な調整が起こったとも言える反面、米国以外の国、中でも新興諸国に目を向ければ高成長企業はたくさん存在します。しかも株価のバリュエーションは割安な企業も多い。クオリティグロースを掲げる弊社としては、成長の第2フェーズに入った新興国に投資するチャンスが到来したと考えたわけです」

アクティブ運用にこだわるのはなぜ?

―インデックス運用ではなく、アクティブ運用に注目したい理由とは何でしょうか?

高橋代表「新興国は高い成長が見込まれることから、指数に連動するインデックスファンドでも高い運用成績が期待できると思われがちです。先進国株式と比較して良好なパフォーマンスが期待される新興国株式ですが、銘柄により株価のパフォーマンスは大きく異なります。しかも、銘柄間のパフォーマンスの差は、投資期間が長くなるほど大きくなる傾向にあるのです。たとえば、過去1年間の銘柄間のパフォーマンスを比較すると、収益は0%以上50%未満が58%を占め、100%を超える銘柄は1.9%しかありません。しかしながら、期間を5年間に伸ばしてみると、0%以上50%未満の銘柄は28%に減少する反面、100%を超える銘柄は27%に増えるのです(MSCIエマージング・マーケット・インデックス構成銘柄のうち過去5年間の株価パフォーマンスが取得できる789銘柄で集計、2017年6月末現在)。1年程度の運用ならインデックスファンド(運用)でもよいかもしれませんが、長期投資であれば銘柄間のパフォーマンスの差を無視することができないと考えているのです」

―ファンドのパフォーマンスはどうなっていますか?

高橋代表「クオリティグロースを掲げる弊社は、長期投資という視点に立てばこの高いパフォーマンスが期待できる銘柄を厳選する銘柄選択眼を備わっていると自負しています。厳選した銘柄を選択することで、銘柄間のパフォーマンスの差をしっかり確保していくという運用スタイルなのです。だから、アクティブ運用にこだわるわけです。弊社は、新興国株式運用では20年を超える長い運用実績を有しています。弊社が運用するグローバル・エマージング市場株式戦略代表口座の平均年率パフォーマンスは11.7%(運用期間23年)、ヨーロッパ株式戦略代表口座は同11.7%(同24年間)、グローバル株式代表口座は同12.2%(同26
年間)、いずれもユーロ建てベースとなっています」

「ニッセイ/コムジェスト新興国成長株ファンド」について

2017年2月20日現在、販売会社は、アーク証券、SBI証券、静岡東海証券、高木証券、PWM日本証券、楽天証券ですが、今後は証券会社のほか、地方銀行などにも広げていく予定であるとのこと。個人投資家が長期で資産形成を行う商品として注目したい投資信託といえるでしょう。

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