年収103万円以下のアルバイトと業務委託収入20万円の場合の人は確定申告が必要?

年間103万円以下のバイト収入と、業務委託で請け負った仕事の収入が数万円あるという場合は、確定申告が必要なのでしょうか?今回は、あるケースを想定して考えてみたいと思います。ただし実際、確定申告が必要かどうかの判断は慎重に行ってください。

 
アルバイト収入と業務委託収入が両方ある場合の確定申告

アルバイト収入と業務委託収入が両方ある場合の確定申告




<<ケース>>
〇Aは大学生で親の扶養に入っており、アルバイトと業務委託の仕事をしている。
〇アルバイト収入 年間103万円(事務作業/1月~2月と6月から12月までの9ヶ月間)
〇業務委託収入 年間20万円 (雑所得/データ入力の請け負い/3月~5月までの3ヶ月間)

〇業務委託詳細
1.業務委託期間である3か月の間は自宅(親が所有)やカフェで作業を実施。
2.パソコンを使ったデータ入力作業。
3.業務委託収入に関連する支出、必要経費と思われるものは以下

ⅰ.パソコンの通信費3ヶ月分 2万円
ⅱ.親の家の固定資産税 年間30万円
ⅲ.親の家の住宅ローン返済 月15万円
ⅳ.親の家の光熱費3ヶ月分 5万円
ⅴ.カフェ代 3,000円(3ヶ月間)
ⅵ.業務委託先までの交通費 2,000円

アルバイトの収入は給与所得、業務委託の収入は雑所得となります。
 

確定申告が必要なのは、給与所得以外の所得が20万円以上を超える人

1か所から給与の支払を受けている人で確定申告が必要な人とは、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人です。

ポイントは、収入ではなく、所得が20万円を超えるという点です。
雑所得の場合の所得金額は、

総収入金額 - 必要経費 =所得金額

と計算します。
 
つまり、今回のケースは、業務委託収入が20万円であるため、たとえ、必要経費が0円であっても、雑所得は20万円以下となるため、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人には含まれず、確定申告は不要ということになります。ただし、上記は所得税等における取り扱いとなります。住民税では原則として申告が必要となりますので注意して下さい。
 

親の扶養に入ったままで親の税金が増えることはないのか?

では、確定申告は不要となった場合、親がAを扶養控除の対象とすることができるのでしょうか。
扶養控除を受けるための要件の一つに、対象となる扶養親族の年間の合計所得金額が38万円以下という要件があります。
 
上記ケースですと、

給与収入103万円 - 給与所得控除65万円 = 38万円 (給与所得)

となり、業務委託収入にかかる雑所得がある場合には、38万円を超えてしまうことになります。
 
したがって、上記ケースにおいて、雑所得がある場合には、親はAを扶養控除の対象とすることができず、親の所得税等は増えてしまうことになります。
 

扶養控除等の要件である合計所得金額に確定申告が不要な所得も含まれる!

確定申告をしなくてもよい所得であっても、扶養控除等の要件である合計所得金額に含めて、扶養控除等の判定を行わなければなりませんので注意して下さい。
 
では、上記ケースのように、給与収入が103万円、業務委託収入が20万円である場合には、必ず、親が扶養控除を適用することができないのでしょうか。
 

ポイントは必要経費!

業務委託収入が20万円あったとしても、必要経費が20万円あった場合には、雑所得は0円ということになります。雑所得の金額を計算する上で、必要経費に算入できる金額は、次の金額とされています。

(1) 総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2) その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
 
つまり、その業務委託収入を得るために、必要な費用(業務上必要な費用)なのかどうか、が重要となります。
 

家事関連費は、明らかに区分できるか、が重要!

個人の業務においては一つの支出が家事上と業務上の両方にかかわりがある費用(家事関連費)となるものがあります。(例:交際費、接待費、地代、家賃、水道光熱費など)

この家事関連費のうち必要経費になるのは、その主たる部分が業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合のその部分となります。

また、生計を一にする配偶者その他の親族に支払う地代家賃などは必要経費になりません。
 

上記ケースで考えてみると

業務委託収入に関連する支出と思われるもの はどのように考えるべきでしょうか。

ⅰ.パソコンの通信費3ヶ月分 2万円
例えば、このパソコンは、プライベートでの使用は一切しておらず、仕事にしか使用していないことを立証することにより、必要経費とすることができると考えられます。

ⅱ.親の家の固定資産税 年間30万円
一般的には難しいと思われます。たとえば、実際に、A本人が固定資産税を負担しており、その家屋の一部屋を本件業務以外に使用することができず、かつ、床面積などにより合理的に区分できる場合には、可能性があるかも知れません。

ⅲ.親の家の住宅ローン返済 月15万円
一般的には、利息を含め、必要経費にすることはできません。

ⅳ.親の家の光熱費3ヶ月分 5万円
上記ⅱと同様の考え方により、A本人が光熱費を負担しており、本件業務に使用した光熱費をメーターなどにより合理的に区分できる場合には、可能性があるかも知れません。

ⅴ.カフェ代 3,000円(3ヶ月間)
カフェの利用は、業務しか行っていないことを立証することにより、必要経費とすることができると考えられます。

ⅵ.業務委託先までの交通費 2,000円
業務委託先との往復の交通費を負担した場合には、必要経費とすることができます。
 

その他でも

携帯電話代や事務用品代、打合せ費用など、業務の遂行上必要となる経費を洗い出し合理的に区分し、漏れがないように心がけましょう。
 
注)上記の内容は、あくまでも一般的なイメージを想定しております。必要経費については、その判断が非常に難しいため、実際の判断にあたっては、税務署や専門家等に必ず確認の上で行って下さい。
 
必要経費については、日ごろからの準備が非常に大切となります。領収書や帳簿などをきちんと整理・保存し、業務上必要となる理由や金額を明確にしておくことが重要となります。
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