所得税の税率とは?高額になるにつれて税率も高くなる?
一般的には、給与所得などに対する所得税額の計算には、所得税の速算表を使用します。その内容は以下のとおりとなっています。(平成27年分以降分)課税される所得金額 税 率 控除額
① 195万円以下 5% 0円
② 195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
③ 330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
④ 695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
⑤ 900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
⑥ 1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
⑦ 4,000万円超 45% 4,796,000円
課税される所得金額により、7区分となっており、所得金額が高額になるにつれて税率も高くなる設定になっています。
所得金額の区分ごとに税率が適用される
所得税税率のイメージ図は下記のとおりとなります。具体的には、縦軸の課税される所得金額の区分(例:195万円以下)ごとに横軸の税率(例:5%)が適用されるというイメージです。
ポイントは、縦軸の課税される所得金額の区分に該当する金額(例:195万円)部分は、課税される所得金額が195万円超となっても、ずっと5%のままということです。
「課税所得金額」が500万円の場合は?税率は20%
ここでは例として、適用される控除をもろもろ引いた後の、課税される所得金額が500万円の場合で検証してみましょう。所得税の速算表で計算してみると、所得金額500万円の場合には③ 330万円を超え 695万円以下 に該当し、税率20%、控除額427,500円となります。
つまり、
5,000,000円 × 20% - 427,500円 = 572,500円 となります。
では、所得税率のイメージ図のように区分してみると、
① 195万円以下の部分
1,950,000円 × 5% = 97,500円
② 195万円超 330万円以下の部分
1,350,000円(330万円-195万円) × 10% = 135,000円
③ 330万円超 695万円以下の部分
1,700,000円(500万円-330万円) × 20% = 340,000円
所得税額合計 = ①97,500円+②135,000円+③340,000円=572,500円 となります。
このように、所得税の速算表で計算した金額572,500円と一致していることが確認できます。
1段上の税率が適用されるのは、あくまでも、1段上の区分に該当する所得金額部分のみ
つまり、理論的には、1円でも増えると、税率の区分(①~⑦区分)が1段階上がり、税率が上がる場合もあるため、所得税の負担が増えることになりますが、1段上の税率が適用されるのは、あくまでも、1段上の区分に該当する所得金額部分のみとなります。(実際には、課税される所得金額は1,000円未満は切り捨てとなります。)
ちなみに、控除額を検証してみると、
①195万円以下の部分1,950,000円 × 15%(20%- 5%) = 292,500円
②195万円超 330万円以下の部分
1,350,000円 × 10%(20%-10%) = 135,000円
合計 427,500円 (292,500円+135,000円)
要するに、500万円全額に20%をかけると、①の5%部分と②10%部分の所得金額にも20%をかけてしまうため、20%との差分(例:427,500円)について、控除することにより速算できるようになっています。
他にもある所得税の税率!
上記の所得税率によらず、別の税率をかける場合もあります。例えば、土地や建物などを譲渡した場合の所得については、上記の課税される所得金額には含めず、下記のように区分することになります。
(1) 長期譲渡所得の場合 課税長期譲渡所得金額×15%
(2) 短期譲渡所得の場合 課税短期譲渡所得金額×30%
所得税だけではなく、相続税や贈与税にも速算表があります。一度確認してみてはいかがでしょうか。
【関連記事をチェック】
所得税はパート月給がいくらから差し引かれる?8万8000円に注意
所得税が0なのに住民税が課税される理由
月収20万円で手取りはいくら?所得税と住民税、年金等を引く
所得税の基礎控除とは?計算方法は?